ソリューションは、Why,What,Howの順で
BABOK? なにそれ? ボク分からない。そんなあなたに。
「正しいITプロジェクトを創るための構想・企画とBA(ビジネスアナリシス)」というセミナーを聴いてきた。
講師は、(株)アイ・ティ・イノベーション の能登原伸二氏。このセミナーは、PMAJ(日本プロジェクトマネジメント協会)の月例会として開催された。その内容を書いてみることにする。
■BABOKとは
タイトルにBAとあるが、BABOKの説明も行われた。BABOKとは、PMBOKの一般ビジネス版みたいなもので、ビジネスアナリシスの知識体系。ビジネスに必要な知識をまとめて、これさえやっておけば大丈夫、という指針だ。ここ何年かで広まってきた。
→工場やサービス業の会社には作業マニュアルがある。例えばマクドナルドで、店や作業者が違っても、同じレベルの味とサービスを提供するためにはマニュアルは必要だ。BABOKのようなBOK(知識体系)は、そのマニュアルを業界全体に広げたようなものではないだろうか。xxBOKは今後もっと出てくるかもしれない。
■要求とは
ITプロジェクトを始める前の、超上流工程の進め方について説明された。プロジェクトを企画するにあたっては、ああしたい、こうしたい、という各部署や個人の要望を要求として考えると話がまとまらない。ボトムアップでなくトップダウンで考えるべき。
対象とするビジネスの、現状の姿とあるべき姿にはギャップがある。そのギャップを埋めるため、目標達成や問題解決のために必要となる能力や条件が要求である。これがBABOKで定義されている要求だ。講師の会社、(株)アイ・ティ・イノベーションでは、こういった要求の取りまとめからのコンサルティングを行っているとのこと。
→要求があいまいで失敗するプロジェクトは多い。超上流工程で要求がしっかりとまとまっていれば、その後の工程を進める方も少しは楽になりそうだ。
■ソリューションは、Why->What->Howの順で
要求の取りまとめというのは、なぜこれをやるのか、というWhyのフェイズ。まずこのWhyをしっかり決めてから、何を変えるのかというWhatのフェイズに進む。そしてどのように変えるのかというHowのフェイズに移っていく。ありがちなのが、初めにパッケージ導入ありきで、Howを決めてしまうパターン。これでは問題解決(ソリューション)にはならない。Why->What->Howの順で進めなくてはいけない。
→たしかに、xxソリューションと名乗る会社や部署でも、自社パッケージの導入ありきのHowのフェイズから問題解決を考えていることが多々ある。ソリューションと名乗るのなら、それより前のWhyのフェイズから考えて最適の問題解決ができないといけないよな。
■セミナーで感じたこと
プロジェクトをきちんと進めるには、最初の超上流工程でしっかりと目的と方針を決めなくてはいけないね。逆に言えば、超上流工程がしっかりしていなくても今までなんとかやってきたのは実はすごいことだったのかもしれない。
BABOKの説明は今回初めて聞いたし、ためになるセミナーだった。PMBOK、BABOKに続いて、今後いろいろな知識体系を名乗るxxBOKが登場するかもしれない。接客業BOK、旅行業BOK、就活BOK、婚活BOK。しまいには、エンジニアライフの書き方の知識体系のELBOKとか(笑)。何か新しいBOKを作ってみようかな、僕(BOK)も。(^_^;)
abekkanでした。
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