採用面接の質問NGに対する意見
2018年12月4日
ちょっと気になったので、書きたいと思います。
ある地方の労働局が出した、「公正な採用選考」について、
【質問】労働局から、採用面接で、以下の質問は問題があると出ています。
「どこに住んでいるのですか?」
「家庭は円満ですか?」
「尊敬する人物は誰ですか?」
「どんな本が好きですか?」
回答結果のすべてを載せると、パクリだとかコピペ野郎とかいわれるので、詳細は読者ご自身で読んでいただくとして、回答結果が、【全く問題ない 566票(62.1%)】だったそうです。
実は、このブログに、私なりのコメントを付けたのですが却下されたみたいで掲載されませんでした。(まあ、それは問題ありません。)
そのとき付けたコメントを(記憶を頼りに)再掲載してみます。ただし、あくまで私個人の意見ですので、元の労働局の意図は知りません。
「どこに住んでいるのですか?」
→ 部落差別問題と関係があると思います。免許証の本籍が消された理由(これも憶測)と同じでは?
「家庭は円満ですか?」
→ 両親が離婚していたり、元々シングルマザーだったりが、本人の就労能力と関係があるのか、という問題です。
「尊敬する人物は誰ですか?」
→ 政治や宗教に関係してきます。かといって、就職先の「○○社長です」とか言うと、うそ臭いですし。
「どんな本が好きですか?」
→ 同様に政治や宗教に関係してきます。特に、思想・信条の話と具体的な行動を伴っているかの差はあると思います。
> 問題ないって回答多いですが、少なくとも労働局の見解では、問題なのですが・・・・(苦笑)。
なんとなく自分に都合の良い意見だけを取り上げて、仲間が多いほうが正しい的な印象を与えています。・・・(こっちが苦笑)
> 憲法では、・・・「企業活動の自由」もあります。
ありません。
あるのは、職業選択の自由を保障する憲法22条1項 の延長での解釈でしょう。今の話は、職業選択の自由を妨げるような採用面接での質問は問題があるのではないか? という話です。
> 「三菱樹脂採用拒否事件」では、最高裁で、企業の採用しない自由が認められました。
一審、二審では、原告の訴えは認められています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E6%A8%B9%E8%84%82%E4%BA%8B%E4%BB%B6
また、1976年(昭和51年)3月11日、差戻し審である東京高裁においてこの事件は訴訟上の和解という形で決着を見ることとなった。とあります。
今の時代に、「スターリンの本が好き」だから不採用とか、女性と浪人生は影で点数を低く抑えるとかそんな事が明るみに出れば、企業のほうも相当打撃を受けるのではないでしょうか?
もちろん、少し行き過ぎた抗議や些細なことで騒ぎすぎという気もしますが、差別をなくすとか個人の尊厳を守るとかいう方向でがんばろうとしている努力は、重要だと思います。
コメント
朝の通りすがり
全面的同意です。
ネタモトのコラムでは医学部入試の件にもふれていて、基準が明確になっていないことが問題で、差がつけられていることは問題ではないと書かれていましたが、
基準が本人の職能や能力を無視したもの、一定の性別や国籍など個人ではどうにもならないこと(どうにかする必要はないんですが)を区分けするなどといった差別的なものなら、それが基準になることがそもそもおかしいので、
「基準が明確になっていないだけで、大学や企業がもうける分には自由~」
などといっているのは、自分がその基準内にいるからといった甘えと他者への想像力の欠如からいっていることなんでしょうね。
いいかげん小利口やめたら?
としか感じません。
ゆんろん
ありがとうございます。元記事を読んで、エンジニアのみなさんの、こういう分野での情弱ぶりが、とても気になっていました。正にこういうコメントをしなければ、と思って、再度アクセスしたところでした。
F
さんざバイアスかけて取ったアンケートに価値があるとでも思ってるんだろうか、と思いながら件の記事見てましたね。
知性と品性の面で試練を与えられた人なんですから大ケガせんうちにさっさと看板下したほうがええんじゃないかな。
名無し
概ね反対することはありませんが、最後の裁判についての記載は感心しません。三審制を取る日本では一審、二審の判決がどうであっても上告されれば確定ではありません。そしてこの裁判は最高裁にて「差し戻し」の結果、和解になったものです。差し戻し理由の中では採用しない自由が肯定されています。また差し戻しは採用しない自由とは異なり、試用期間後の解雇について審理不十分であることが理由です。あたかも原告側の主張が認められ和解した、または採用しない自由が裁判で否定されたと読み取れる書き方はミスリードです。
ちゃとらん
名無しさん。
裁判記事のフォロー、ありがとうございます。
和解なので、双方何らかの問題があったと考えました。
「採用しない自由」を否定するつもりはありません。元記事が、無条件で採用しない自由を肯定していると読み取れたので。(こちらがミスリードさせるのは、まずいですね。)
> 一審、二審の判決がどうであっても
これについては、少なくとも正式な裁判官が、2度も「採用しない自由」にも何らかの制限があるということを示したと考えました。和解と同じで、すんなり認められたわけじゃないという事を(無意識のうちに)期待したのかもしれません。
# 左に振れ過ぎているのを戻すのに、少し右に振りすぎた、見たいな・・・
# 無意識だったからミスリードさせても許されるとは考えていません。注意注意。
話を戻しますと、【以下の質問は問題があるかどうか】について、ないと考える人が多いので、「問題なし!」という結論について、問題があると考えている人もいます、と手を挙げただけです。
(というか、元のブログのコメントに上記問題を書いたのですが、そのことにまったく触れられずに、持論を再展開されていたので、正式に反対意見を書いたというのが経緯です。)
モンティ・ホール
よかった。同じ考えの人がいた…。
元記事を読んで、仮にも情報産業に勤めてる人間がこんなにリテラシー低くていいのかと戦慄を覚えていたので、こういう記事を見るとほっとします。
なお私も『大いに問題あり』に投票し、同時にコメントもしましたが(記事ではなく投票の付記の方に)あっさり無視されましたねぇ。
少ないとはいえ反対票もあったんですから、別に私のでなくても反対票投じた人の意見も載せるくらいのことはすればいいのに。