いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

技術系サイトのトップにうつ病の記事がのる時代

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■技術系サイトになぜ病気

 何気に@ITのトップページを見ていて、トップページのこの記事が気になった。 「なぜ、うつ病は増えたのか」というタイトルだが、私からすれば「なぜ、技術系サイトにうつ病の記事なのか」という心境だ。

 言うまでもないが、IT業界は病む人が多い。なので、記事の有用性はよく分かる。だが、あくまで技術系のサイトだ。例えるなら、少年ジャンプにIT系の案件情報を載せるくらいの違和感を感じている。本来、そのくらい異質な記事だと思うのだ。

■違和感を感じない危機感

 しかし、このような状況を見ても何とも思わない人も多いだろう。「あー。IT業界って病む人多いからな。お気の毒に」大半の人はその程度の感想で終わることだろう。ただ、記事が書かれるということは、確実に一定数のニーズがあるということだ。トップに載るほどのニーズがあることに、少なからず怖さを覚えた。

 IT業界は病む人が多い。そういう概念が固定化して、疑問に思う人も少なくなったのだろうか。病む人が多発すると、病む人が出てくることを想定して業務を組み立ててるようになる。人の健康より業務を優先事項に考えてしまう。そういうモラルの欠如も起きうる時代なのだろうか。

■崩れたモラルの先に

 現在の日本には、職にあぶれた人なら掃いて捨てるほどいる。この状況を、良い人材が安く雇えると、歪んだポジティブさで見る人がいる。実際、上手く段取りを組めば、驚くほどの安月給で最大限の責任感を発揮してくれる。そんなやり方で潰れるとうつ病になるのだろう。

 ただ、こういう状況もいつまでも続くとは限らない。好き放題に乱暴な働かせ方をしすぎると、働ける人がいなくなってしまうのではないだろうか。その結果、技術を維持できなくなり、現代の科学水準が維持できなくなる。そういう可能性すらあると考えている。

■エンジニアに限らず欠いてはいけない感覚

 もし、裸足で外を歩いていて、ウンチを踏んづけたらどう思うだろうか。誰もが汚いと思い、足を洗うだろう。当然のことを当然と思うこと。これが重要だと思う。異常事態が日常的に続くと、こういう感覚を失いやすい。

 僕達は今、ウンチを踏んでいる。日本中のエンジニア、事業家、コンサルタント、あらゆる人がウンチを踏んでいる。ウンチを踏むと臭い。汚い。そう自覚して足を洗うだろうか。それとも、「ウンチでも みんなで踏めば 臭くない」と、ウンチを付けたまま歩きまわり、周りをウンチまみれにするだろうか。

 そんなことで私は思う。不自然な働き方から足を洗いたいと。もし、今の働き方に不自然さを感じたなら、その感覚は大事にして欲しい。そうしないと、次のアクションにつながらない。IT業界から病む人が減ることを願う。

Comment(2)

コメント

ardbeg32

>人の健康より業務を優先事項に考えてしまう

というより、人の健康に興味が無い上に、潰れても「あ、こいつ倒れた」程度にしか感じない経営層(課長以上)が多いってことだと思ってます。
情シスは特に組織力学に押しつぶされそうになりがちですが、情シスをコントロールするITに無知な経営層はなにがしんどいのか理解できない。
また組織のノウハウやITの専門知識の貴重さもわからないから、情シス部員が倒れても「また雇えばいいや」程度にしか考えられない(can not)。
それで自社がどれだけ損しているかもわからないのに業務がいつまでたっても効率化出来ない現状に「ITは金ばかり食って役に立たない」と明後日の方向に憤慨する。

IT業界にいると全然わからないと思いますが、世間の大多数のITリテラシーって恐ろしいほど低いです。液晶モニターの電源スイッチが入ってないのを「故障した!」と憤慨するレベルです。ウイルス対策ソフトなど話も聞いたことがないと胸張って答えるのが平均レベルです。
そんな人々がIT業界の人間を動かしている現状、IT業界の人間が病んでしまうのは必然でしょう。

ksiroi

> ardbeg32さん
そういう人ら全てひっくるめて「足を洗え」って内容じゃないのか
> 日本中のエンジニア、事業家、コンサルタント、あらゆる人

駄目なやつは何をやっても駄目なんだから肉体労働で
時間の切り売りしてくれと正直思う

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