新米武装派フリーランスプログラマ男子(0x1d歳)

心経 Reading―法事から学ぶソフトウェア開発技法

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 お世話になっております。terukizmです。

 私事で恐縮ですが、数日前に祖母が突然亡くなりまして、昨日、その葬儀に行ってまいりました。

 諸事情により、親族のみ5名というささやかな式だったのですが、それゆえに故人をより強く偲べたように思い、個人的には出席できたことを非常に有意義に感じました(ただお坊さんへのお布施が僕の1人月以上に相当したのには正直モニョっとしましたが、まあそれは別の話)。

 そこで数年ぶりに「読経」という物を耳にしました(ちなみに真言宗らしいので、多分いわゆる般若心経)。読経を聞いてみて、意外と「プログラマにはこのような体験も、たまには良いのかもしれない」と思ったので、このようなコラムを書かせていただくこととしました。

 ……あ、そこ引かないで。引かない。

 お断りしておきますが、僕は完全に無神論者です(強いていうならT-72神教)。

 僕が死んだら、高価な墓石を立てるとか葬式に金をかけるよりも、僕のPCの全ハードディスクのデータを完全に破壊してくださいお願いですからお願い、ってくらいに信仰とかないです。特にDドライブ。Dドライブの中身だけは絶対、絶対見るなよ!!

 なので当然、本コラムが特定宗派や特定宗教をすすめるものでないことだけは、キッパリとご理解いただけますと幸いです。

■信仰のススメ?

 プログラミング界隈でも、クリスチャンで有名な方がいらっしゃいますよね(関係ありませんが、僕はクリスチャン・ベイル大好きです。ガン=カタとか超カッコいい)。

 「聖☆おにいさん」を大爆笑で読んでしまうくらいに信仰に無関心な、いわゆる日本人的で一般的なプログラマの僕にとって、「ありがたい言葉」を聞きに行くために時間をとって出かけるという習慣が正直、よくわからない。

 まあそんなわけで、僕は「そんなん行くくらいなら寝てる方がいいわー」とか思って初詣すら10年くらい行ったことがないんですが、数年ぶりにお経を聞く機会があって、僕なりに初めて「ほんのちょっとだけ」そういう行為のメリットを理解できた……ような気がしたのです。

 というのもですね、「本当に何もしないで時間を過ごす」って行為、普通のプログラマならまず「絶対しない」んですよ。だって常に職業病的に効率とか考えてるでしょ? 何事においてもマルチタスクを義務付けられてるというか。

 その上、ただでさえ休みが取りづらい。かつ日進月歩で技術革新が進むので、プライベートな時間すら、自らの自己研鑽へと注ぎ込まなければならない……常在戦場、「戦わなければ生き残れない!!」みたいな風潮、あるじゃないですか。

 で、なんとか自由時間があったとしても、「とりあえず寝て体力を回復したい」とか、「趣味やりたい」とか、家庭がある人は「家族サービスしなきゃ」とか、些末なことから大事なことまで、「タスク」や「Todo」が普段からとにかく、たくさんある。それを潰していくので毎日精一杯。

 だから、「本当に何もせずただ座ってるだけ」という、一見「極めて非効率的」なことは、プログラマならたぶん「絶対しない」んですよね。暇で暇でしょうがなかったとしても、Twittrer見たり動画サイトみたり、あるいは「ジミー・ウェールズからのお知らせ」を見ちゃったりする。だってそっちの方が楽しいし。

 ですが、携帯すら触れず、ノートPCどころか筆記用具すらなく、あるのは自分の身ひとつ……しかも耳から入ってくるお経とか、正直聞いていても「まったく意味がわからない」……という異空間へ放り込まれると、自分の脳みそを使って思案にふけるくらいしか、はっきり言って「することがない」。

 そうなると「自分や他人について」とか、「仕事や家族について」とか、いろんなことについて、ちょっとだけ立ち止まって見つめ直す――そんな、「意外とない機会」になるんですね。

 言い方を変えますと、「PDCAサイクル」で言うところの「Plan」とか「Check」に当たるプロセス、といえばわかりやすいでしょうか。これ、ビジネス書籍とか開発手法とかで基本中の基本としてあげられてますけど、普段の生活の中で習慣化して実行できてる人って、まずいないんじゃないかと思うんですよ。だってプログラマとか、毎日生きていくので精一杯ですもん。人生葉っぱ隊。

 で、僕はあまり詳しくないですが、「静かに祈りましょう」という時間は、他の宗教でもあるわけですよね。それが何のためにあるのかとか、どういう解釈なのかについては僕は門外漢ですが、「いわゆる各種ゴッド的なもの」に感謝の念やら何かを送りつけるだけじゃなく、もしかして、静かに集中して自分の人生の「Plan」とか「Check」について、じっくり考えるための時間……なんじゃないでしょうか。

 それで、著名なプログラマで信仰も嗜んでいる方々は、こういう「祈り」の時間で定期的に、自分の「Plan」や「Check」を整理し、その後「Do」とか「Action」へとつなげることで「成果」を出しているんじゃないか……。そんなことをふと、思ったわけです。ぜんぜん的を射てなかったらすみません。

■というわけで

 まあ、ちょうど年の区切りとして1年を振り返る時期でもあることですし、幸運にも年末年始でお休みがいただけるという方は、時間をとってじっくりと、自分の人生の「Plan」とか「Check」を、見つめ直してみるというのは、いかがでしょうか。

 ……とはいっても、いきなり「入門」は難易度が高すぎます。

 なのでおすすめは、「ウォーキングやサイクリングなどの比較的、低負荷の運動をしながら思案にふける」というもの。この季節じっとしてると寒くてしんどいし、温かいと眠くなるので、脳に刺激を与える意味でも、効果的なんじゃないでしょうか。たぶん。

 ちなみに、家で座禅を組んでチャクラを開いたりするのもなんとなく格好いいかと思いますが、「おうちの魔力」というものは固有結界クラスなので、高確率で各種の誘惑に負けてしまうことでしょう。僕の場合ははっきり言って、無理だと思います。

■さいごに

 本年度はわたくしの稚拙な駄文などをお読みくださいまして、まことにありがとうございました。

 わたくしも今年の穢れを悔い改めるとともに、清廉潔白なる心を持ちて、新しき年を迎えたいと存じます。

 それでは皆様、良いお年を。

御神仏像

 

Comment(4)

コメント

embedor

イなんとかさんのフィギュアいいなー。
私もお盆とかもほとんど墓参りに行かないくらい信仰心はないので
知らない神さんを信仰するよりかは
クリスチャンで有名な方を信仰すると思います、一PGとして。

terukizm

現人神扱いは迷惑じゃないすかね。。そんなことよりインなんとかさんの話はNG

captainnemo

心身疲れ果て、SEを挫折してしばらく精神的失踪をしたのちに「お遍路」さんを完遂してしまった私から見れば、般若心経は「かなりアセンブラっぽいプログラム言語」ですよ。あれは宗教的というより内容は哲学的ですし、何十回も唱えているとトランスできてしまうおまけもありますし。

で、コードを分かりやすく解読(高級言語化)するうちにいろいろ流派ができて余計な機能がついて、移植不可になるあたりもプログラムに近いですね。

困った時は「ディレイ・ラマ」さんか「ボーカロイド」さんに歌ってもらうと精神少し落ち着きますよ。

terukizm

僕は蝉丸Pのが好きです。

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