筆者は1970年生まれ。先輩から、情報技術者を目指す若い方へ生きてゆくためのコラムです。

ダメかもわからんパソコンを修理する(3)

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 さて、問題は、Outlook Express のメッセージストアへのパスだ。僕のACERのネットブックは、たまたま Windows XP Professional だったので、それを準用しようと思う。まさか、こういうレスキュー時に役立つとは……。

Outlookexp
SID(?)が絡まったややこしいパス ひとつひとつ当たるしかなさそうだ

 つまり、例示すれば、C:\Documents and Settings\Tadokoro\Local Settings\Application Data\Identities\{C09A80AB-E937-43B1-8A8D-F7C6569CE6E8}\Microsoft\Outlook Express……みたいなパスになる。ハードディスクを差し替えて、それらしき箇所を、Windows Mail で探りを入れてみた。すると、過去のメッセージストアが呼び出され「インポートしたメッセージ」という箇所に自動的に収まった。ただし、Windows Mail の場合は、「受信トレイ」「送信済みアイテム」には入って行かないのが難点だ。

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強制的にIDEをUSB2.0にするケーブルを使用した

 今回は、半ば強引に「IDE→USB2.0」変換をするケーブルを使った。これが案外役に立った。が、しかし、油断してはいけない。なぜなら、今回はC:ドライブをすべてコピーしたが、その後、書き込み属性を全部切ってあげなくては、ユーザーが利用しづらいためだ。また、隠しファイルも一時的に表示する設定にしないと、メールの吸い上げができないからだ。それにしても、ハードディスクの表面温度は想像以上だ。かなり熱を持つ。放熱が必要だ。ちなみに、我が家のエアコンは、人間様のためにあるのではない。パソコン様のためにあるのだ。

 なにせ、すごい時間をかけて、セキュリティパッチを当てて(64個以上)、ローカルドライブは全部レスキューした。本能的にヤバい臭いがした電源の影響もなく、無事でなによりだった。これでデータが逝きました、となったら、世が世なら、僕はCowtail氏の前で切腹しなければならないかも知れなかった。メールアカウントの設定だけは、個人情報なので、Cowtail氏にお任せすることにした。そして、操作は、Windows XP 慣れしていると分からないため、MCP教科書のWindows Vista 70-620(翔泳社)をお渡しすることにした。これはヘビーなマニュアル代わりになるだろう(僕の書き込みだらけだが)。

 そして、プロとして見誤ったのは、パソコン発注時に Windows Ready Boost 用のUSBメモリを注文するのを忘れていたことだ。あまりに見慣れすぎて、気づかないもの。あって当たり前のもの。これはうっかりしていた。メモリ側は1000の倍数で容量をカウントするのに対し、OS側では1024の倍数でカウントするので、きっちり2GB買ってもキャッシュとしての意味が薄く、ここはいっちょ4GBを買うべき。また、FAT32でフォーマットされるので、ファイルアロケーションテーブルの分だけ容量も減る。僕は個人的に、耐久性なども考えて、SONYのポケットビットがオススメです。

 10月10日、取りあえず設定を終えたパソコンは引き渡された。残されたのは、7年落ちのパソコン(だった固まり)。ケーブルを全部取り払い、増設ボード類も全部外した状態でパソコンの中身を見てみた。CPUクーラーにはIntelとある。さすがにこれはマザーボードにぎっちりプラスチックのヒンジではめ込まれていて、単体で取り出すことは僕には不可能だった。どんなCPUかも分からずじまい。とりあえず、7年間、どうもお疲れさまでした。

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中身を見れば、このような状態 まだまだいけそうな気も

 秋晴れで天気の良い、11月12日。梅三小路(うめさんこうじ:西梅田)の買い取り専門店に、グラフィックカードやメモリなど、取れそうなパーツは全部取って、買い取ってもらえるかどうか相談しに行った。内容は……。果たして、電車賃出るかな……。

  • Intel Celeron 2.0GHz 焼損!
  • GIGABYTE GA-8GE667 PRO マザーボード 焼損!
  • FX5200 AGP8x 128MB グラフィックカード 380円
  • DDR 256MB PC2100 DRAM×2 ゴミ!
  • FM-56PCI/RWS-USA オンボードモデム ゴミ!
  • バッファロー DVSM-388FB DVDマルチレコーダー(IDE) 520円
  • LOGITEC LHA-USB2VA 増設USB端子ボード 10円!

  合計 910円

 とどのつまり、喫茶店代は出たかな、という有様だった。残りは、市の粗大ゴミでも捨てさせてもらえず、結局、このノーブランドパソコンは、PC3R http://www.pc3r.jp/ (一般社団法人パソコン3R協議会)行きになりました。処理費、4200円。これを活かして使おうにも、損益分岐点を超えますな、このパソコンは。

 リサイクルということは、鉄くず資源、つまりは、スクラップ工場行きだと。果たして何に生まれ変わるのでしょうか。パソコンの世界にも、輪廻転生があるわけでして、ぜひとも成仏してもらいたい、それだけです。果たして、儲かったのか、儲かっていないのか。収支報告は、正直申し上げて、赤字でございます。でも、Cowtail氏は無二の友人ですので、大切にしていきたいと思いますし、いろいろ他にも頂戴していますので、お世話になりっぱなしです。それでは、お話はこのへんで。ではでは。

 追伸:ここは、ほぼ大阪ですから、就職難のこの時期、もうインフラ系SEやめて、いっそのこと、インターネット芸人になろうかな、とも思う昨今でありました。半分マジです。ほら、違うカテゴリにはさかなクンもいるし(笑)。稲川淳二さんも、かつて機械設計技師だったのが、いまでは怪談語りをやってるし。

(今後も不定期に、思索と模索は続く……)

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