JWNTUGアゲイン!
かつて日本に、Windows NTを使いこなすための“JWNTUG”(ジャンタグ・日本ウィンドウズNTユーザー会)がありました。まだMCP受験が盛んでなく、日本でWindows NTの情報や活用法を自分たちで探る団体があったのです。僕は、終わりごろの、もっぱらユーレイ会員でしたが(苦笑)。軽食が目的……って、また食い気かいっ(苦笑)。
【マイクロソフトも、その存在を無視できなかったJWNTUG】
今でこそ、OSの機能や情報を得たければ、例えばMCSEになるとか、マイクロソフトパートナープログラムにでも入るのでしょうけれど、2000年当時はそういうものもなく、日本で唯一「ユーザー側代表」をつとめていたのが、このJWNTUGでした。
元JWNTUGの幹事、安納順一さんがマイクロソフト テックフィールダーズに詳しく書かれていますので、コミュニティの詳細の説明はそちらに譲ります。こちらにも、第2弾のコラムをお書きのようなので、そちらも併せて読まれるとためになります。
さて、MSC(Microsoft Conference)後のJWNTUGコミュニティの式場は、ホテルの小宴会場を借りたものでして、それはもう、百戦錬磨のつわもの揃いでして、僕なんかの発言できる隙間は1ミクロンもなかったのですが。片隅でサンドウィッチをつまみながら、できる人のお話を傾聴していました。折しも、僕は中小プログラム受託開発会社で、駆け出しのインフラ系SEもどきをやっていましたので、例えばSID HistoryなどのOSの振る舞い、SQL Serverなどのアプリケーションサーバの展開、常時接続のネットワーク設定など、実務に直結するお話でして、興味津々でした。
マイクロソフトさんのお話は……難解で……難解すぎて半分も分からなかったのですが、初学者にとっても、ところどころは平易に言ってくださるので、かいつまんで勉強しました。まだ、MCP教科書の赤本なんて巷にはあまりなく、アマゾンなどのネットワーク書店も盛んではなかったころだと記憶しています。なので、JWNTUGの存在意義はまだまだあったのです。インターネットといえば、良くてISDN64K、普通でも、睡眠時間を削って、テレホーダイ56Kの時代でしたので、そこから情報を得ようと思うと大変なのですが、コミュニティの内容は、それはもう、その数倍濃いものでした。
【JWNTUGアゲイン!】
今一度、玄関口としてのJWNTUGが求められているような気がします。JWNTUGをすでに卒業された皆さんは今、一流のエンジニアとしてご活躍のようですが、僕は途中でおいてけぼりを食わされたような気がしてなりません。その気持ちはたぶん、僕だけじゃないと思うのです。あのころはまだ、マイクロソフトさんと膝詰めでお話しができるぐらい距離が近く、今よりも「本音トーク」が聴けた時代だったと思っています。
良い慣習を再び。僕はどちらかといえば受け身なので、どなたか、JWNTUGを復活させてください。名前はどうでもいいんです。JWNSUGでも何でも。本音を言えば、僕みたいな平凡な技術者は、優秀なエンジニアさんの背中を見て育ちます。僕みたいな平凡な技術者は、優秀なベンダさんの背中を見て育つのです。通り一遍の教科書ではなく、現場の生の声が聴きたいのです。そうしていると、困っているのは、僕だけじゃないと分かるから。これまで知り得なかった何かに気付くから。それに、僕にとって「雲上人」な方々に「今度コミュニティやるから来てください」なんて、おこがましくて言えませんので……。
ですから、ここはいっちょ、JWNTUGアゲイン! そう言いながら、大阪開催時のメンバーさんの名刺はどこじゃどこじゃと探しているような有様です。もう、9年前になりますからね。そこのあなた。JWNTUGにピンと来たら、このコラムにコメントよろしくお願いします。
(思索と模索は続く……)
コメント
組長
まことに残念ながらJWNTUGは分かりませんが、私が生まれて初めてパソコンを触ったのは中学生のときで、MS-DOSでした。次は短大生になってからで、パソコン教室のOSはWindowsNTでした。懐かしい・・・。10年前のことです。
組長さま
どうもこんばんは。あの頃の僕は29歳で、そういった設置設定、ネットワーク設定ばかりをやっていましたねー。
自分では、Windows Norio Tadokoroの略(笑)と思っていますので、非常に親しみがありました。Windows2000が画期的でしたからね。ここの@ITさんも、元をただせば、Infoseek 内の Windows 2000 Insider から出発されているわけなので、僕は技術スキルはぼちぼちで、年輪ばかりを重ねています。
