不真面目に読むITSS
不合格じゃない、未合格なんだ!
てなわけでテクニカルエンジニア(ネットワーク)試験に落ちました。午前685点、午後(1)700点、午後(2)485点。手ごたえと結果が一致しているのは、ある意味でちゃんとした収穫ですね。
情報処理技術者の資格については基本情報とソフトウェア開発を持っているのですが、その2つとはまた違った面白さを感じる試験でした。趣味の開発でネットワーク技術によく触れるので、知識の整理がてら受験してみた次第です。
けれど基本となっている理論等、組み込み業務にも通じるものがあるなと感じました。RS-232C接続デバイスでよく使うポーリング/セレクティング制御方式だって、1つの通信プロトコルですものね。
せっかくなので春季は、エンベデッドシステムスペシャリスト試験を受けてみようと思っています。そのため試験を実施するIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)のサイトをチェックしていたところ、久しぶりに読み返したい2つの資料が目に留まりました。
- ITSS. Information Technology Skill Standards(ITスキル標準)
- ETSS. Embedded Technology Skill Standards(組み込みスキル標準)
実はこの2つには、入社から今まで大変お世話になっているのです。
【 はじめてのITSS/ETSS 】
きっかけは入社直後の新人研修。そこで当時の部長より、ITSSの紹介がありました。
スキル標準の細かな部分まで説明されたわけではなく、その場では本当に「紹介」のみ。自分のスキルを客観的に見てみたくなったら参考になるよ、組み込み向けにはETSSもあるよ、と。
帰宅してから、さっそくIPAのサイトを見てみました。当時の私には難しい用語もありましたが、せっかく教えて頂いたし一通りは読んでおこう……と[Page Down]を連打。
その指先が「ぴたっ」と止まったのは、この言葉に出合った瞬間でした。
――ITSSの枠組みでは、技術者のスキルを「レベル」に分けて解説しています。レベルは1から7まであり、1は一言で言えば「最低限求められる基礎知識」を持っているだけの段階。2に備わっているのは「基本的知識・技能」、3なら「応用的知識・技能」、と高度になってゆき――
――レベル7。
「世界に通用するハイエンドプレーヤー」
(…………)
軽く現実離れしたこのフレーズに、私は
(……か、かっこいい……)
素直にテンションを上げたのでした。
(そうなんだ……エンジニアって、極めれば世界に通用する人間になれる、凄い仕事なんだ!)
春先の、まだ少しだけ肌寒い部屋の中。自分の周りだけ妙に熱っぽくなったように感じたものです。
ちなみに私の性格は友人間で「超単純」「詐欺に引っかかりやすそう」と評判です。言うまでもありませんでしたかそうですか。
まあ、ITSSのこのフレーズにあっさり感動してしまったために、今まで約2年間どんな仕事も「つまらない」と感じずに済んだのです。結果オーライというものでしょう。
【注】私の中では上記の通り「世界に通用するハイエンドプレーヤー」と記憶していたのですが、本日改めて確認したところ、「国内のハイエンドプレイヤーかつ世界で通用するプレーヤー」と記載されていました(IPA『ITスキル標準V3 2008』頁3 図1-2)。「プレイヤー」と「プレーヤー」の違いは何なのでしょう……?
【 後輩におすすめしたい、ITSS“ミーハー”読み 】
エンジニアって、極めれば世界に通用する人間になれる、凄い仕事。
そう感じた昨年の私。果たしてこれは事実か、それともただの思い込みか?
答えはまだ分かりません。実際にどの分野でも国内外で名の知られたエンジニアはいらっしゃいますから、結局、環境的に「できるか、できないか」よりも、自分から腰を上げて「やるか、やらないか」の問題ではないかとも感じます。
ともあれこの思いないし思い込みが、始まったばかりだったエンジニア生活に潤いを与えてくれたのは確か。
もしあなたが、近い将来エンジニアの仲間入りをされる立場の方なら。エンジニア生活「第1章」で使えるモチベーションを手に入れるため、スキル標準の一読もおすすめです。
コツはあくまで軽く、ミーハーに。最終章まで通用する大目標をひねりだそうと、深く考え込んだりしないこと。
そして今回の感想はこちらから、です。いつもありがとうございます。