10年目を迎えたSIerエンジニア。最近お灸にこってます。

徹夜

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 エンジニアってのは決して楽ではない職業だ。職場や環境にもよるが、エンジニアである以上、徹夜作業なんてのは良きにせよ悪しきにせよ、“フツーのこと”である。

 「この前も徹夜してさ……」なんてことを友人に話すと、だいたい「うわ……」という絶句が返ってくる。

 人によっては「仕事で徹夜」ということ自体がありえないのかもしれない(ましてや頻発なんて……)。

 30代にもなると、体力的にも余裕がなくなってくるし、しなくてもいいように準備や調整をする力もそれとなく備わってくる。しかし、それでも、やはり“やる”ときは“やる”のだ。

■ 23:00 ~ 翌2:00

 徹夜徹夜といっても、文字通り一睡もしない場合も、1~2時間は寝ている場合もある。翌朝になって「なんか意味なかったかも……」と思うことも往々にしてある。

 私の考える徹夜作業のゴールデンタイムは、社内に人がいなくなる 23時~翌2時の3時間。

 この間には、「この人、結構遅くまで頑張ってるんだな」とか意外な人の一面を垣間見たり、まさかの「同志」の発見なんかもあったりする。

 そして、自分以外の人がいなくなった後、静寂ただよう社内で自分のフロアのみ電気をつけて、窓際の夜景に目をやる楽しみもある。

 思うことは、人それぞれ。「何やってんだ、俺は……」とか「今月3回目か……」とか、手をじっとみつめてみたり……、たくさんの内なる声が出てくる。

 この時間は、慣れたくはないが、それなりに「美しい」時間である。

■ 2:00 ~ 5:00

 3時を回ると、意識が朦朧(もうろう)としてくるし、多少若くても、もうほとんど価値のある作業はできない。

 元気なときに集中してやれば一瞬で取り戻せるような内容に、3倍以上かけてしまうのが、ゴールデン後のこの時間帯だ。仮眠を取るとしたら、この時間帯がベストだ。

■ 5:00 ~ 7:00

 まだ出社してくる人はいないかもしれないが、油断してはいけない。フロア内を掃除するおばさん、おじさん達が登場し、仮眠の妨げとなる。

 徹夜が常態化すると、最初は驚きや憐れみの表情で見ていた彼らにも、もはや遠慮はなくなる。

 眠るために消した電気も全てONにして、掃除機を荒々しく机やイスにぶつけながら、自らの役割を果たすのみだ。

 起きずにはいられない。

■7:00 ~

 掃除が終わった後、誰かが来るまでは寝ていられる……。だが、上司や偉い人が出社してきたときに、寝ていてはさすがにまずい。

 そういう意味では、ドアの音に一喜一憂しなければならないリスキーな時間帯がこのころ。一人だけ異様にハードルの高い2日目が始まる。

 朝礼の中で思うのだ。「今回の徹夜はどれほどの意味があったのだろうか? まあ、無意味ではないけれど、もちろんそうなのだけど……」。

 徹夜の価値は、どちらかというとグダグダな2日目にも、それなりの成果をあげられるかどうか、で決まる。

 2日目、全然仕事にならないようでは、フツーに帰って出社すればよかったのだ。何度も繰り返してきた問答ではあるけれど……。

 徹夜の価値は翌日次第、と。

Comment(1)

コメント

ardbeg32

フハハハハ!寝る間も惜しんで端末設置だの、明日のリハーサルのための資料ン十ページのパワポを28時頃に作り始めたりだの、一瞬たりとも寝てる暇のない徹夜が日常茶飯事・・・コンプライアンスなんて言葉もなかった頃のお話です。

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