アットマークマキアート物語 ラブライフハック企画 『アットマークX'mas-森村編-』◆12月20日 サンカン日和◆
クリスマス特別企画・ IT業界の恋愛模様を描く集中連載。 ITエンジニアたちよ、恋愛していますか? 毎回、ちょっとしたライフハックネタも紹介。12月20日から12月24日まで、毎日更新!
◆ ◆ ◆
◆なんかはじまり
「というわけで、東京のこの会社に出向してくれ。来月からでいいから」
「今日は11月20日ですけど……」
「10日もあれば準備できるだろ。がんばれ!!」
「今回は新幹線でお願いします」
みなさま、お久しぶりでございます。株式会社マキアートの森村です。
前回のお話からいつのまにか1年が経過して、わたしはそれなりなプログラマになりました。
「設計などの上流工程に携わりたいです」といったとたんに上司から、
「じゃあ、まずは下流からだな!!」
ということでテストエンジニアからプログラマへと流れて現在システムエンジニアにむけてプログラミングを勉強しているところです。
昼間に急に呼ばれたかと思えば、こんなお話です。
そんなわけで東京に出向です。東海道新幹線でおよそ5時間。わたしは1年ぶりに東京へと降り立ちました。
◆ ◆ ◆
プログラマとしてわたしが出向命令を出されたのは大手町の某大手企業でした。
いつのまにか1カ月ここにいます。
で、わたしは今……5歳児の相手。
今日は「こども参観日」なるものが開催されています。
授業参観の逆バージョンみたいなものです。これからの未来を担う子供たちにITを知ってもらおうという社会貢献で小学生から中学生までを対称にしているのですが……なぜ、わたしは5歳児の相手をしているのでしょうか?
「なかなかお姉ちゃん姿も板についているね」
東京に着てからのわたしの教育係である鋼野さんがちゃちゃをいれてきます。
鋼野さん、かなりお偉いし、なによりもやさしいし、教え方がちゃんとしているしでお年も32歳と……実はわたしのつぼにかなりクリーンヒットでちょっと恋心なんて抱いちゃったりして!! 話しかけられるたびにどきどきします。
「そんなことないですよ。でも、こんな弟ほしいなぁー」
「日須さんに頼んでみれば?」
「無茶いわないでくださいよー」
そんな鋼野さんも3歳児の相手をしています。パパみたいで素敵過ぎる。
ちなみにわたしが相手しているのも、鋼野さんが相手しているのも、社員さんのお子さんです(日須さんと両田さんです)。
「せっかくだから社員の子供も……」ということでの試みなのですが、ちょっと若すぎない?
なんか、子守りに使われているような。でも、せっかく鋼野さんといられるならいいか!!
「はーい!! こちらがシステム開発部ですー」
見学にやってきた子供たちを率先して案内しているのが久実チヨさんと朝田さん。なんていうか、こっちは姉と弟って感じがしてほほえましいです。
「うーん、たまにはこういう貢献もいいね。これが初の試みなんだけどこれからも続けてもいいかな?」
「あれ? 初なんですか?」
「そうだよ。今までこういう試みはしたことなかったんだけど、社長が「楽しそうだから」って」
「お姉ちゃん、ショッカーやってー!!」
「無茶ブリするな!!笑」
あぁ、なんで子供ってこんなに天真爛漫なんだろう……。あと1時間ぐらいだから、まぁいいか。
あ、今日はたまたまこういう催しがあって仕事の手を止めていますが、普段はちゃんと仕事してますよ。
念のため!!笑
と、さきほどまで案内役をしていた久実チヨさんがやってきました。
「すいません、今日はちょっと用事で1時間早く帰りますので」
「あ、いいよ。うちの会社もともとフレックスだし。お疲れ様ー」
「朝田くんがちゃんと誘導してくれますよ。森村ちゃんもよろしくね!」
「あ、はい。お疲れ様でしたー!」
なんか久実さんと鋼野さんの間には氷のようなオーラがある。仲悪いのかな?
……ってよくよく考えたら後よろしくって!!
「お姉ちゃん、僕がライダーやるから~!!」
「イー!!」
それにしても、子育てって大変なんですね。手がかかるなぁ……。働きながら、こんな小さい子の相手だなんて大変です。わたしには……たぶん縁がないから遠い未来かな。
世のIT女性はどうやって子育てと両立しているんでしょうか?
「お疲れ様でしたー」「お疲れ様ですー」
そんなやりとりのある定時。なんとか今日をやりすごしました。
正直、子供の相手をするのは楽しいのですけど疲れます。
「あの、ちょっと気になったんですけど……」
帰り道の電車で、わたしはさっきから気になっていたことを一緒に帰っていた紅サラさんにぶつけてみた。
「久実さんと鋼野さんって仲悪いんですか?」
「え? なんで?」
「いや。なんか氷のようなオーラが……」
紅さんは腕をくんでうーんとうなりました。やっぱり、仲が悪かったのでしょうか?