追伸:明日、明後日は、東京行きなので、入院中の親父のツラを拝んできます……というのは建前で、秋葉原で萌え産業にお金を投入しますw
横山哲也
ピンときたのでコメントします。
2000年当時は、MCSE制度は当然ありました。
特典は今とそれほど変わらないように思います。
パートナー制度もそれほど変わっていないと思います。
今も昔も単なる登録だけなら個人で可能です。
JWNTUGは、創立期のころに多少かかわっていました。
昔と違って、勉強会も盛んだし、Webにはいろんな情報があるのでJWNTUGの役割はもう終わったんだと思います。
数年前に再結成の動きがあったんですが立ち消えになったのは、必要性がないからなんでしょう。
柳原秀基
JWNTUGの設立に関係しましたので、コメントさせていただきます。
JWNTUGは、その前身であるNT-Committeeメンバーを中心にして、Windows NT系のユーザ会として誕生し、当時はほぼ唯一といってよい存在でした。さきほど、HDDを漁ってみたら、そのころの写真なども沢山出てきました。
当時の幹事のみなさんはその後、複数のコミュニティに分化していきました。マイクロソフトさんに入社した方もおられます。今でも勉強会活動を続けている人も沢山おられます。ライターや社長業になった方もおられます。
私の場合は、NT-Committee2を続けています。横山さんにも講師をお願いしたことがあります。JWNTUGを起点とした人脈は、いまでも続いているのですね。
ということで、JWNTUGは大きな存在でしたが、現在は姿を変えて、沢山のコミュニティに育っている、ということでしょう。
旅先(レム秋葉原)から失礼します。新型インフルエンザで、神戸に帰りたくない田所です。書き込みに今まで気づきませんで、どうもすみません。
確かに、以前と比べれば、情報の質の良し悪しはともかく、情報があふれていますからねえ。旅費を使って、会場などのコストを使って、勉強会をやる意味はもう薄れてしまったのでしょうね。
じつは、2001年ごろから、パートナー制度に加入しました。勉強は……勉強は……うーん(苦笑)では~。
横山さん、柳原さんの貴重なお話をうかがえて、若輩者としては感謝感激です。そうですか。JWNTUGから枝分かれしていったコミュニティもたくさんあるわけですねえ。大阪・神戸で自分なりにできることを、これからゆっくりと考えて行きたいと思った次第です。
皆さんどうもありがとうございます~。
はじめまして。
既に、柳原さんなどがコメントされていて、さらに若輩者の私が書くのもアレですが、
IT勉強会カレンダーを運営していて思うのは、中学生でも勉強会をオンラインで主催していたり、大学生が中心となって勉強会を立ち上げて大人を巻き込んで主催したりと、若手のがんばろうという力はすごいなって感じます。
ぜひ、大阪、神戸、京都あたりの勉強会でお会いできればいいですね(^-^
生島さま はなずきんさま 皆々さま
新型インフルも時間の問題、の武庫之荘に帰ってきた田所です。今晩8時頃東京から帰ってきました。駅では、なんとまあマスクマンの多いこと(含む自分)。
JWNTUGのお話が、これだけ盛り上がるとは、思ってもみませんでした。昔話に花を咲かせる方もいれば、これから、を考えて行こうとする方、それぞれのお立場からご意見を頂戴し、今後の参考にさせていただきたいと思います。まだまだコメント募集中!!
田所さん
安納です。コラムのご紹介、ありがとうございます。また、コメントが遅れてしまってごめんなさい。
JWNTUGは、確実に私の会社員生活だけでなく人生に影響を与えました。あの活動が無かったら、私は今頃窓際で鳩に餌をやっていたんじゃないかと(笑)。
あの頃楽しかったのはなぜかなと考えると、「技術的にすごい人」=「大人」だったからなのかなぁなんて漠然と考えています。ヒトとして尊敬できる方が多かったですよね。
そして、いままさに我々は、あの頃の「大人」と同じ年代になってしまった...果たして自分は、本当の大人になれているだろうか...と日々悶々としています(笑)。我々の世代によるムーブメントが必要ですね。
安納順一さま、どうもです。田所です。確かに、我々の世代で何かムーブメントが必要だと感じています。僕らが「大人」から教わってきたように、僕らも「大人」になったのですから、何か勉強会でも開かなければいけませんね。