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仕事する意義を見失ったときの処方箋

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 前回「ちょうど仕事が多忙な時期で」といったようなことを書きましたが、そのときの話です。

 (社内事情とも絡んでくるため、詳細は書けません。そのため話が分かりにくいかもしれません。ご了承ください)

 運用業務に携わっているWebサービスについて「サーバ自体を別のデータセンターに移設しよう」ということになりました。今後もそのWebサービスを運営していくにあたり、どうしても早急に実施する必要のあることでした。

 僕自身は、その目的については重々承知していました。承知していましたし、理解、納得もしています。ただ、「移設する」という作業そのものに大きな不安があり、自分がその作業に関わらなくてはならないことについては納得できずにいました。不安というか、完全にブラックボックス状態。僕の頭の中にあったのは「どうするんだ、これ……」という思いでした。

 それでも、会議を何度も重ねているうちに、ブラックボックスだったものが徐々に見えてきて、自分のすべきことも分かり、移設に向けて必要な検証を行っていました。一生懸命ではありましたが、「資料作成」や「コミュニケーション」といった部分では先輩方の望むレベルに達しておらず、何度もお叱りを受けました。叱られる内容を思い返すだけで、「1、2年目で叱られるような内容だよな。それができてないんだから、もう6年目なのに新人と一緒のレベルか……」と自己嫌悪。

 新旧のデータセンター間が100km以上離れているため、移設作業は出張作業となりまして。移設作業はトラブルの連続で、当日はなかなか帰れませんでしたし、帰ってからもサービスの稼働状況は不安定で。そのため、GW直前で「運用担当なんだから、明日また出張してメンテナンスしてきて。このままだとGW中、俺たちは落ち着いて生活できないから」という話になりました。

 「明日は、リモートでできる作業として次の日中に○○を終わらせて、△△も終わらせて……」という計画を立てて、さて帰ろうかと思ったときにいわれまして。事前に計画された出張には慣れたものの、その日の夜に「明日出張」と決まって行かざるを得なくなる状況になったのが初めてということもあって、すごく動揺してしまいました。

 家に帰って、いろいろと思いを巡らせてしまうわけです。もともと自分が移設作業に関わることに納得できず、それでも頑張って作業していた途中の「明日出張に行ってきて」という指示。「僕がここまで仕事する意義あるのか?」と、完全に自分を見失うような感情になっていました。

 そのような愚痴をTwitterで書いたら、フォロワーの方からお叱りを受けまして。その方のいい分はすごくよくわかるので素直に受け止めるものの、「Twitterって、フォロワーが増えると自分の好きなようにつぶやけなくなるんだな」なんて思ってしまって、その日は不貞寝(苦笑)。

 翌日は朝から豪雨でしたが、休むわけにもいかないので、ちゃんと出張先へ行って作業して帰りました。GW中は緊急の対応が必要になるほどのトラブルは起きず、平和なGWを送れました。

■「何で自分はこんな仕事をしているのだろう」と思ったら

 出張前後は「嫌だ嫌だもう嫌だ」と、ずっと落ち込んでいたわけではなく、気持ちは乱高下していました。ちょっとしたことで気持ちが晴れるものの、その逆にいろいろと考えているうちにまた落ち込んで、の繰り返しでした。どういった場合に気持ちが晴れてきたかを、以下に列挙していきたいと思います。

  • 能動的な作業やチャレンジをひとつ以上、作業リストに含める

 一番いいのは、すべてにおいて「やらされている」と思わずに「やりたい。やるぞ」と思うことです。が、これは難しいので、自分から作業リストに「やりたいこと」を含めました。もともとリモートでやろうと思っていた作業がそれに該当していたので、メンテナンスしつつも自分のやりたかった作業を行っていました。

  • 作業終了後の楽しみを設ける

 出張先の近くに温泉浴場がありまして。ひとりで出張先へ行っていたのもあるので、その温泉に寄ってから帰りました。帰りの交通機関(新幹線)の切符はすでに取得していたので、温泉に行っても時間に間に合うように、作業を頑張りました。で、のんびり温泉に入れました。温泉上がりのビールはおいしいですね(笑)。