「あの2人も素直になればいいのにねー!!」
「え?」
なに? その意味深発言。
「昔はすごく仲がよかったんだけどね、ちょっといろいろあって今はあんな感じなのよ」
「いろいろってなんですか!!」
「22才の小娘はしらなくていい」
「そうですか……」
「ところで森村ちゃん、鋼野さんのことすきでしょ?」
「うえ!?」
いきなりそっちの話題になって体温があがります。
「ななななな、なんでわかったんですか!?」
「わかったってことはビンゴね。カマかけて正解!!」
あぁ、はめられた……。
「でもね、あきらめたほうがいいわよ。鋼野さんには……」
「には……?」
「あ、ごめん。渋谷乗換えだから」
こけっ。
「わたしも乗り換えです」
「とりあえず、あきらめたほうがいいわよ。じゃーねー!!」
そういって、紅さんはホームを降りていきました。
わたしは地下鉄に乗り換えです。せっかくだからちょっとコーヒーでものんで帰ろうかな。
「鋼野さんはあきらめろかぁ……」
もう好きな人とかいるのかな? ちょっとどころかずいぶんなショックです。
できることならお付き合いしたかったなぁ。でも、ここであきらめたら女が廃(すた)る!! やってやるぜ!!
「うしっ! やっぱりコーヒー飲んで帰る」
渋谷のスクランブル交差点に足を向けたとき、なにやら見たことある2人組を発見。久実さんと朝田さんだ!! 2人とも、かなり身なりがボロボロだけど……どうしたんだろ? 殴り合いの喧嘩でもしたのかな?
「あのー、こんばんは」
「あら、森村ちゃん」
とりあえず声をかけてみた。よくみたら久実チヨさんはなんかいかついTシャツにリストバンドに職人さんみたいに首にタオル巻いてる……。あ、もしかして
「今日、ライブだったんですか?」
「そうそう」
「いやー、もう久実さんが暴れるから大変でしたよ」
「これから朝田くんと飲みに行くけど、森村ちゃんもくる?」
「いえいえ。わたしお酒飲めないですし。今日は見たいドラマがあるので帰ります」
そういって2人と別れました。スクランブル交差点のすくそばにあるコーヒーショップでこの季節限定のコーヒーを買って帰宅。
「株式会社アットマークアールグレイ物語」
というドラマをみてなんだか自分のことみたいだなぁ~と思いました。普段はIT業界のバタバタな話なのに、今日からは恋愛を織り交ぜたお話で、今日は託児室のある職場についてでした。
まだまだ一般的ではないけれど、こういうのがあればいいのに~というお話でしたが……あれ? ますます今日の自分みたい。なんでだろ?
コメント
第3バイオリン
森姫さん
第3バイオリンです。
小説始まりましたね。
森村さんは「あの会社」に出向しているんですね。これはおもしろくなりそうです!
しかもちゃんと新キャラが登場しているし。
朝田くんはすっかりライブにハマってしまったようですね。
しかも久実チヨさんとも仲良さそう。
森村さんと「あの会社」の社員、そして「あの会社」の社員同士でいろいろありそうですね。これからが楽しみです。
ちなみにどうでもいいことなんですが、鋼野さんのスペック
(やさしい、教え方がうまい、32歳)は、私の尊敬する先輩と一緒です。
先輩は既婚者なのでロマンスはないですが・・・私もちょっとドキドキです。
組長
こんばんは。組長です。
やーやー、始まりましたねー★お疲れ様です。無事に連載初回ですね。
>第3バイオリンさん
鋼野部長は、乙女の妄想をいっぱい詰め込んだ設定になっておりますので、お楽しみにー。
森姫
連載が終わったのでようやくコメントができるー!!(笑)
第3バイオリンさん
そうです。「あの会社」です(笑)
朝田くんはライブの最前列できっと暴れていることでしょう(遠い目)
組長さんもおっしゃっていますように、鋼野さんは乙女の妄想が
クリスマスプレゼントのようにつまっておりますので・・・(笑)
組長さん
はじまりましたー!!(これを書くころには終わってる)
無事に掲載されてよかったです★
森姫
ネタばれ?
そんなわけで、あんまりIT要素のない恋愛小説がはじまりました。
なんとなく書いてみたかったので書きました・・・(笑)
それとなく森村からの「問いかけ」が毎回あったりします。
第一話は
「子育てとエンジニア」
です。
託児室がもっとあればいいのになぁ・・・と思いながら
なかなか需要はないかも・・・とも思ったり。
第一回目のゲストは
コラムニストのヒスさんとりょうたさんのお子さん。
勝手に年齢変えちゃってごめんなさい!!
そしてSARAさんにでていただきました!