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健康について第31回 ゲーム感覚で健康になる!(医療制度との距離感その6)

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 お世話になります。龍澤と申します。

 前回まで、「薬」という存在にフォーカスして書いてきました。今回で医療制度との関わり方について、いったんまとめをしたいと思います。

 「エンジニア」と呼ばれる人種は、医療制度なしには成り立たない職業であるという厳然たる事実がまずあります。私たちは身体を酷使しているがゆえに、定期的にメディカルチェックを受けなければなりません。

 システムエンジニアリング(およびそれに付帯するいろいろな仕事)というのは極めて現代的な仕事であり、ということは、現代医療の継続的な支援がなければ健康を維持できないということです。

 つまり、私たちは「働けば働くほど(何もケアしなければ)不健康になってゆく」ということです。座り仕事であるがゆえに「身体を酷使している」という意識を持っていない方が多く、対外的にも激務であると見られていないのも問題です。

 そして、システムエンジニアリングが英語圏から入ってきた仕事だからなのかわかりませんが、システムエンジニアの食生活もどんどんアメリカナイズされてゆく傾向にあり……(要はジャンクフード好きということです)これも不健康に拍車をかけます。

 エンジニアでも、会社に属している方は強制的に健康診断を受けるのでまだよいのですが、フリーで仕事をしているエンジニアの中には、定期的なメディカルチェックを行なっていない方が多いようです。時間がない、というのが大きな理由なのでしょうが、とにかく取り返しのつかないことになる前に、メディカルチェックは必ず定期的に受診しましょう。

 メディカルチェックをそもそも受けないというのは大きな問題なのですが、チェックを受けているにもかかわらず、その結果をまったく活用できていない人が多いというのは、もっと大きな問題なのかもしれません。以下に簡単に分類してみましょう。

  • 結果をまったく気にしないケース。

二次検診を受けるように書かれてあっても受けない。生活習慣の改善について具体的に書かれていても、まったくやらない。

  • 結果をみて必要以上にくよくよする。

良くない結果を得ると「自分は病気持ちなんだ」とネガティブ思考に支配される。でもなぜか、1と同様に生活習慣の改善には着手しない。(致命的でない範囲で持病を持っておけばいろいろと言い訳が効くから?)

  • 結果が良好だからといってますます悪い生活習慣に走る。

特に若い人に多いパターン。数値的に良くない結果(例えば「要再検査」とか)になるまで止まれない。という意味では、検査結果の正常な数値に満足していない(病気なりたがり)ともいえる。こういう人はとことんまでいって「要入院」になるまでそのままのことが多い。(そして改心を誓ったときにはもう遅く…)

 健康診断の結果を「活用する」とはどういうことか? 例えばどこか局所的に悪い値が出ている場合はどうすればよいのか?

 それは、簡単にいえば、結果に対する医師の指導に一応従いつつも、自分なりに検索して調べる(もちろん、調べた結果として自分が納得する対処方法を実践する)ということです。つまり、前回書きましたが自分なりの「セカンド・オピニオン」を医師の指導の対抗軸として必ず立てておく、ということです。医師のいうことをうのみにしない。そしてもちろん、自分が調べたことも独りよがりに盲目に信じないこと。(ここで私たちの「メディア・リテラシー」が問われます!)

 1つわかりやすい例をあげれば、例えば医者は頑なに投薬治療を勧める場合でも、それに対して表面的には従いつつも、家では自然療法を実践し続ける、といったことです。医者ははっきりいって柔軟性はありませんので、「私は自分の信念があるので自然療法でいきます」と宣言したところで、「こいつアタマおかしい」と思われるだけです。医者はゼッタイに自分が正しいと信じているわけですから。自分なりの対処はこっそりやってもいっこうに構いません。

 この例で非常に重要なことは、お互いにアプローチが「ケミカル」か「ナチュラル」かだけで、実は優劣はないのです。「ナチュラル」を志向するタイプの方々も、柔軟性のない医者と同様に、自分のやりかたを頑なに正しいと信じこみ、それ以外のソリューションを下に見ることが多々あります。「ナチュラル」だからといって身体に負担が少ないだけで病気がちっとも治らないことだってあります。

 医者というのは実は膨大なマニュアルの中から症例にあわせてひとつのソリューションを提示しているだけです。その医者が、オープンな心持ちを持っていなければ、ソリューションは自分の経験や研究の範囲内に限定されます。それが、非常に怖いのです。医療の世界では、私たち素人がゼッタイにタッチできない、きわめてたくさんの研究とソリューションがストックされているにもかかわらず、そこに目を向けない医者がたくさんいるのです。

 視野が狭い医者の判断や処方というのは、はっきりいってGoogleに劣ります。これは、断言できます。ですから、患者側の人たちには徹底的に自分の症状について検索すること、そして、自分の直感で「これ」と思った対処方法について実践することをお勧めします。(後悔のないように)

 ただし、自らが調べて自らが実践するのだとしても、それはそれでインターネットという膨大な情報の中から自分に都合のよい「マニュアル」をひっこぬいてきているだけです。という意味では、医者の指示もgoogleも五十歩百歩ではあるのです。それは、常に頭の片隅にいれておいた方がよいです。この連載の最初の方に書いたと思うのですがとにかく人間の身体というのは皆違いますので、100%自分に合致する症例などないと思った方がよいです。

 自分の身体への対処方法は、自分で見つけてゆくものです。

 真の健康という意味では、実は定期的な健康診断の結果(数値)に囚われてはいけません。数値はあくまで目安でしかないのです。

 ですが、ITの業界の人はとにかく数値が好きなので…逆に定期的に自分の診断結果を完全に定量的に把握すべきだと思っています。

 つまりゲーム感覚で、数値と遊ぶ感じがよいと思うのです。どこかで悪い数値が出ているのであれば、それを楽しみながら、自分なりの健康法を実践しながら正常値に近づけてゆくのがよいですね。

 例えるなら、受験勉強と同じなんですよね。偏差値を上げるためにゲーム感覚で勉強に熱中してゆくあの感じ。(ただ、どこかで冷めてる)

 健康になるのもそれと同じで、よいのです。

 読んでいただきありがとうございました。

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