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何を書いたか忘れたっ!-忘れるって大事なことかも

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 「言い回しを変えただけで、結論は同じことを書いていることがある」

 先日、エンジニアライフのコラムニストの首脳会議(ただの飲み会とも言う)が開催された。そこでT氏が上記のことを言っていた。あるある!

■コラムの筆者も読者も忘れている(?)

 私もエンジニアライフに3年近く150本もコラムを書いてきたので、同じようなことを何度か書いていたりする。書いたことを自分が忘れていたりして。でも、自分が忘れるくらいなら読者も覚えていないだろう。新しい読者もいるはずだし。いいんじゃないの。

 本屋に多く並ぶ自己啓発本。毎月多くの新刊が出る。タイトルは斬新で気を引くものも多い。でも内容は、ノウハウはまだしも、気持ちの持ち方などは突き詰めればどれも同じようなことが書いてあったりする。読見終わると、よし参考になった、これからは頑張ろう、と思う。でも、実は3年前にも似たような本を読んで同じことを思っていたりする。それを忘れていただけだ。

 私は以前に本屋で、この本いいな、買おうかなあ? と迷ったことがあった。結局買わずに帰ったら、家にその本があった。何年か前に読んだのを忘れていた。

 コラムや本を読んで、セミナーに出て、テレビを見て、感心して気持ちを入れ替える。でも何ヵ月かたてば忘れてしまって入れ替えたはずの気持ちがもとに戻っている。

■もしも忘れなかったら

 もしもロボットのように一度インプットしたことを忘れることがなかったら、あるいはロボットたちの社会だったらどうだろうか。自己啓発本などは内容が飽和してこれ以上新しいものなんて出てこない。セミナーだって一度受けてしまえば似たようなものは二度と受けない。芸術だって新たな作品を作っても、それは過去の作品No.546145の発想とNo.765438技法を混ぜたものと同じですね。となってしまう。

 人類は過去の過ちを忘れる。そして愚かな歴史を繰り返してしまう。でも、過去を忘れるから、いつでも課題があってやることがあるのだ。ロボットの社会だったら、そのうちにできることは全部やってしまって、地球上の資源が限られている以上、もう開発することはありません、と創造的な活動は打ち止めになってしまうかもしれない。そうなると、生きる楽しみもなくなっていく。

■忘れることは必要なこと

 適度に忘れる、ということは、人間社会を存続させるために必要なことなのだ。過去の恨みも忘れられるし。適度に忘れることはロボットにはできない高度な技だ。私みたいに 「都合の悪いことだけ忘れる」 となればなおさら高度な技だ(笑)。

 不要なことは忘れて自分にとって必要なことだけを記憶に残しておく。その繰り返しでその人の人格ができあがる。それが個性となりさまざまな個性の人がいることで社会が発展する。そう思うと、忘れることってなんだかすごく大事なことに思えてくる。

 さて、こんなコラムを書いてみたが、1年後には書いたことを忘れてまた同じネタでコラムを書いてしまうのかもしれない(^_^;)。

 abekkanでした。

 

Comment(2)

コメント

Anubis

確かに忘れるのは重要だと思います。

過去を振り返りすぎると、新しいネタが浮かびにくくなる。
私はそろそろ4〜500本くらいになるのかな。

abekkan

> Anubisさん

忘れて同じネタを書いたとしても、以前よりも多少成長した視点でものを考えられるようになっている(はず)だから、意義のあることだとは思っています。

ここのコラムの本数はAnubisさんが断トツですね。私は週に2本以上書いたら内容がかなり貧弱になってしまいそうです(^_^;)。

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