プログラマ、テスター、SE、PMなど、いろいろやってるオヤジです。

だましだまし使う っていいことなの?

»

「あっ、また炊飯器のスイッチが入らない!」

 我が家の炊飯器のスイッチの接触が悪くなっています。けれども何度か押すとついたりするのでだましだまし使っています。

だましだまし使う家電

 私は仕事で多くのPCを扱っています。たくさんあると、中には調子が悪いものもあり、たまにフリーズすることもあります。しかし再起動するとなおるので、だましだまし使っていることもあります。

 「だましだまし」使う、というのはITエンジニアにとっては本来はやるべきことではありません。本来は原因を追究しなくてはいけません。それは分かっていても、何時間かかるか分からない原因究明に付き合っている時間がなく、だましだまし使ってしまうのです。

化学の世界では曖昧なことが許されている(?!)

 私はもともと化学科出身です。化学の世界では、はっきりしないこともたくさんあります。

 物質A10gと物質B20gを反応させると、物質Cが30gできます。と理論上ではなっていても、実験で物質Cが15gしかできなかったとします。すると、「収率は50%でした」となって理論と違う結果になっても許されます。実験は失敗ではありません。現実はそういうものなのです。

 また、化学では電子軌道を習います。物質の中心には陽子があって回りに電子があります。電子がある位置は、ボーリングのピンのような形で表されます。それが電子軌道なのですが、それは実際に存在している形ではなく、電子の存在確率を示したものです。雲のような中に電子が存在する、いや電子がここにある、というのではなく、電子の存在確率を示しているのです。けれども存在確率とか言う時点でなんだか曖昧です。よくわかりません。化学の世界って白黒がはっきりつかないものがいくつもあります。

ITは0か1かではっきりしている世界

 それに対してITの世界は0か1で表現され、白黒はっきりしていて中間はありません。現象には必ず原因があります。その原因を突き止めて対策を講じるのがITエンジニアのあるべき」姿です。0か1かがはっきりしているのがデジタルの世界。「電子が存在する確率で雲を描くような曖昧なものではありません。

 ですから、機械の調子が悪くなったら、原因を追究して直すか、潔く捨ててリプレイスするのがITエンジニアのあるべき姿なのではないでしょうか。よく分からないけどだましだまし使うというのはまさに邪道ですね。


だましだましの人生を送っているあべっかんでした。

Comment(2)

コメント

仲澤@失業者

現象の見方の粒度かもしれません。

一見、割りきりの良い様に思えるITの世界の基礎はトランジスタ等の半導体。
この中を電子が川の流れの様に流れたり止まったりして0/1を表します。
このレベルだと化学、物理学、電磁気学はほぼ同じものになってしまいます。
さらに細かく見ると、量子効果が無視できなくなってきてしまい、
不確定性原理や光の速度について考慮しなければならなくなります。
実際CPU内のレイアウトやバスの設計などではやってますよね。

ITってのは人間様が感知できる時間範囲内で感知できる真/偽を
便宜的に決めているに過ぎないわけで、言ってしまえば
無理やり富士山が1で、駿河湾は0にしましょうってわけです(箱根は無視)。
「壊れた状態」ってのも中間があるわけで、非常に悩ましいですよね・・・(笑)。

abekkan

>仲澤さん
コメントありがとうございます。

電子のレベルだとまた違う。
富士山が1で駿河湾は0。スカイツリーは1で電信柱は0.
デジタルなのかアナログなのかも単にスケールが違うだけなのでしょうか。
(何と書こうか困ってだましだましの回答!)

コメントを投稿する