スキルを積んだ先達に対抗するには
■経験年数の覆し方
業務経験というのは強い。IT業界で働く上で必須の項目だろう。スキルの高い低いも経験年数から判断されることが多い。経験年数は年齢みたいなものだ。どんなに頑張ったところで、先に始めた人には追い越せない。年数という数字のうえではこれが正しい。
だが、実質的なスキルだと話が違う。意外と簡単にキャッチアップはできる。なぜなら、大半の人は仕事として成り立った時点で努力をやめるからだ。つまり、スキルの成長が止まっている人が相手なら、継続的ににスキルを伸ばし続ければ追い越せる。そのためのキャッチアップするためのプランを用意して体系的な努力すれば、経験年数で生じたのスキル差であれば覆すことは可能だ。
■仕事で働けるレベル
楽器なんかだと、毎日練習すれば3ヶ月くらいで曲が吹けるようになる。一年やれば人前で吹けるようになる。純粋にスキルで考えるなら、IT系で働いている人の大半がこのレベルだ。
「いくらなんでも低く見積もりすぎじゃないか?」と思う方も多いかもしれない。だが、IT業界で長いこと働いているが、ほとんどの人がExcelでのデータ処理、ドキュメントの体裁の整え方すら知らない。コンピュータをコンピュータとして使えていないのが現状だ。
仕事でPC使ってる人でも、体系的に操作方法の訓練をしている人は少ない。結果を出すことに気が行き過ぎて基礎が総崩れになっている。だから、経験を積んでもスキルの伸びは鈍い。最短で結果を求めるが故に、膨大な無駄を積み重ねているのだ。
■突くべきポイント
経験年数を覆す方法は簡単だ。体系的に基礎を固めることだ。例えば、現場で働いている人の大半は、データの整理の手法、ドキュメントのまとめ方を明示的に勉強していない。本当に失笑するレベルでできていない。具体的に言えば、ExcelとWordの有効な使い方だ。これだけでも十分対抗できる武器になってしまう。
あとは、一つのソフトを徹底的に把握することも武器になる。ソフトウェアを使う上で、どういう機能を持っているかを把握する事は大事だ。また、機能と意図は必ずワンセットだ。これはただ使っているだけでは分からない。何回も繰り返したり勉強しなければ分からない。大半のエンジニアは使えた時点で満足するので、意図まで思索の範囲が及ばない。
■業務だけでは身につかないものはある
現代人は仕事をしてる時ほど思考が止まる。出された指示通り動くことを期待されるので、出された指示の枠の中でしか考えなくなる。仕事の事を考えることで仕事に熟達しそうだが、現実は逆だ。どんどん発想が狭まって考えなくなる。
業務を達成した時点で「正しい」と思い込むエンジニアは多い。そこから先を考えることが抜け易い。ここが盲点になる。なので、案件を終えた後、反省や復習するだけでも、周りと大きな差がでる。経験年数を覆すアプローチとして有効だ。
エンジニアといっても大半の人が凡人だ。そこを発想の転換でちょっとだけ超えればいいのだ。天才を目指す必要はない。努力の方向を調整して、ちょっとだけ凡人を超えればいい。年数という覆せないものにとらわれず、自由な発想でいこう。