魔女の刻 (40) 不法侵入
午前4 時40 分。
私は、開発センターに戻る車の助手席に座っていた。ハンドルを握っているのは細川くん。後部座席に瀬端さんが同乗していた。瀬端さんはエース社員の車で開発センターを出たのだが、途中で口実を作って、くぬぎ南中学校で下ろしてもらったのだそうだ。
若宮さんのコンテンツを見終わった後、当然、私は白川さんの説明を期待していたが、チャットは接続が切れていた。こちらからリクエストしても応答そのものがない。途方に暮れていると、瀬端さんが開発センターに戻るように促した。
「白川さんは、これから少しばかり忙しくなるんですよ」
その瀬端さんは、車に乗ってからずっと、スマートフォンを操作していた。どうやらLINE で誰かとトークしていたようだ。私は声をかけるのを我慢していたが、ようやく瀬端さんが画面を消して顔を上げた。
「あの......」
「何でしょう」
質問を拒否される雰囲気ではなかったが、逆に私は投げかけたい質問が多すぎて、何から訊けばいいのか迷う状態だった。とりあえず、2 つ目のコンテンツを見た直後に浮かんでいた疑問を投げることにした。
「沢渡レナさんの担任って、瀬端さんだったんですか? コンテンツでは顔が違っていましたけど」
瀬端さんは頷いた。
「ええ、私です」
「確か、タスクフォースの室長の前は、南中学校の先生だったと聞きましたけど」
「沢渡レナさんの件が問題になった後で」瀬端さんはシートに背中を預けて目を閉じた。「東中学校では責任の押し付け合い合戦が繰り広げられたんです。最終的に当時の教頭、学年主任、それに私は責任を取る形で、それぞれ転勤異動になりました。私は相模原市の中学校でした。その後、私はくぬぎ市の中学校に異動希望を出していたんですが、さすがに元の東中学校は無理だったんですね。最終的に南中学校に異動となり、タスクフォースが立ち上がったとき、兼務する形で参加しました」
「弓削さんが、あいつか、って言ってたのは、瀬端さんのことですか」
「私がタスクフォースの室長として、初めて弓削さんに会ったとき、向こうは私のことなど憶えていなかったんです。当初、Q-LIC はタスクフォースに対しても、影響力を行使できると思い込んでいました。利権で釣ってね。私がそれを拒否し、Q-LIC を排除する方向にタスクフォースを進めるつもりであることが明確になったとき、はじめて私のことを思い出したんでしょうね。最初は私のことを警戒していたようでしたが、私はあからさまに敵対する態度を見せたわけではなかったので、そのうち気にしなくなりました。タスクフォースに私がいるのは偶然の結果だと思ったようです。エースシステムが再生計画のシステムリニューアルプロジェクトを受注し、白川さんが入ってきてからは、そっちに注意を取られていたでしょうし」
「どっちも偶然ではなかったということですか」私は訊いた。「白川さんがくぬぎ市のプロジェクトに携わっているのも、瀬端さんがタスクフォースにいるのも」
「もちろんです」
「名字は出ませんでしたが」先ほど見たコンテンツのシーンを思い出しながら、私は訊いた。「若宮さんの、その、"遺書"で呼びかけているナオミというのは、白川さんのことですよね。白川さんがいつもしている時計、若宮さんの時計じゃないんですか」
「ブライトリングですね」細川くんが口を挟んだ。「レディースにしてはゴツいと思ってたんですよ」
瀬端さんは首肯した。私は続けて質問しようとしたが、そのとき、ジュークがくぬぎICT センタービルの地下駐車場に到着した。
「続きは開発センターでしましょう」
私たちはエレベータで6 階に上がった。エレベータの中で、瀬端さんは再びスマートフォンに注意を向けていたので、私が質問を続ける機会はなかった。
開発センターに戻ると、多くの視線が集中してきた。すでに復旧作業が中断されているからか、出たときの喧噪は収まっている。何人かは例のコンテンツを視聴しているらしく、ゴーグルをかけていた。疲れ果てたのか、デスクで居眠りをしている人もいる。高杉さんの姿は見えない。
私も無視できない疲労に襲われ、のろのろとコートを脱いで手近のフリースペースの椅子に腰を下ろした。東海林さんが歩いてきて、隣に座った。
「おつかれさま」東海林さんの顔も疲労感が濃い。「ムダ足だったな」
