いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

チロルチョコなミドルウェア

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■本日、衝撃的なツイートを受信

 それは突然だった。ふとのぞいたツイートに、衝撃という名の爆弾が仕組まれていた。

 ……チロルチョコ、塩パインが出ただと!!

 塩とパイン。言ってしまえばキムチとあんこみたいなもんだ。これがチョコレートに包まれて、衝撃の融合を果たすだと! 元モーニング娘の入籍を超えるセンセーショナル。

 そして私は就業後、出会ってしまった。その塩パインのチロルに。

■衝撃をこの身で受け止めてみた

 コンビニの棚にしれっと並ぶチロル・塩パイン。それを1つ手にとり、レジへ進む。

 「21円です」

 なぜかレジのお姉さんの笑顔がいつもの一割増に見えてしまう。コンビニを出て、チロルのヴェールを剥ぎ取り、問答無用に舌で包み込む。好奇心を込めて、優しく歯を突き立てた時、私の口と心に1つの思念が広がった。

 ……珍妙。

 決してまずくはない。言うなれば、デッドボールでさよなら勝ちした気分だ。そう、なんかこの残念感をどこかで味わったことがある。

 そうだ。あのミドルウェアのバージョンアップをした時だ。

■あのミッションでの出来事

 ミドルウェアの具体的な製品名は自粛する。今まで、クライアントソフト経由で動いていたシステムが、新しくWebインターフェイスで動くようになったということで、そのミッションはスタートした。

 途中、いろいろ苦労した。今までになかったような設定項目が増えていたり、認証がうまく動いてくれなかったり。そんなこんなでひととおりの作業が終わり、期待の初動へとこぎつけた。

 ブラウザを立ち上げてアドレスを入力すると、

 ……あれ? 繋がらない?

 おかしいなぁと思い、数十秒が立った時、インターフェイスが「よっこらしょ」と言わんばかりに重い腰を持ち上げて立ち上がった。

 こんなのじゃ、お客様に出せねえぞ! とサポートに問い合わせたり、設定項目を洗い出しチューニングした。そして、何とか以前と同じくらいのレスポンスで反応するくらいにこぎつけた。

 そして、お客様のレビューの日。担当者がIEのインターフェイスを立ち上げて一言。

 「微妙だなぁ」

 ……そうだ。時のお客様の反応、そして、みんなで噛みしめた残念感。チロルチョコを噛みしめて、その残念感をぼんやりと思い出した。

■新しさを求め、その手に珍妙が残る

 チロルチョコとファームウェア。共通点として、日々、進化を求めて変化を繰り返すところにあると思う。しかし、「なぜにこんな変更をした?」みたいな、残念な変更がなされることがある。今回の塩パインもしかり。

 チロルの赤ワイン味が好きだった。VMware ServerもVer.1が好きだった。無理に進化をしようとジャンプをしてみたが着地に失敗。そんな感覚を、この2つに感じた。“共通点”というより、“共痛点”といったところだろうか。

 変化もいいが、同じように不変にも同じく価値はある。もっと認知されてほしいものだ。

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