今、話題の人工知能(AI)などで人気のPython。初心者に優しいとか言われていますが、全然優しくない! という事を、つらつら、愚痴っていきます

268.日本の部長の年収はタイの部長より低い

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初回:2022/8/3

 今回はちょっと気になるニュースから、将来の事を考えてみたいと思います。

P子「ラズパイ無双は終了なの?」※1

 まあ『ラズパイ無双』はのんびり行きたいと思います。

 さて、すでに日本が、中国、韓国に負けているというのは理解できていましたが、タイよりも魅力がない国になっていたというのは、それなりにショックです。

 タイって聞くと、仏教と観光が有名で、先進国という印象が余りありませんでした。もちろん、単純な比較はできないと思います。例えば、部長の比率が非常に少なければ、少数の優秀な人に多額の報酬を与えるというのはあり得る話ですし、海外からの投資で優秀な人材が海外から集まってきているという事も考えられます。

 ≪参考資料≫
  https://gendai.ismedia.jp/articles/-/97586
  「日本の部長の年収はタイの部長より低い」という現実
  日本の賃金水準がここまで悲惨になったワケ
  2022.07.19 町田 徹

 この文章の中(6ページ目)で、『日本の部長の年収が1600万円前後なのに対して、タイが2000万円、アメリカやシンガポールが3000万円弱であることが読み取れるのだ。』と書かれています。

 この読み取れるの元ネタである『経済産業省が今年5月に公表した「未来人材ビジョン」という報告書』が、非常にショッキングな内容です。

 ≪参考資料≫
  https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/mirai_jinzai/pdf/20220531_1.pdf
  未来人材ビジョン
  令和4年5月 経済産業省

1.日本企業の部長の年収は、タイよりも低い

 『未来人材ビジョン』の P36 がその資料です。もう一つの評である『日本は、課長・部長への昇進が遅い』では、部長への昇進年齢として、タイは32.0歳で、日本は44.0歳です。つまり、タイでは32歳の部長は、44歳の日本の部長より年収が高いという事です。これでは、世界の優秀な人材は日本には集まりません。

P子「優秀な人材が必要なの?」

 高度経済成長期やバブルまでの日本なら、同じものを正確に大量に作るには、均等に高等教育を受けた人材が大量に必要でした。少数の優秀な人材よりも、大量の普通の人材が必要で、そういう人材育成においては、日本の教育制度は成功事例でしょう。ところがデジタル時代の現在は、画期的なシステムや最先端技術を大量に作る必要はありません。少数の優秀な人材が作れば、それを機械的に複写するだけで良いからです。

 もちろん、優秀な人材が多いに越したことはありません。それは、国産?である必要もありません。

P子「ますます、貧富の差が広がるのね」

 私の懸案事項が、ますます強くなる一方です。

2.日本企業の従業員エンゲージメントは低い

 企業と社員間のエンゲージメントというのは「従業員が会社に対しての愛着や貢献の意志をより深めること」という意味になるそうです。

 先の『未来人材ビジョン』の P33,34,35 がそれに関係します。日本人は、終身雇用と言われていましたが、現在は会社に対しての愛着が薄いという結果が出ています。そして、今の会社で働き続けたいか?についても余り多くなく、かといって、「転職や起業」の意向をあまり持っていないそうです。
 これは、P37 『「転職が賃金増加につながらない」傾向が強い。』というページから無理して転職する必要が無いという事が読み取れます。

 実は、P40 『企業は人に投資せず、個人も学ばない。』と関連があると思います。今の仕事に満足はしていないが転職の意思はない場合、与えられた仕事が出来ればよいのでスキルアップの必要性がない...会社もスキルアップを望まない社員に人材投資を行わない...悪循環です。P41 『日本の人材の競争力は下がっている。』のは、当然の結果でしょう。

3.まとめ

 この資料は、なかなか考えさせてくれます。

 もちろん、私は余り統計とかこの手の資料は鵜呑みにはしませんが、日本の将来については非常に危機感を抱いています。

 終身雇用を終わらせて、雇用の流動化を促進するのは良いのですが、それが非正規雇用を増やすことではないでしょう。転職ごとに給料を増やせるのは一部の優秀な人達だけでしょうし、個人の生産性が向上しても国際競争力が無ければ、単なる人減らしにつながるだけです。

 生産性の向上はもちろん重要ですが、それよりも革新性が重要だと思います。革新と言っても全く新しい事でなくても構いません。今まで常識と捉えていた事を打ち破る力、当たり前と考えていたことを問題と捉えて解決する力、同一性ではなく異質な物や考えを受け入れる許容性など、従来とは異なる能力が要求されると思います。

 そういう考え方は、日本人は非常に苦手な分野であり、考えれば考えるほど、日本の将来が心配です。

P子「それって『日本人』っていうステレオタイプじゃないの?」

 単なる私の思い過ごしであって欲しいという思いの方が強いです。

ほな、さいなら

======= <<注釈>>=======

※1 P子「ラズパイ無双は終了なの?」
 P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。

Comment(2)

コメント

匿名

従業員のやる気とかその人個人の問題ですし、やる気ない人はそのままやる気ないままだし、評価も下げたらいい。格差はあった方が健全で格差がないとがんばった人が報われない。

周囲のせいにせず、みんなが自分なりの幸福を追求すればいい。田舎で半農半フリーランスみたいな生き方だってアリ。

ただ、やる気を奮い立たせるのも、技術を学ぶのも周囲の責任じゃなくて自分自身の気持ちで、その気持ちの持ちようによって差がついてるってこと理解しないとな。日本人は他力本願ばっかりだから。

ちゃとらん

匿名さん、コメント ありがとうございます。


がんばった人が報われる・・・は、ある意味公平というのは理解できるのですが、例えば、頑張りすぎて鬱になったとか、突然病気やけがになって満足に働けなくなったりした人は、どうにでもなれ・・・というのも、私的にはなんとかならないかな~というのが今の想いです。

がんばれるのに頑張らない人も、頑張りたいが頑張れない人も、がんばっている人も、普通の暮らしができる世の中って、そもそも理想かどうかすら判りませんが、私の中では、そういう世の中になっても良いと思っています。

これは、運動会で順位を付けない・・・みたいな事ではなく、テニスが好きな人も、野球が好きな人も、サッカーが好きだが下手な人も、それぞれが楽しめる世の中・・・みたいなニュアンスです。

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