諸行無常
■何かの漫画で聞いた話
忍者が跳躍力を鍛えるために、成長の早いなんかの木を植えるそうだ。それを毎日毎日飛び越すんだそうだ。木が生長するにしたがって、ちょっとずつ高く飛べるようになるそうだ。そして木が屋根くらいの高さになる頃には、驚異的な跳躍力が身につくとか。
漫画の話なんで、できっこないのはよく分かる。でも、実際は木じゃなくてプロジェクトでやる奴がいる。
■誰かのぼやきで聞いた話
エンジニアが年収を上げるために、キャリアプランを立てるそうだ。それを日々クリアしていくそうだ。年齢を重ねるに従って、ちょっとずつ年収アップしていくそうだ。そしてプランを達成する頃には、驚異的な年収が稼げるとか。
誰かのぼやきなんで、本人ができてないのはよく分かる。でも、実際にやろうとして踏み外したようだ。
■こういう時は、「諸行無常」と言いたい
諸行無常。平家物語の冒頭で出てくる言葉です。響きがなんか、かっこいい。ざっくりした解釈でいくと、「世の中、どんな物も常じゃないぞ(要は変わるんだ)」という事みたいです。
向上心のある人は、ある意味、この言葉を「常に成長することで変れる!」と、肯定的にとらえる。しかし、実際はもっと奥が深い。成長し続けるという状態が「常ではない」だったり、変化し続けるのが「常ではない」だったりする。
そこのところを抜かすと先に挙げた話のようになる。鍛えたって、際限なく跳躍力が上がるわけでもないし、キャリアと年収が比例したのは20年前までの話だ。
■良い、悪いではない。1つの事実。それだけだ。
確かに、常に上向きの方が嬉しいし、常に下向きだと悲惨だ。しかし、世の中には一発逆転劇や、まさかの転落劇というのは存在する。
諸行無常。「すべては無常である」というただそれだけの事実だ。良いとか悪いではなく、その事実をしっかり受け止めることで、賢く生きていけるのではないだろうか。