うう脳エンジニアの仕事術
※以下、よくあるWeb上の診断サービスの結果に対して真面目に考察した文章となっています。「こういった診断サービスなんてお遊びだし、何が面白いんだ」などのように否定的に観ている方は、今回の文章を読むとイライラしてしまうかもしれません。その点を承知いただいた上で、以下をお読みいただけると幸いです。
■ うさうさ脳診断
ちょっと前にtwitterで流行った、うさうさ脳の診断。
自分の脳が右脳派なのか左脳派なのかが分かる一枚の画像が凄いと話題に(哲学ニュースnwk)
指の組み方と腕の組み方で、情報のとらえ方と処理の仕方に関して右脳左脳のどちらが優位であるかがわかる、こちらの診断。僕がやってみた結果、「うう脳」であることがわかりました。
情報を直感的にとらえ、感覚的に処理する「うう脳」。
あれ……。
エンジニアであれば、情報を論理的にとらえ、論理的に処理する「ささ脳」の方が良いはず。なのに、僕は対極の「うう脳」。
僕、エンジニアに向いてない?(苦笑)
向いてない職業で10年もやってきたのか、自分。そんな……。うう……(泣)。うう脳なだけに、うう……(泣)。
い、いや、そうはいっても、10年エンジニアやプログラマーをやってこれたわけで。向いてないっていうことはないはず。じゃあ、僕は、今までどうやって仕事をこなしてきたのだろうか。そのあたりを考えてみると「うう脳」エンジニアの仕事の仕方がわかるのではないか、というテーマで今回の記事を書くことにしました。
■ 左脳と右脳
まず、左脳は論理的で、右脳は直感・感覚的というのは有名な話ではありますが、改めて比較してみます。
左脳
- 計画的
- 理性的
- 論理的
- 正確さを重視
- 現実的なものを好む
- クラシカルな音楽を好む
- 犬が好き
- 衝動的
- 感情的
- 創造的、芸術的
- 直感を重視
- 不思議なものを好む
- 最新の音楽を好む
- 猫が好き
- 道筋から知る
- 順序どおりに学ぶ
- 事実を知ることを中心とした学習
- 文字や言葉、数式で論理的に学ぶ
- 全体像から知る
- 部分ごとをランダムに学ぶ
- 考察することから始める学習
- 実物を五感で感じて感覚から学ぶ
- 自分が学習を引っ張るような姿勢を取る
- 学んだ知識を自分でカテゴライズする
- トレーナーと頻繁に議論することは避ける
- 自由テーマのレポートよりも答えが決まっている課題レポートに取り組む
- 独学の学習を行う
- 「自由に考えてみましょう」と言ってくるトレーナーは避ける
- ゴールを目指す学習をする
- 学んだ知識をきれいに文章にまとめる
- 学習内容の記録をとる。そして、今なにを学習しているかを常に意識する
- 考えられる限りの答えを考え出そうとして立ち止まることは避ける
- より深い考察を行う
- たくさんのことを教えるトレーナーは避ける
- 写実的な絵画よりも抽象絵画が好き。あと、シュルレアリスムのような絵画も好き。
- IQクイズが大好き。割と正解できる。
- 本を読むときは、書いてある内容を頭の中でイメージしながら読み進める。
- 歴史の資料集を見たり歴史資料館を訪れたりして、実際に使われていた道具や、その時代の絵画・写真などを見て、その時代のオーラみたいなものを感じ取って妄想するのが大好き。
- 面白いことを考えるのが大好き。エンジニアなのにコードよりもアイデアを褒められた方が嬉しい(以前お世話になった先輩が「アイデアマンだね」と仰ってくれたことがありまして)。
- 急に別々の一部分だけを見せられても全然わからない。先に全体像を見ないと、その一部分が理解できない。
- 言葉を「なんとなくな感じ」で覚えてしまい、言葉の使い方や言葉そのものを誤用し、恥をかく(例:子どもの頃、「油断も隙もない」を「油断も隙間もない」だと思っていた)。
■ うう脳エンジニアの仕事術
