SE的比較優位におけるスキルの計算式を考えてみる
このコラム、ほそぼそと書くつもりが、気が付けばついに月間エンジニアライフのタイトルを飾っていました(そして気が付けばそのタイトルが2月の月間で消えていましたw)。私的には前々回の「比較優位」についてのコラムがメインだっただけに、少々複雑な気持ちではあります(べ、別に見てほしいってわけじゃ……)。
●SE的比較優位における数値の計算式を考える
以前お話した比較優位で使用した数値ですが、数値化できなければ意味がないのはお分かりになるかと思います。比較できないと比較優位が成立しません。実際数値化、評価が難しい物ですが、作業を振る側からするとどのようなことを考えているのか、私が見聞きした範囲で考え、書いてみたいと思います。
前回にも少し考察は書いていましたが、まず数値について簡単に定義したいと思います。
●数値定義
★基本値:スキル(業務経験)
0:未経験
20:経験はあるが未熟(ここまでは単独での業務遂行が困難)
40:経験あり(業務はこなせる)
60:経験豊富(十分業務をこなせる)
基本的には、上記のような経験を基に作業を振る人が判断をするわけですが、前回のコラムでもお話したかもしれませんが、私はほとんど経験がない業務をよく振られます。つまり、これだけではなく、別の補正がかかっていると考えられます。
★補正係数:ポテンシャル(過去実績、やる気など)
-20:作業のミスが多く、信用できない
0:特に良くも悪くもない
20:目立ったミスもなく、安定している
40:無茶振りでも、それなりに何とかしてくれる
モチベーションや過去の業務実績による信頼等、経験とは一切関係のない、作業を振る人が見た個人の信頼に関わる係数。これが高いと、多少のスキル差を覆すこともしばしば起こるようです。
★補正係数2:作業状況
今回は特筆しませんが、それ以外にその人の業務状況が加味されるでしょう。忙しい人には適正があってもなかなか作業は振れませんからね。
●計算式考察
上記の定義を基に、実際の式を考えて見ます。まず、スキルとポテンシャルですが、過去の経験上、ポテンシャルの方が重視されているように感じます(周りに適正の高い人がいないからという説もありますが)。また、スキルは仕事をしながらでも得られるため、スキルの計算結果にはポテンシャルが関与すると考えられます。この2つを考えた結果、私は以下のような式に行き着きました。
SE的比較優位指数=MAX((スキル+ポテンシャル/2),ポテンシャル)×作業状況
スキルが十分高ければスキルだけで仕事が振れるが、ポテンシャルによる逆転もよく起こる。スキルが低い者同士であればポテンシャルの比重が非常に重い。ただし、作業状況は最終的に考慮する。
実際に私が作業を振られたときの計算結果はこんな感じだったと思われます。
私
スキル:10(ほとんど経験なし)、ポテンシャル:20~40(振る側の評価高、仮に40とする)
SE的比較優位指数 = MAX((10+20), 40)=40
比較対象者
スキル:30(経験少)、ポテンシャル:-20~0(振る側の評価低、仮に0とする)
SE的比較優位指数 = MAX((30+0),0) =30
と、ポテンシャルによって多少のスキル差は逆転してしまう結果となります。案外、それらしい式になっているのではないでしょうか。例題には挙げていませんが、その人が多忙ならばこれにマイナス補正がかかってくるでしょう。
●困った時はポテンシャル?
日頃の実績やモチベーションは経験ほど直接影響しませんが、その人の評価を下支えするかなり重要な要素と言えるのではないでしょうか。最近私も実感していますが、モチベーションが低いと、慣れている作業もどこか穴が多く出ますし、逆にモチベーションが高ければ多少適正の低い作業でもそれなりの成果が出ます。新しい事を続けて居たい方は、日頃の成果、モチベーションに気を配るとよいかも知れませんね。