「対人力の高め方」でITエンジニアとして生き残れ!
「ちょ、著者は誰だ?」
「ITエンジニアおして生き残るための対人力の高め方」という本を読んでみた。
■著者は誰だ?
表紙に書いてある著者名が小さくて老眼のオジさんには読みにくい。目を凝らして見ると、都川信和さんと田中淳子さんだった。おお、田中淳子の"言葉のチカラ"の田中さんか。
■良い例と悪い例のケーススタディ
この本の構成は、「どこがNG?」という章でコミュニケーションの悪い例を提示して、解説のあとに「これならOK! 」という章で良い例を提示している。それを30回ケースを変えて繰り返している。ITの職場でありがちな具体例ばかりなので分かりやすい。
「痛たたたあ(>_<)」、自分もこの悪い例の人と同じだったよなあと耳が痛くなるものもいくつかあった。そのうちいくつかを紹介する。
■当たり前のレベルを上げる
「無理です」「ダメです」「できません」とユーザに安易に言ってはいけない。無理だと思わず自分自身の「当たり前のレベル」を上げた方がよい。当たり前と思えることが増えるように、つまり当たり前にできることを増やすように実力をつけるのだ。
→「当たり前」は技術の発達や時代の流れで変わっていくから変化には対応していかなくてはいけない。でも、自分の成長によって「当たり前を積極的に変えていくんだ」という発想は私には無かったなあ。
■「他人ごと」を「自分ごと」に
部門ミーティングで他部門の自分と関係ない話が続いて眠くなってしまう若手社員。関係ない話までメモをとっても仕方がないし。
それではいけない。何事も「他人ごと」と考えずに、他部門や他社の動向に常にアンテナを張って「自分ごと」で考えていないと成長が阻害されてしまう。
→エンジニアは自分が興味のあることだけに目を向けがちだ。自分には関係ない、そんなの関係ねぇ、では生き残れない。「そんなの関係ねぇ」と言い続けていた小島よしおはかろうじて生き残ってるようだけど。
■上司がわからず屋に思えるのはなぜ?
システム運用で設定変更による効率改善を思いついた担当社が上司に提案する。ところが上司に、改善により作業を何分短縮できる?、リスクは?、変更作業の工数はどれくらいかかる?、と突っ込まれて返答できず提案が却下されてしまう。
上司はわかってくれない、わからず屋だ、と思ったときは上司の問題ではなく、上司を動かせるだけの材料を自分が示せていない場合がある。職場の状況を変えたい、高い成果を上げたい、という想いだけでは人は動かせない。具体的な根拠や材料を準備し、タイミングを見計らって提示すること。
→これは私も経験がある。でも、改善案の具体的な材料を準備するのが難しいんだよなあ。詳しく調査している時間もなかなか取れないし。そしていつまでたっても改善されない永遠の課題として残ってしまう。これはそのうちコラムのネタにしようかな。
と、こんな本だ。IT業界であるあると思える具体例が満載なので理解しやすくためになることが多い。ITエンジニアとして生き残る自信の無い人は読んでみるべし。私もマネして書いてみようかな。「ITエンジニアから逃げるための退陣力の高め方」とか(笑)。
あべっかんでした。
※この本を子育ての視点で書いたレビューはこちらにあります。