今、話題の人工知能(AI)などで人気のPython。初心者に優しいとか言われていますが、全然優しくない! という事を、つらつら、愚痴っていきます

432.生成AIのパラドックス

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初回:2025/8/27

 「生成AIのパラドックス」ってご存じでしょうか?「(生成AIは)収益にほとんど影響を与えていない」現象を「生成AIのパラドックス(逆説あるいは謎)」と表現しているそうです。私は初めて聞きましたが、そういう現象が起こるという理屈は理解できます。

P子「最近、AIネタばかりじゃないの?」※1

 私自身が生成AIの活用が進んでいないことへの焦りかもしれません。

 今回のお話は、私が頑張って生成AIを活用したとしても、それだけでは駄目だということです。

1.「生成AIのパラドックス」

 「生成AIのパラドックス」って、何?という所から入っていきましょう。

 ≪参考資料1≫
 https://gendai.media/articles/-/156483
 「生成AIのパラドックス」で見えてきた【特大リストラ期】...日本が"IT革命の失敗"を繰り返さないために必要な決断
 小林 雅一
 2025.08.21

 一度、読んでみてください。恐ろしいことが書かれています。個人的には、日本はもうダメかも? と半分投げやりな気持ちになりそうですが、本当にラストチャンスなのかもしれないとも思いますので、何とかならないかなーと淡い期待をしています。

 ザクっと簡単に言うと、
  1.生成AI導入企業は、それが収益向上に寄与していない
  2.それを「生成AIのパラドックス」と呼ぶ
  3.企業が業務プロセスの再設計を行うまで、5~10年かかる
  4.再設計が成功すると労働生産性が大幅にアップする

 つまり、生成AIを導入、活用するだけでは収益向上に結び付かなく、企業体質の改善が伴わないと成果が出ない、ということです。

P子「企業体質の改善にはある程度時間がかかるから、導入と成果までに時間差がでるのね」

 そういうことです。

 ここで問題になっているのが、1980年代後半~1990年代に見られた「IT革命のパラドックス」だそうです。

 これは、パソコンやインターネットなどのIT技術が企業に導入されただけでは、労働生産性は上がらなかったが、1990年代後半になるとアメリカの労働生産性(の成長率)が大幅にアップしたが、日本はその成長率が鈍化していった、ということです。

P子「日本は、企業体質の改善に失敗したのね」

 企業再構築 ...つまりリストラクチャリング...略してリストラというのですが、労働力の配置、職務分担などの根本的見直しのことですが、日本でリストラというと単なる首切りというニュアンスが強く、さらに伝統というか法律というか首切りしにくいので膠着状態になったと思われがちですが、労働力の配置、職務分担なら、別に首切りしなくても実現できると思います。

P子「アメリカは新しい職務分担に応じた人材を育成するのではなく他所から持ってくる感覚よね」

 まあ、育成するのは難しいし時間もかかりますから大変ですが、日本の場合は企業再構築せずにリストラもできず教育もせずに単なるIT技術を導入しただけで終わったので、成果まで結びつかなかったということです。

2.生成AIをベースに企業再構築できるか?

 さて、IT革命で出遅れたことで、日本は残念ながら『失われた30年』に突入してしまいました。もちろん、IT革命失敗だけの責任ではありませんが、元々日本は独特の伝統と考え方を持っている国なので、欧米流の企業再構築には向きません。そこに中途半端な対応がまざり、政治の不備と相まって『失われた30年』になったのかもしれません。

P子「政治の良しあしを持ってくると揉めるわよ」

 景気が少しだけ上向きになると消費税を上げて日本経済を停滞させたというのは事実です。リーマンショックより消費税増税の方が影響が大きかったという試算もあります。

 さて、過去のことはともかく、今回の生成AIブームは、ブームで終わるのではなく完全に企業活動や実生活に入り込んできます。今度こそ、企業再構築することで成果を出さないと、とんでもないほどの差が出る気がします。それこそ、対応できた国とできなかった国では、天と地ほどの差が出る可能性があると思います。

3.まとめ

P子「企業再構築なんて、できるかしら?」

 やらなければいけないんですが、やり方を間違えると、本当に取り返しがつかないことになりそうで恐ろしいです。逆に言うと生成AIの成長率や効果を考えると逆転の可能性も十分にあると思っています。

P子「どういう方向で進めるの?」

 あくまで個人的見解ですが、欧米諸国と同じ方向で進むのは、日本には合わないと思っています。逆に日本流の伝統と文化に即した方向で進化させる方が、特徴がよりよく出ると思っています。

P子「つまり『日本』というブランド志向で進めるのね」

 そういうことです。

 ただ、残念ながら、日本全体として進めるのは不可能に近いので、自分たちはどうすればよいのかと言う所を考えていかないといけない気がします。

P子「やっぱり日本という国ベースでは負けってことね」

 悲観的と言われるとそこまでですが、なんとなく明るい未来がイメージできません。困ったものです。

 ほな、さいなら

======= <<注釈>>=======

※1 P子「最近、AIネタばかりじゃないの?」
 P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。

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