  • (自分が)笑えることを聞く or いう

 今年度に入ってから、毎朝「リトル・チャロ2」というラジオの英会話番組を聴いていまして。偶然ですが、出張当日の朝の放送で、解説の先生がダジャレ(というより、オヤジギャグ笑)をいっていました。まさか、ラジオの英語学習の番組で、オヤジギャグを聴けるとは思ってもなかったために笑ってしまいました。

 朝から気持ちが沈んでるところだったので、そのオヤジギャグに救われた感がありました。落ち込んでいるときこそ、「笑う」というのは大事だな、と思いました。「心に余裕をもつ」という意味では、自分からシャレを言うのもアリだと思います。「こんなときに何いってるんだ、お前は」と叱られる可能性はありますが……。

  • 何も考えない or ロボットになりきる

 過去のメンタルヘルス系の連載で書いたような「感情をコントロールする」ことも大事です。だけど、その前に「ネガティブなことは考えない」ということも大事だな、と思いました。とはいえ、どうしても感情を乱すようなことを考えてしまいがちであれば、いっそのこと「ただの作業ロボットになりきる」かのごとく何も考えず、ただただ、目の前のことだけに集中するという行動に出てもいいのかな、とも思いました。ちょっとやり方がネガティブかもしれませんが……。

  • 連休で休む

  今回の僕の場合、これまた偶然にもGW直前であったため、出張作業が終了後、そのままGWで連休、心身ともにゆっくり休めました。なかなかそういうわけにもいかないかもしれませんが、心が疲れているようなら、有給も使って3日以上の休暇を取ってゆっくりしたっていいと思います。

  • どうしてもつらかったら、カウンセラーへ通う

 事前事後で、もうどうしようもなくなったら、心療内科・精神科の病院や心理カウンセラーの方に相談に行くべきだと思います。自分も、本気で「(新型)うつじゃないか」と思うようなことがあったので、行こうか迷いました。先輩の指示がいまひとつ理解できずに頭が真っ白になる、腹痛が治らないなどの症状があったので……。

 結局、「自分はうつかも、と思う時点でうつじゃない」と思ったので行きませんでした。まあ、GWで休んで、腹痛は治まりましたので。先輩の指示は、先輩も多少この移設作業に関して焦りもあって、的確に指示できてなかったから、というのもあるんだろうなあ、と思っています。あまり人のせいにはしたくありませんが……。

☆★☆

 ここまで、やたらと愚痴っぽい記述ばかりしてしまいました(苦笑)。申し訳ありません。決して、先輩方には恨みしかないとかそんなことはなく、叱られても「君は今まで、こういう経験がなかったから仕方ないかもね」と後で気遣ってくださいましたし、「見やすい資料の作り方」の指南もしてくださいました。

 急に出張が決まったときは、「出張費の精算が終わったら返してくれれば良いから」と、出張のための交通費まで出してもらえました。Twitterの件では、「キツイ言い方をしてごめんなさい」と返事をいただいていますし、僕も作業完了後にダイレクトメッセージ機能で「ありがとうございました」と書いて送りました。

 ここまで何とかなったのも、周りがいい人に恵まれたから、というのもあるんだろうなあ、と、改めて感謝しました。本当は「ただの愚痴で終わるようなコラムは書きたくない」と、本件を書くことに消極的でした。ですが、いろいろな方から勧められたり意見を聞いたりして、記事の作成、公開に至りました。感謝、感謝です。

 このコラムが、誰かのお役に立てたなら幸いです。

Comment(5)

コメント

9_3_0

なかなか良いコラムだと思いますよ。

> ただの作業ロボットになりきる
のはどうかと思いますが(笑)

ネガティブに考えたら、結果もネガティブな結果になります。
計画や作業に抜けや漏れはないか、と少々ネガティブになる事は必要ですけど...
「ロボットなる」のではなく、(節度を持って)ポジティブになって下さい。
# ポジティブすぎて「まぁいいや!」は困りますが(笑)

