日本でいちばんわかりやすいプログラミングのドリル -説明よりも体で覚えろ!
日本でいちばんわかりやすいプログラミングのドリル
「あれ、落丁だよ。この本、ページが逆さまだ」
と思ったら、それが仕様通りでした。その秘密にはここでは触れませんが、今までにない斬新な入門書であることはたしかです。
「日本でいちばんわかりやすいプログラミングのドリル」は先日発売されたキャリアコンサルタント高橋さんの著作です。題名の通り、この本はドリルです。ドリルと言っても壁に覗き穴を開ける機械でもなければ8時に全員集合したお笑いグループでもありません(そりゃそーだ)。小学校のころに宿題になった計算ドリルのドリルです。
説明しないで理解させる仕組み
高橋さんがコラムで、「理解してもらうためには説明してはいけない」と述べていました。まさにそれが実践されています。説明がなくていきなり、
「a=1 , b=2, c=a+b, c=c+1 では、cはいくつ?」
といったような問題がずっと書かれています。簡単なクイズを解くように読み進めていくと、途中からIf 文が出てきたり、Loopになったりとだんだんプログラミングっぽくなってきます。中には無限ループになって答えが出ないといった意地悪な問題もあります。それを最後まで読み進めるとプログラミングに必要な脳が鍛えられるというドリフ、じゃなかったドリルなのです。
説明よりも体で覚えろ
その昔、私はオブジェクト指向の入門の講習を受けました。継承とかポリモーフィズムとかの概念の説明が延々と続きます。眠くなります。概念はもういいから、それをプログラミングにどう使うのか教えてよ、と思いました。けれどもそういった説明はなく結局概念だけで終わってしまい、役に立たなかった感が残った講習でした。概念だけを説明されても、それが実際にどう使われるのかをイメージできないと面白くもないですし頭にも入ってきません。
プログラミングに限らず、何を習うときも説明だけ聞いても技術は身につきません。頭にも入ってきません。教える側は実習などでそれがどう使われるのかを理解させながら説明するべきでしょう。
この本でやっていることはまさにそれです。説明から始まる入門書ではなく、実践問題をやることでプログラミングが身につくというドリフ、じゃなかったドリルなのです。「説明を聞くより体で覚えろ」というスタンスです。ただ、初心者向けの本なので、すでにITの業界でプログラミングをやっているあなたが読んでも役には立ちません。これからプログラミングを始めるという人がいましたら紹介してあげてください。
「日本でいちばんわかりやすいプログラミングのドリル」を30年前に読みたかったあべっかんでした。
※こちらでもこの本の説明を書いています。「いちばんわかりやすいプログラミングのドリルは公文式に似ている!」
コメント
キャリアコンサルタント高橋
書評ありがとうございます!
正直、本が出版されるまで、どういった反応になるか分からなかったのですが、この本の意図する所をご理解いただき、著者冥利に尽きます!
仲澤@失業者
遅刻しました。やっとのことで思い出しました、せっかくなので披露ご容赦。
初めてプログラムっぽい作業をしたのは
カシオのプログラム関数電卓FX-502Pでした(1978年)。
1ブロググラムあたり最大256ステップと22メモリしかないという超絶に窮屈な仕様。
Z-80のアセンブラより難解な記号的で組んでました。
まぁこのあたりの経験からプロになったわけですけどね。
ところで、今のコンピュータは機能が有りすぎなので、
プログラム原理を覚えるにはそれ専用の環境が必要かもしれませんねぇ。
・・・作ってみるか。
abekkan
>キャリアコンサルタント高橋さん
斬新な本なので驚きました。さすがです。
苦労した甲斐があった作品ではないでしょうか(^^♪
abekkan
>仲澤さん
私が最初にプログラムを作ったのは、やはりカシオでした。
4行表示できる画面でBASICで野球ゲームを作りました。一度カバンごと盗まれてしまったときはショックでした。泣く泣く上位機種を買いなおしました。