高校~社会人の情報学基礎知識講座

著作権について 各種出題編

»

たまらないストックを増やす努力なう。

著作権の問題は高校情報科のほうが全体的な問題が多いのよね。

知的財産権小話として、知的財産権の裁判は東京と大阪の裁判所しか受け付けてないそうな。裁判官側も専門的な知識が必要になってきたので受け付ける箇所を減らしたらしい。

他人の著作物を例外的に利用する方法は色々規定されているんだけど、その中で有名なのは「引用」という例外規定かと思われる。 引用は条件を満たすと著作物の一部を利用できる規定である。 ちょいちょい吹越も問題を紹介しているがその問題の著作権は本来それぞれの会社に帰属する。それを引用という形で引っ張ってこれるわけだ。著作権法32条。

引用の条件はこんな感じ。

ア 既に公表されている著作物であること

イ 「公正な慣行」に合致すること

ウ 報道,批評,研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること

エ 引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること

オ カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること

カ 引用を行う「必然性」があること

キ 「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)

文化庁 (2010)§8. 著作物等の「例外的な無断利用」ができる場合ア、「引用」(第32条第1項)

他に著作物を利用する方法としては許可を取れば良いじゃない、というのがあったり。でもいちいち許可を取るのは大変というのもあって著作者側が著作権表示を出したりするパターンもある。クリエイティブコモンズとかニコニコモンズとかあったりする。

その辺も含めて問題集行きましょう。

日本文教出版「新・社会と情報」情報のノートp21

次のような場合は著作権者に許諾を取らずに自由に利用できるか、または許諾が必要か、正しいほうを選びなさい。 また自由利用と答えたものについて、その理由を(ア)国民に広く知らせたほうが良いから、(イ)保護期間が終了したから、(ウ)著作権の制限があるから、の中から選び記号で答えなさい。

  • 裁判の判決文を映画の中で利用する
  • 詳説「吾輩は猫である」を原作としたマンガを作成し、インターネットで公開する。
  • 生徒が授業準備のために、教科書の本文をコピーしてノートに貼る
  • インターネット上で話題になっていた芸能人のコメントを自分のブログで引用する。
  • 文化祭で軽音楽部がはやりの楽曲を演奏する。
  • 新聞で報じられている緊急性の高い災害記事の本文を自分のブログに転載する。
  • 旅行会社が外交人観光客向けに作成した日本の法律の解説書を自分の書籍に転載して販売する。

ここから解答。インラインで。

  • 裁判の判決文を映画の中で利用する

→自由利用可能。(ア)国民に広く知らせたほうが良いから。

  • 詳説「吾輩は猫である」を原作としたマンガを作成し、インターネットで公開する。

→自由利用可能。(イ)保護期間が終了したから。

  • 生徒が授業準備のために、教科書の本文をコピーしてノートに貼る

→自由利用可能。(ウ)著作権の制限があるから。厳密には「授業のため」なので教育利用のため。自宅での勉強でのみ使うなら私的利用だから、という理由でOK

  • インターネット上で話題になっていた芸能人のコメントを自分のブログで引用する。

→自由利用可能。(ウ)著作権の制限があるから。引用と明記されてるのでOK

  • 文化祭で軽音楽部がはやりの楽曲を演奏する。

→自由利用可能。(ウ)著作権の制限があるから。文化祭が学校で行われる教育活動の範囲なのでギリギリOKCD販売したらアウト。

  • 新聞で報じられている緊急性の高い災害記事の本文を自分のブログに転載する。

→許諾必要。緊急性が高かろうと一般人は著作権を守る必要がある。

https://togetter.com/li/1036074 お前誰だよ。尚41条時事の報道のための利用が許可されているけど、「構成した著作物」ではないのでこの場合のテレビ局の動きは正しい。勝手に許可してるこのおじさんが誰だよ...。許可を出す権限は著作権者にしかありません。

  • 旅行会社が外交人観光客向けに作成した日本の法律の解説書を自分の書籍に転載して販売する。

→許諾必要。法律自体は著作権フリー(上記のアに相当)なんだけど、それを解説書にすると書籍著作者の著作権が出てくるので無断転載はアウトー。

慶応義塾大学総合政策部2016年情報科入試問題(ケ)。

著作権に対し、正しいものを下の選択肢から一つ選びなさい。

  • ソフトウェアをひとつ購入し、自宅にコンピュータが2台あるのでそれぞれのコンピュータにインストールした場合でも、著作権の侵害は一切生じない。
  • 映画館で上映されている映画については、すでに鑑賞料を払っているので、個人で楽しむだけの目的であれば、ビデオカメラで録画することも許される。
  • Webページを作成する際、関連するWebページへのリンクを無断で作成することも、著作権法上の著作権侵害となる。
  • 歌手のCDを音源としてWebページで公開する場合、著作権者である作詞家及び作曲家の承諾のみを得ればよい。
  • 生徒が授業中に描いた絵が優れていると認められたので、学校のWebページで公開する場合であっても、描いた生徒の許諾が必要である。