頑張って下さいね。

しっぱ

こんにちは。しっぱと申します。
まあ、忙しくなったら壊れるしかないですね。。。。経験上。

あずK様の場合、一時的(以前からの継続はあるかと思いますが)な多忙な感じを受けますので色々出来るかと思います。

ただ・・・

> * 何も考えない or ロボットになりきる
に関しては9_3_0さんも仰られている通り無理かと思います。
私自身、メンタルヘルスを持っています(双極性障害Ⅰ型です!)
精神的に崩壊した状態で、このようにしてしまうとそのまま命を失いかねません。。。
私自身、実際とにかく仕事をこなすだけに徹した結果。。。。
まあ、そのまま強制入院ですが。。。。

感情は大事です。それがないと人ではなくなり、自分で自分を壊すことが怖くなくなるんですね。
壊れてるんだから捨てちゃえみたいな感じで自分をモノとして扱うようになります。その結果、ここでは書けないような手遅れな事態になることも。

仰られていることは私自身も経験済みなので分かりますが、既にメンタルヘルスを持っている方には絶対に薦めない方がいいです。
特に虚無感を持ちやすい方とか・・・・・


>(自分が)笑えることを聞く or いう
これは大事です。
「笑う」ってすごいです!入院してからホントに感じました。
最初はわざとらしくでもよくて、笑ってるなって自分で思うだけで気持が楽になることがあります。(逆にどんどん落ち込むこともありますがww)

とにかく終わりの見えない炎上したプロジェクトには関わりたくないものです・・・

あとは休憩をしっかり取る!
ですね。
しかも、一人ではなく誰かと一緒にいた方がいいです。
お互いに愚痴合戦になってもいいですし、笑いあえればなおよし!

お昼や、ちょっとした一服でも結構効果がありますよ!

一人でいると悪い方向に感情は行きがちになりますので。

あずK

9_3_0さん、しっぱさん>

コメントありがとうございます。

自分がどれだけ、その作業に文句があっても
やらなければならないのは変わらない。
感情が乱れたままだと仕事の能率・クオリティにも影響が出るので
心を無にすることも大事なのでは、と、出張後に思いました。
想像だけで思ったことでしたが、
無理なものは無理というか、それが出来てしまったら、
より一層精神的に参ってしまうかもしれないんですね。
それは大変失礼致しました^^;

お二方のコメントには大変、納得できました。
ありがとうございます。
「乱れる感情は良くない」とは思わず、
自分の乱れやすい感情も自分の一部だと思ってかわいがっていこうかなと思いました。

笑顔で仕事をしたい

コラムをみて、すごく助けられました。
今の仕事に携わり、転勤も含めて約半年。

エンジニアではないものの、やった事のない仕事ばかりが舞い込む毎日に、行き場のないマイナスな気持ちだけが蓄積される状態が続いていました。

このコラムを読んで、仕事は違えど、自分と同じような気持ちを感じながら生きる人がいるんだと、安心しました。

仕事からくるストレスって、本当に怖いです。

回避できるような考え方、振る舞い方を身につけた人が健康に生きていけるのかも!

これからも、コラムを楽しみにしていますね。

ありがとうございました。

あずK

笑顔で仕事をしたいさん>
コメントありがとうございます。

この愚痴コラム(苦笑)がお役に立てたようで嬉しいです^^

仕事をしていると、気分的に
プラスになったりマイナスになったりというのはあると思います。
短期的にでもマイナスが続くと、自分でもわけがわからなくなるんですよね…。

そんなときに自分の感情をコントロールしてみたり、
プラスになるようなことをやってみることが大事なんだと思います。

もちろん、同じような気持ちの人はひとりじゃないことを知ることも
助けになるかもしれません。僕も安心しました^^

> これからも、コラムを楽しみにしていますね。

ありがとうございます。今後も頑張ってコラムを書きたいと思います。

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