「コンテンツ、見ました?」私は近くにおいてあった缶コーヒーに手を伸ばした。
「見た。いろんなことがわかったな」
「例えば?」
「どうして白川さんがVilocony を採用したのか、とかな」
「Vilocony ?」
「普通のWeb アプリケーションなら、URL から辿っていけば構造を突き止めることは難しくない。ソースにしたって、アプリケーションのイメージそのままをバージョン管理できるから、本番環境を壊したとしてもデプロイし直せば済む。たとえ白川さんが今日と同じことを計画していたとしても、あっという間に復旧できただろう」
「Vilocony なら」私は続けた。「パーツとしてのコンテナはCassandra 上に分散している。究極の疎結合で、関連付けるのはコーディネータしかない。その設定を握っているのは白川さんだけ」
「そういうことだ」
「ってことは」細川くんが驚いたように言った。「このプロジェクトをエースシステムが受注したときから、白川さんは今日のことを計算していたことになりますよ」
「ああ。途方もない信念がなきゃできないな。今にして思えば、使えないベンダーを早々に排除したのも、Q-LIC に買収されたサブリーダーを叩きだしたのも、プロジェクトを完遂させるためだったんだな。自分のイメージ通りのシステムを、期待するクオリティで、この日に絶対間に合わせるために」
私たちは、白川さんがこのプロジェクトに身命を捧げているのは、エースシステムで上級SE に昇進するための実績作りだと思っていたのだが、実のところ、Q-LIC に対する復讐のためだった。
「白川さんがいつもコマンドルームに閉じこもって何をしていたのか、不思議に思ったことはなかったか? この日のために、隠しコマンドを仕込んでたんだろうな。もちろん、通常のPL 業務をこなしながらだ」
「あのコンテンツを作る作業もあったでしょうからね」
いつも寝不足で隈を作っていたのも無理はない。
「でも、ちょっとわからないんですよね」細川くんが首を傾げた。「何のために、こんな面倒なことをしたんでしょう。昨日、設定ミスが発覚しなかったら、さっきのコンテンツがセレモニー会場で流れるようになってたんですよね。それぐらいなら、そのままネットに流してしまえばよかったと思うんですが」
「DMCA ですよ」
そう言ったのは、瀬端さんだった。顔を上げるといつの間にか、プログラマたちが周囲に集まっていた。自分のデスクで何か話していた鳩貝さんと草場さんもいる。瀬端さんはスマートフォンに視線を落としながら歩いてくると、鳩貝さんの横に立った。
「過去に何度も同様な告発をしようと試みたんですが、たちまちQ-LIC によるDMCA 申請で検索不能にされてます。それどころか、名誉毀損で訴えを起こされたり、Q-LIC こそ被害者だ、みたいなプレスリリースを繰り返されたりと、とにかくなりふり構わず悪評を潰しにかかるんです。24 時間ネットを監視する専門部署や、反論ページ専門の匿名ライターを何十人も抱えているというウワサです。ネットユーザは複数の、少しずつ違う"報道"を読んでいるうちに、何が真実なのかわからなくなるし、そもそも飽きてしまうわけです」
「それをどう解決することにしたんですか」私は訊いた。
「イマージョンコンテンツです。初めてプロトタイプを見たとき、私もちょっと驚きました。あれぐらいのリアリティだと、ものすごいインパクトです。もちろん、イマージョンコンテンツの提案をしたのは白川さんだし、エース社内でコンテンツ作成部門を立ち上げたのも白川さんです。KNGSSS は、その再生環境として必要だったんです」
白川さんと瀬端さんに非難が集中してもおかしくなかったが、集まったプログラマたちは黙って耳を傾けていた。ほとんどが例のイマージョンコンテンツを見たのだろう。きっと高められたQ-LIC への反感が強すぎて、瀬端さんを責める気にはなれなかったに違いない。
「本来の計画では」草場さんが訊いた。「セレモニー会場で、来場者にコンテンツを見せるというものだったんですよね。それだけでは、ちょっと弱くないですか。せいぜい来場者が、Twitter かブログでQ-LIC の件を公表するぐらいでしょう。DMCA ですぐ消されてしまうんじゃないかと思いますが」
