すぐに行動するのはいいことだけど -考えながら行動しよう
「なぜ?」タイプと「どうやって?」タイプ
前回のコラムで「日本でいちばんわかりやすいプログラミングのドリル」のことを書きました。このドリルは説明を読むよりもまずやってみる、というスタンスで書かれています。
新しいことを習うとき、そのものの本質が気になる「なぜ?」タイプの人と、利用方法が知りたくなる「どうやって?」タイプの人がいると聞いたことがあります。このドリルは説明よりも実践重視で「どうやって?」タイプ向けだと思いました。
行動してから考えるか、考えてから行動するか
私がとあるメーカーの若手社員だったころ、同じ課にA係長とS係長がいました。二人は対照的な仕事の仕方をしていました。
あるとき、課の会議で今後の開発の課題が提示されました。その部署は電子部品の製造工程の開発部署だったのですが、ある電子部品の接合に10秒かかっているところを3秒にせよ、という課題でした。会議が終わるとA係長は早速私に指令を出しました。
「あべっかん、ちょっと今の材料で接合時間を3秒にしたら強度がどれくらいになるか実験してみてよ」と。A係長はすぐにやってみるタイプです。まずは行動する。その様子を見てからどうするか考えるのです。やり方から始める「どうやって?」タイプなのです。
その後、同じような機会がS係長にも訪れました。するとS係長は、しばらく考えてから、「うーん、まずパソコンを買おう」と言い出しました。課題に取り組むためにまずは仕事環境を整えようと思ったのです。S係長は行動する前にじっくり考えるタイプです。「なぜ?」を考えるタイプです。
そして私はA係長と同じ「どうやって?」タイプです。何かを教わったとき、「それ、どうやって使うの?」が気になります。具体例が分からないと説明を聞いても頭に入ってこないのです。やり方を教えてもらってまず行動する、やってみることで理解するのです。
考えないで行動するって
すぐに行動する、というと聞こえがいいかもしれません。けれども私の場合は、言い換えれば何も考えずに行動してしまうのです。既存の具体例を真似する。コピペして物を作る。テンプレートを作って量産する。そこに何故そうするのかという信念はあまり持っていませんでした。けれどもエンジニア的には、何も考えずにコピペしてものを作るのはよろしくありません。信念がないのはいけません。そんなことを繰り返していてもいいものはできないですし自分も成長しません。
すぐにやってみる、行動するということは、いつまでも躊躇しているよりはいいことだと思います。けれども私は、今思うとただ進むことだけ、進捗を上げることだけを意識していたことが多かった気がします。もっとよく考えて行動していればもっと優秀なエンジニアになって年収が倍になっていたかもしれません。
すぐに行動するのはいいことだと思いますが、考えながら行動しましょう。
今さら反省しているあべっかんでした。
コメント
仲澤@失業者
自分はこれっ。
「遅刻遅刻!!・・」セラー服の女の子がパンをくわえながら走る姿(見た事ありませんけど)。
つまりパンを食べながらしゃべる。
ぢゃなくて、走りながら考える(笑)。