では、右脳優位の人、つまり論理的思考力より直感や感覚の力に優れた人がエンジニアやプログラマーのような論理的思考力の必要な仕事をしていくためには、どうしていくべきでしょうか。偶然にも、参考になる記事として、10年ほど前に書かれたWeb上の記事がありましたので、こちらをご紹介します。 [右脳と左脳の連携(Life is beautiful)](http://satoshi.blogs.com/life/2005/05/post_7.html) この記事によると、右脳優位の人は「パターン・マッチング」によって答え(らしきもの)を導いているのではないか、という考察です。これには、自分自身、納得してしまいました。 というのも、たとえば先述のようにIQクイズが好きで割と正解することもできるのですが、自分がどう考えているかを思い返すと、問題の傾向を考えているような気がします。こういうパターンがあったなあ、と。法則を考えて解き明かすよりも、クイズの問題になりそうな法則を探る、といいますか。なので、割と簡単なレベルの問題だと言われていても、見たことのないパターンだと正解にたどり着けず、家族の方が先に「わかった!」となることがあります。また、学校時代、数学が得意でしたが、こちらも、どうやって考えていくかよりも教科書の例題や問題集で解法パターンを覚えて、「この出題パターンは、こう解く」という感じで問題を解いていたような気がします。 それらを思い返したので、個人的には、右脳優位な人の考え方は「パターン・マッチング」だという説は非常に納得のいく説だと思っています。では、「パターン・マッチング」を活かして仕事をしていくにはどうすべきかを考えてみると、思い浮かぶのは、**知識や経験を記憶にインプットし続けること**かなと。書籍で学習したり、環境的に可能であれば様々な経験を積んだりして記憶の片隅に情報をインプットし続ける。そうすれば、何らかの問題に対峙した際に、以前に得た知識や経験の記憶をパターン・マッチングで引っ張りだして、答え(らしきもの)を導けるのではないでしょうか。 もちろん、右脳優位とはいえエンジニアを長くやってきたのであれば論理的思考力が全くないわけではないはずなので、その出した答え(らしきもの)が間違っていないかどうかを論理的思考力を使って検証する必要はあるでしょう。それに、時代にそぐわない答えを出してしまわないよう、学習をやめてしまうことは避け、常に新しい知識をインプットし続ける姿勢も必要だと思います。大変ですが、自分の武器になるはずです。■ 答えが出せないときの対処
とはいえ、人間、覚えられる量には限界がありますし、いつどういった機会を得られるかは運によるところがあるので、未知の問題に出会ってしまいパターン・マッチングを行っても答えが出ない場合があります。パターン・マッチングで答えが出せれば即答できるのに、それで答えが出せなければ、いつまでも考えこんでしまう。僕自身、昔から「アドリブが苦手」という短所を自覚していまして、まさにそこに原因があったのかなと今は思っています。 では、即答できない問題に対峙したとき、どのように振る舞えばよいか。その戦略のひとつとして、**自分なりの対応策を考えておく**というのがあると思います。たとえば、- 自分よりも詳しそうな人にアドバイスを求めたり、作業を依頼して助けてもらったりする
- 「検討します」と相手に伝え、考える時間をもらう
といったやり方があります。ある意味「例外処理」と呼んで良いのではないでしょうか(© 妻)。自分なりの例外処理を定義しておいて、即答できないときは、その例外処理を呼び出せば良いのだと思います。
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「うう脳でもエンジニアをやっていけるか?」に対して「やっていける。うう脳の僕が10年ほどやってきたから」という答え方でも済んだかもしれませんが、その答え方が既に「うう脳」っぽいので、もう少し左脳を働かせて考察してみました。右脳左脳がどうたらこうたら、とか、脳科学とか、そういうのを信じていないとしても、自分の脳の癖を理解し、それを基にして「欠点をどうカバーするか」「今の仕事でどうやっていくか」という戦略を立てて仕事をしていった方が仕事の成果も出やすくなると思います。もうすぐ、お盆の季節ですから、夏季休暇を取れるようでしたら、ぜひ一度ご自身を見直す機会を設けると、今後に有意義な機会となるのではないでしょうか。