「いい質問ですね」瀬端さんは、またスマートフォンに目を落とした。「他にもいくつか手を打ってるんです。そろそろですね。すいません、誰か、そっちの液晶TV を持って来てもらえますか」
2 台の液晶TV が移動されると、瀬端さんはタブレットを出して操作を始めた。それを横で見ていた鳩貝さんが、不意に声を上げた。
「あ、くそ」鳩貝さんは自分の迂闊さを呪うような顔になった。「そうか。そういうことか。道理でスキャンに引っかからないわけだ」
草場さんが目顔で問いかけると、鳩貝さんは悔しそうな声で答えた。
「白川さんがどこにいるのかわかりました」
その言葉と同時に、液晶TV に映像が映った。左のTV に映っているのは、かなり解像度の低いモノクロ映像だ。左上に今日の日時が秒単位で表示されていた。どうやら防犯カメラの映像らしい。どこかの建物のドアと近くの道路を映している。ドアには「夜間通用口」と書かれている。右のTV には何も映っていない。
「どこですか、これ」
誰かが訊いた。答えたのは鳩貝さんだった。
「グリーンリーブスのデータセンターです。違いますか?」
「当たりです」瀬端さんは微笑んだ。「始まるようです」
真っ黒だった右のTV に灯が入った。こちらの映像はカラーで動いている。視点が成人男性のそれより高い。ドローンの映像だ、と私は気付いた。どうやら左のTV に映っている映像の建物を、高い位置から撮影しているらしい。
画面奥から、車のヘッドライトが近付いてくる。かなりのスピードらしく、その大きさはみるみるうちに大きくなった。ドローンが急上昇して、車の全体像を捉える。真っ赤なアウディだった。
「おい、あれ」プログラマの一人が囁いた。「弓削の野郎の車だよな」
アウディはタイヤを滑らせながら急停止し、左ハンドルの運転席から弓削さんが飛び降りた。ドローンのカメラが斜め前方からその顔を映す。同時に、防犯カメラが接近してくる弓削さんを捉えた。顔認識が組み込んであるらしく、カメラの焦点が弓削さんの顔に合ったままだ。
弓削さんはドアの手前の鉄柵に飛びつくと、意外な敏捷さで乗り越えた。着地が乱れて一旦膝をついたものの、そのまま立ち上がるとドアに突進する。屋外は摂氏5 度近いのに、コートもマフラーも着けていない。形容しがたい色と模様のシャツは、夜の闇に紛れるとホラー映画の怪物のようだ。
弓削さんは、ドアの横のドアホンを拳で何度も押し、続いて金属のドアをドンドンと叩き始めた。防犯カメラは映像だけだが、ドローンの方は音声もストリーミングしてくれている。
『おい』弓削さんは怒鳴っていた。『開けろ開けろ! 誰かいないのか。開けろ』
ドアホンのスピーカーがガリッと鳴った後、応答する声が聞こえた。
『ドアを叩くのはやめてください。どちら様ですか』
『俺だ俺、Q-LIC の弓削だ。いいからさっさとここを開けろよ!』
『どなたですって?』
『弓削だ!』弓削さんは怒鳴り、手だけではなく足も使ってドアへの攻撃を再開した。『早く開けろよ。開けろって言ってるんだよ!』
『......来館予約はされてないですね』
『あ? そんなの知るか! いいからドアを開けろ。開けやがれ!』
『事前に許可がない人を入れるわけにはいきませんね』冷たい声が応答した。『お引き取りください。弓削などと言う人は知りませんね』
『ふざけるな! エースシステムの白川が来てることはわかってるんだ。そいつに話があるんだ。開けろ!』
『お引き取りください』相手は繰り返した。『これ以上ドアをガンガンやると警察呼びますよ』
ドローンはホバリングしながら、弓削さんの顔を映し続けた。いつもの気取った態度はどこかに消し飛び、歯を剥き出し、怒りと恐怖に歪んだ表情だ。ドローンが接近しすぎたためか、弓削さんの視線がまっすぐドローンのカメラを見た。
『おい、てめえ!』弓削さんは喚きながら、ジャンプしてドローンに手を伸ばした。『誰だ! 勝手に撮ってんじゃねえ!』
弓削さんがデタラメに振り回す両腕を、ドローンは巧みにかいくぐり、攻撃者の表情を捉え続けた。怒りに歪んだ弓削さんの眉間のしわまで、くっきり見える。これも4K/HDR 映像だ。
「白川さんは」東海林さんがTV から目を離さないまま、瀬端さんに訊いた。「あそこにいるんですか?」
