言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

脇役としてのエンジニア

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主役しか活躍しないシナリオはつまらない。一応、私の中での定説です。漫画、アニメ、ドラマ、どれをとっても、面白い作品には魅力的な脇役がいます。例えばウルトラマンにしても、毎回同じ怪獣が出てきたらものすごくつまらないです。毎回、ちゃんと怪獣の個性を引き立てているからこそ、毎回ワクワクしてみることができます。

失敗するプロジェクトはつまらないシナリオに似ています。お客さんと上流だけが活躍して、あとはその他大勢のモブキャラです。それぞれに役割は割り当てられていますが、発言する権限は与えられていません。ただ、言われたことをこなすことを求められます。それぞれの能力が活きないので、人数の割に大した成果が上がりません。その結果、プロジェクトが炎上します。

解りやすく万年炎上SESを例に挙げましたが、どこのプロジェクトでも主役の取り合いでトラブルになりやすいです。自分で設計して自分の手で実現していくのは楽しいです。しかし、それができる人はごく一部です。裏に回ってちゃんとサポートできる人がいなければ組織はまとまりません。それが、シナリオでいう魅力的な脇役です。

一般的なイメージからすると、主役をやるより脇役をやる方が簡単そうです。実際は簡単か難しいかという問題ではなく、役割の配分です。主役に求められるスキルと脇役に求められるスキルは別です。主役をサポートするという立場上、どうしても劣って見られがちなので、やりたいと思う人が少ないのが現状です。

ただ、理解されにくい立場ではありますが、意外とブルーオーシャンで将来性のある役回りかもしれません。みんなが主役を目指す中、地道に人をサポートする能力を伸ばしておけば、アピールできるだけの要素となり得ます。脇役というキャリアももうすこし認知されてもいいかと思います。

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