(※原文ではマークシートのマークを指定しているが、無意味になるため問題文を修正しています。正しく引用の条件を示すなら原文通りにする必要があります。)

  • ソフトウェアをひとつ購入し、自宅にコンピュータが2台あるのでそれぞれのコンピュータにインストールした場合でも、著作権の侵害は一切生じない。

→不正解。ソフトウェアの著作物に関する規定違反。家庭内であっても私的利用から除外されます。

  • 映画館で上映されている映画については、すでに鑑賞料を払っているので、個人で楽しむだけの目的であれば、ビデオカメラで録画することも許される。

→不正解。NoMore映画泥棒さんが来るぞw 個人的利用でもアウト。映画のDVDなどを購入してください。

  • Webページを作成する際、関連するWebページへのリンクを無断で作成することも、著作権法上の著作権侵害となる。

→不正解。リンクを勝手に貼るのは「書籍~では」と紹介するのと同等であるものとみられ、中身をコピーしているわけではないので著作権侵害に該当しない。同様に書評系Youtuberとか居るけど、中身の音読とか引用と言えないレベルで画面に中身の丸写ししてなければ何の問題もなし。

  • 歌手のCDを音源としてWebページで公開する場合、著作権者である作詞家及び作曲家の承諾のみを得ればよい。

→不正解。歌っている本人の著作権もある。その辺をまとめて管理するJASRACに問い合わせるのが正しい。

  • 生徒が授業中に描いた絵が優れていると認められたので、学校のWebページで公開する場合であっても、描いた生徒の許諾が必要である。

→正しい。一般性とであろうとも著作者は本人にあるため、許諾を得る必要アリ。

ITパスポート平成31年春期問9

著作権法の保護対象として、適切なものはどれか。

()プログラム内の情報検索機能に関するアルゴリズム

()プログラムの処理内容を記述したプログラム仕様書

()プログラムを作成するためのコーディングルール

()プログラムをほかのシステムが使うためのインターフェース規約

解答イ。 アは解法なので、ウエはルールの明示なので保護対象外。

基本情報処理技術者試験平成26年秋期午前問79

著作権法によるソフトウェアの保護範囲に関する記述のうち,適切なものはどれか。

()アプリケーションプログラムは著作権法によって保護されるが,OSなどの基本プログラムは権利の対価がハードウェアの料金に含まれるので,保護されない。

()アルゴリズムやプログラム言語は,著作権法によって保護される。

()アルゴリズムを記述した文書は著作権法で保護されるが,プログラムは保護されない。

()ソースプログラムとオブジェクトプログラムの両方とも著作権法によって保護される。

解答エ。OSも著作物に入る。が、103項で言語・規約・アルゴリズムなどに適用されないと明言されてるのでイはアウト。ウもアルゴリズム自体は著作物認定されないが文書とプログラムは著作権法で認定される。

応用情報技術者試験平成27年秋期 午前問78

Webページの著作権に関する記述のうち,適切なものはどれか。

()営利目的でなく趣味として,個人が開設しているWebページに他人の著作物を無断掲載しても,私的使用であるから著作権の侵害とはならない。

()作成したプログラムをインターネット上でフリーウェアとして公開した場合,配布されたプログラムは,著作権法による保護の対象とはならない。

()試用期間中のシェアウェアを使用して作成したデータを,試用期間終了後もWebページに掲載することは,著作権の侵害に当たる。

()特定の分野ごとにWebページのURLを収集し,独自の解釈を付けたリンク集は,著作権法で保護される。

解答エ。リンク集も独自解釈としての分類があれば著作物と認定される。アは公衆送信権の侵害でアウト。インターネットに公開、私的利用ではありません。イは公開しても著作権は残ります。ウは特別な取り決めがなくても制作結果は別者扱いされます。

技術者試験系はやっぱりソースコードとかの話が中心になりますね。

この間住友とかの現場に入っている社員がgithubにソースをアップロードした事件があったけど、特段の取り決めがない限り「ソースの全文を書いたのであれば」著作者は本人にあります。(この事件のエンジニアがソースの全文を書いていたかを吹越は知らない。)

まぁでも業務著作を無断で外部に公開するような派遣社員は一発退場物なので、情報漏洩と騒ぐというより本人が駄目。ひいては派遣元の会社の社員教育が駄目。という見解を吹越は持っています。

聞こえてくる噂だと警察で利用しているコードもあったとか?そんな大手に手を伸ばせる会社なのに社員教育何やってんだ?とは思いました。

長くなったけど以上。次回2/11正午 不正アクセス禁止法編で!

Comment(2)

コメント

けん

著作権法13条3号で判決は著作権の目的とはなりませんので、一番最初の問題は(ウ)でしょうか?

マスター吹越

けん様
コメントありがとうございます!
返信が遅れてごめんなさい。
判決文を映画内で利用するのは著作権違反か、という問題についてですね。
問題集の模範解答的にはアでしたが、仰る通り13条の3の制限により著作権を持たない、でも○です。
元資料の模範解答しか記載しておりませんでした。
後日補足をいれておきます。

コメントを投稿する