筆者は1970年生まれ。先輩から、情報技術者を目指す若い方へ生きてゆくためのコラムです。

気合いだ! はどこから来ているのか

»

 最近はもう、「エンジニア」を名乗るのも、ここで書かせてもらうのも恥ずかしいのが本音なんですが、僕はちゃんと働いてましたよー。終電がなくなりそうになるまで。今はものを書くことに専念することに決めましたけどねえ。最近思うんです。たとえ、僕がエンジニアをやらなくても、誰も困らない……ということに、最近、気付いたのです。

■内科医の先生が褒めてくれました

 僕の作文。むかし、内科医の先生が褒めてくれました。学歴なんかなくったって、建築家の安藤忠雄さんみたいな生き方もありなんじゃないかと、おっしゃっていただいて。なるほどね。もの書きに専念したっていいわけだ。僕が、安藤忠雄さんレベルになれるかは別問題として、そういう道もアリか。今の立場ならば。もの書き修行ですね。稲川淳二さんも機械設計エンジニアだったのが、今では怪談語りをしておられます。

 僕のへたくそな生き方。職務経歴書を見るプロ何人かに見てもらいました。エッジの効いた、必殺技がないのです。なので、即戦力にはならないだそうです。どんなにマジメに勤め上げても、今、人材を欲している企業と、自分がミスマッチを起こしていては、職務経歴書はただの紙くずになるのです。

■そうだ、物書きがいい

 幾百の眠れぬ昼と夜を越えて分かったこと。僕は得意分野を見誤った。そもそもの始まりは、キヤノンのキャノワードがOAデビューであって、パソコンが先ではなかったこと。プログラム言語をつむぐより、日本語をつむいでいる方が気が楽なこと。自分に向いていると思います。なので、エンジニアライフでありながら、エンジニアとしてのこだわりを棄てて、35歳定年説に倣った生き方をしてみよう。そう思いました。

 もっといえば、仕事がないなら、自分で仕事を作り出してしまおう。足りないモノは補いつつ、ライターさんの仕事のまねごとをしよう。最初からプロ級の文章は書けないので、自分なりのスタイルで……。夢や希望を送り届けることはできなくても、ぼうぜん自失や底しれない空しさから、その人を救うことができるかもしれない。大それたエンターテインメントでなくても、等身大のエンターテインメントでいいじゃないか。そうだ、作家がいい。そうだ、作家がいい。ノンフィクションからファンタジーまでをこなす、そんなもの書きになりたいのです。

■会社の主戦力は20~30歳代

 人間は老いていく。これはベルトコンベアのようなもので、あらがいようのない事実です。元旦を迎えるたび、誕生日を祝うたび、人間はいつの間にか老いてゆくものです。いつか、中島みゆきさんの「まつりばやし」(歌詞)を引用したことがありましたが、人間はいつの間にか片隅に追いやられて、静かに死んで行くものなのです。無に帰るのです。

 ここで僕が1人頑張って、まだエンジニアです、と必死にアピールしたとしても、世間が認めなければ、世間にニーズがなければ、その場を去るしかないと思います。これは、どなたにでもいえることで、管理者になるか、業界を去るか、会社の片隅に追いやられていくかの、いずれかになると思います。なぜなら、現在、主に会社で活躍しているのは、20~30歳代の現役世代の方々だからです。

■人生二度なし ~実践人の家~

 人間の性能は有限です。だから、限りある若さを大切に生きましょう。歌の文句でいい古された言葉、「二度と戻らない日々」。このことを「人生二度なし」といわれた先哲の先生がおられます。森 信三(もりしんぞう)先生といいます。愛知県の教育関係者で、「修身教授録」をお書きの方です。兵庫県尼崎市西立花町に「実践人の家」があり、また、関係する出版社としては「致知出版社」という会社もあります。

 実践人の家 http://www.jissenjin.or.jp/

 1994~2000年まで、尼崎市にあった阪神印刷株式会社というところで、月刊実践人担当だったのですが、当時DTPをしながら、この人の原稿を打つと、いろいろとためになりました。僕が40歳になった現在。いかに生涯を熱く生きるか、ということへの示唆を与えてくれます。40歳にもなったなら、後進の指導をやらなければなりませんねえ。

■伊達や酔狂でいってるんじゃない

 あの、アニマル浜口さんも40歳代を迎え、森 信三先生の「修身教授録」に衝撃を受け、この人なりに考えた結果が「気合いだ!」の域に達した、というわけです。「気合いだ!」という一言に、すべてが込められているのです。だから、アニマル浜口さんは、伊達や酔狂で「気合いだ!」といっている訳ではなかったのです。

 まあ、実践人も懐かしい思い出でしたが、アニマル浜口さんの「気合いだ!」のルーツが、まさか、森 信三先生だったとは、実践人の家ホームページを見るまで知らなかった。というわけで、後進の指導かあ……僕は一体、何をどうすれば。人間、気合いだけでは生きては行けませんが、気合いなしでも、とても生きられない。なので、取りあえず、叫んでおきましょう。気合いだ! 気合いだ! 気合いだ! 気合いだ! 気合いだ~!!

(叫ぶ気合いの会……なんてーのはどうかな?)

Comment(0)