「います。データセンタービルの正確な場所は言えませんが、昨日の夜からずっと。サーバのコンソールで作業しています」
「だから接続先が判明しなかったんですね」感心したように東海林さんは頷いた。「当然ですね。どこからも接続なんかしてなかったんだから」
「外部からの接続ばかりチェックしていました」鳩貝さんが呟いた。「考えてみれば、直接接続という方法があるのを忘れていましたよ。もう少し自分のスキャン技術を信じるべきでした」
可能性としてあり得ないことを全て除外して最後に残ったものが、いかに奇妙なことであっても真実だ、とシャーロック・ホームズも言っている。
「もしかして」草場さんが言った。「いつだったかのクラウド環境ダウン、あれも白川さんの計画の一部ですか」
「ですね。あれで貸しを作ったんです。だから、一晩中、白川さんがサーバルームで作業するという要望を断ることができなかったんですよ」
映像の中に新たな人物が登場した。警備服を着た2 名の屈強な男性だ。奧の方から走ってくると、騒いでいる弓削さんに近づいてきた。ドローンに気を取られている弓削さんは気付いていなかったが、警備員の一人が声をかけるとビクッと身体を震わせて、そちらに顔を向けた。
『おい、お前。いい加減にしろよ』
『警察に通報されたいのか』
『ま、待ってくれ』弓削さんは動きを止めて手を軽く上げた。『私はQ-LIC の弓削だ。くぬぎ市の市政アドバイザリだ。ここには何度も来たことがある。頼むから、中に入れてくれないか。中に白川って女がいるんだろう。そいつに話があるだけなんだ』
『あのね、おじさん』警備帽子から金髪をはみ出させた若い警備員が苦笑しながら言った。『あんたが誰だか知らないけどさ。そんなにガンガンやられちゃ近所迷惑だろう。いい歳して、それぐらいわかんないかなあ』
『ここに来たことあるんだったら』中年の警備員がもう少し丁寧な口調で言った。『中の人に連絡取る手順ぐらい知ってるでしょう。いきなり夜中に、いや、もうすぐ朝だよ、こんな時間に来て、ドアをガンガンやって入れろって言ったって、はい、そうですか、ってわけにはいかんでしょ。これ、立派な不法侵入なんだよ』
『だけど、白川は中にいるんだろう』
『それも言えないのは知ってるでしょう。とにかく、ここは出直してもらえんですか。朝になってから、しかるべき手続きを踏んでくればいいでしょう』
警備員の言葉に弓削さんは立ち尽くした。少し考え込むような表情を見せ、もう一度、ドアと警備員たちを交互に見たが、不意に踵を返して駈け出した。若い警備員が驚いたように手を伸ばしたが、弓削さんはすでに鉄柵に飛びついていた。
『なんだ、ありゃ』警備員は呆れたように呟いた。
鉄柵を乗り越えた弓削さんは、向こう側で着地するとき、またもや転倒して地面に転がった。警備員たちとドローンのカメラが見守る中、弓削さんはもがくように立ち上がると、少し足を引きずるようにしてアウディに乗り込んだ。エンジンがかかり、アウディはバックで方向を変えたかと思うと、タイヤをきしらせて急発進した。テールランプが急速に遠ざかっていく。高度を上げたドローンはしばらくの間、その後ろ姿を追いかけていたが、やがて高度を下げ、同時にストリーミングが停止した。
私はいつの間にか止めていた呼吸を再開させた。周囲で次々にため息が聞こえる。
「弓削さんは」草場さんが首を傾げた。「どうして白川さんがデータセンターにいることがわかったんでしょうね」
「ああ、簡単です。白川さんからメールしたんですよ。文面は知りませんが」
「それもプランBですか?」私は訊いた。
「いえ、これは元々の計画です。つまり、今の映像が欲しかったんです。説得力を増すために」
「弓削さんを告発するために、ですか」
「そういうことです」
「それにしては」草場さんが言った。「ずいぶん危ないタイミングじゃないですか。もし、今夜が大雨だったらドローンは飛べないですよね。弓削さんだって、データセンターまで車を飛ばすのを躊躇ってしまったかもしれない」
「今日しかなかったんですよ。セレモニーまで数時間のこのタイミングしか。時間を空ければ、Q-LIC と弓削さんに対策する余裕を与えることになりますから」
何人かが思い思いに質問を口にし始めたが、瀬端さんは手を上げて制し、タブレットを操作した。液晶TV にKNGSSS の画面が表示され、すぐにビデオチャット画面に切り替わった。
