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会社に待遇を求めるより自分が何ができるか

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十年前のIT業界の待遇は酷かった。しかし、ここのところかなり改善されてきたように思います。最近では、オシャレなオフィスのITの会社もよく見かけるようになりました。IT業界に限らず、従業員の居心地の良さに目を向ける企業が増えたように思います。ただし、そいういう待遇の良さと言うのは、会社に所属したことによる特権ではなく、労働に対する対価です。対価を求められると言うことは、相応の努力が求められます。

こういう事情からか、待遇と努力を天秤にかける人というのをよく見かけます。良い待遇を得るために努力するのはいいと思います。ただし、評価されるのは努力ではなく成果です。なので、「これだけ頑張ったから、良い待遇であるべきだ!」は成り立ちません。天秤にかけられるのは、待遇と成果であって、待遇と努力ではありません。また、それを天秤にかけるのはあなたではなく会社です。

会社に意見するのはいいですが、どのように成果を出すかという話が無ければ、説得力を持ちません。待遇の決定権は会社が握っています。こちらでコントロールできるものなどありません。やれることは、こちらが「何ができるか」という手札を揃えて駆け引きをすることくらいです。持てる手札で最大限の好待遇を得る努力もいいですが、手札が無ければ打てる手も限られます。駆け引きを頑張るのもいいですが、手札を揃える方が確実です。

ここまでの話を簡単にまとめると、好待遇が欲しければスキルを磨け。というそれだけです。ただここで重要なのは、「好待遇を提供してくれるから、スキルを磨く。」ではダメです。エンジニアである以上、スキルがあることが前提です。好待遇を求める際に、この順番を間違えてはいけません。最初から優遇されるような人は稀です。少なくとも、このコラムを読んでいるということは、そういう人ではありません。まず、こちらが何ができるかです。

結局、待遇にしても会社側が揃えた手札に過ぎません。会社も何等かの努力をして手札を揃えています。そいういう点では、私たちと条件は同じです。会社と個人で、少ない手札で駆け引きに奔走するより、お互い多くの手札で支え合えるような関係の方が幸せになれます。目指すべきはそこかと思います。会社であれ個人であえれ、相手に要求するものが多いほど、多くの手札が必要になります。相手に多くを求めすぎないというのが、もしかしたら賢いのかもしれません。

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