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変じゃなかった、ソフトウェア品質向上の”変”

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 ソフトウェア品質向上の"変" 2015秋

 というアイティメディア主催のセミナーに潜入したのでレポートする。

■会場は、さすがの秋葉原

 会場は秋葉原の富士ソフト アキバプラザだったがこの会場が素晴らしい。階段上のホールに長い机が3列で並んでいる。通常、こういう机だと机に前の席の椅子がくっついているものだがそうではない。椅子は1つづつ独立して固定されていて後ろの席の机との間には間隔がある。だから真ん中あたりに座っても、外に出るときに横の人に椅子を引いてもらう必要がない。これなら安心して真ん中の席に座れる。また、テーブルに一人2個づつコンセントがある。さすが秋葉原。さすが富士ソフト。

 講演内容を3つほど紹介する。

■こっそり教えるテスト自動化成功の秘訣

 日本ノーベル(株)のあずま氏による講演。テストを自動化してもコストが下がらないことがある。 自動化に成功しているユーザの特徴には次の3つがある。ツールを理解した先任者がいる。ゴールが明確になっている。自動化のプロセスがある。 このうち、ツールを理解した先任者は自動化を設計できるだけでなく、改善マインドを持っていなくてはいけない。レポート作成も自動化してしまおうとか、常に一つ先のことまで考えるような人でないと。

 つまり、いい環境を作ってやる気マンマンの人材を投入しないと自動化は成功しないようだ。

■DevOpsは、なぜ"パズワード"扱いされちゃうか?

 日本ヒューレット・パッカード(株)の藤井智弘氏の講演。藤井氏はこの@ITの DevOpsが浸透しない「本当の理由」 の記事にも登場しているので知っている人も多いだろう。講演の内容よりもまずはトークが軽快で面白い。

 こんなふざけたタイトルで出してみて、主催者側が直してくれるかと思ったらスルーされた。自動化すると社内失業が起こって困るから自動化に協力的でない人が多いのだ。会社が削減したいのはコストではなくてキャッシュアウト。外にお金が出て行かないように見えさえすれば満足なのだ。

 といった具合に。もちろんそのあとに本題に入ったのだけど。(難しいので省略w)

■ゴールドマン・サックスのソフトウェア品質管理

 世界有数の金融機関であるゴールドマン・サックスの伊藤博志氏による講演。ゴールドマン・サックスには金融機関でありながら社員3万人のうち25%以上がエンジニア。自社に必要なシステムはほぼすべて内製で作っている。

 ソフトウェアは管理するだけでは品質は向上しない。エンジニアの技術力向上、モチベーションの向上が必須。そのためには良い設計や良いコードを推奨する文化を作らなくてはいけない。ゴールドマン・サックスでは社内SNSを利用して技術情報を共有し、さらにはコミット数やレビュー数のポイントランキングをつけるなど、ゲーミフィケーションも取り入れて活性化させている。

 金融機関でこれだけエンジニアがいて、しかもここまでやっているのには私は驚いた。IT関係で職を探すときはSIerやソフトハウスばかりを見てしまうが、ゴールドマン・サックスのような金融機関で働いたほうが充実したエンジニアライフが送れそうだ。

■「変」じゃないけど内容は充実

 10時から17時まで、基調公演を含んで9本の公演という長丁場だった。お昼に外に食事に出ようと思ったら、お弁当が配布されランチセッションも行われた。午後の休憩時間にはコーヒーも。無料セミナーなのに至れり尽くせり。

 ソフトウェア品質向上の"変"というタイトルのわりには、「革新的な話」でも「変な話」でもなかった。きわめてまっとうな、でもためになる講演ばかりだった。アイティメディアのセミナーはなかなかいいぞ。

 最後にアンケートを書いた。私は一番下の欄に感想を3行ほど書いたあと、最後にこう付け加えた。「続きはWebで!」

 abekkanでした。

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