『みなさん』白川さんがニッコリ笑って話し始めた。『遅くまでおつかれさまです』
私たちは静まりかえって、白川さんの細い顔を見つめた。
『私の個人的な計画にみなさんを巻き込んでしまったことには、お詫びの言葉もありません。ゆっくり説明をしたいところですが、今は時間がありません。私は今夜は徹夜になるんですよ。全く、PL って大変な仕事ですよ』
東海林さんが何か言いかけたが、白川さんはそれを遮るように言った。
『いろいろ質問もあるでしょうが、もうすぐ夜明けです。朝にはセレモニーが予定通り、実施されます。みなさん、少し仮眠を取られてはいかがでしょう』
「ということは」東海林さんは立ち上がった。「production 環境は、元に戻るんですか」
『戻ります。それは約束します。私の名誉にかけて。今さらかも知れませんが、私もシステム屋の端くれです。立場は違えど、みなさんの14 ヵ月をムダにするようなことはしません』
「朝になったら、我々はどうすればいいんですか」
『予定通りのスケジュールでお願いします。セレモニー会場に行く人はそちらに、開発センターで待機する人はその通りに。それでは、私はこれで。全てが順調にいけば、もう一度、みなさんとお話する機会があるかもしれません』
チャットは切断され、画面が消えた。
「どうします?」私は東海林さんに訊いた。
「どうするも何も」東海林さんはあくびをした。「言われた通り、仮眠しよう。さすがに疲れたよ」
口々に賛同の声が上がった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
私たちは、それぞれ仮眠室のベッドを確保し、タスクフォースの職員たちは自宅に帰っていった。いくつも解決していない疑問が頭の中に渦巻いていたものの、睡眠を希求する身体的な要求が勝った。
眠りに落ちる寸前、私の心に一つの疑問が浮かんだ。弓削さんは、一体、どこに行き、何をしているのだろう。だが、それを突き詰める前に眠気が押し寄せ、私を深い眠りの世界に沈めていった。
(続)
この物語はフィクションです。実在する団体名、個人とは一切関係ありません。また、特定の技術や製品の優位性などを主張するものではありません。本文中に登場する技術や製品は実在しないことがあります。
コメント
匿名
鳩貝さんの失敗は技術屋なら誰しも味わうものだなあ。
バグの原因は○○に違いないと思ってるもんだから、そこで発見できないのは自分のやり方が間違ってるんだと思い込んでしまう。
VBA使い
やっぱり、ワーニャ=白川さん
担任=瀬端さん だったのね。
ドローンはいいとして、グリーンリーブズ社の監視カメラを外部にリアルタイム公開なんてできるのかな?
あと、警備員二人が、レナちゃん誤認時に来た警察と同じ人たちだったりして(さすがにそれはないか)
匿名
この状況で白川さんに従いますかね普通。
高杉さんとかはなにをしているのか
trmr
いい年して→いい歳して
うーん、さくらちゃんの見立て通りなら、白川さんはもう二度と『みなさんとお話する機会』なく殉死しそうな予感しかしない。
瀬端さんも引責してタスクフォース去る気のかな。
しかし瀬端さん、白川さんより酷薄な印象が…
白川さんはまだエンジニア仲間への情が有りそうですが(それすらここへ来てエースっぽい身勝手な情に見えるけど)
二人とも非情な復讐鬼に成り切っているつもりなら、うん…痛々しいな。
SQL
KNGSSS も無事予定通り完成し弓削さんも無事失脚すれば、
白川さんの計画通りとなるんだろうが、果たして。
ここからの弓削さんの巻き返しはあるのか。
匿名
弓削さんが、というかクリックがおとなしくセレモニーを開催させるとは思えないので、中止させようと一悶着ありそうですが
はてさてどうなるか
ひろこ
息つく暇もない面白さ。
とても楽しみにしています。
毎週大変待ち遠しいです(^^)
非難→批難
レイア
非難でも間違いではないと思います。
匿名
> 瀬端さんは首肯した。
が、どこにかかっているのかなと。
白川さん=ナオミ
のところではなく、
白川さんの時計=ブライトリング
というところにだけ同意したような印象を受けました。
考えすぎかな。
リーベルG
trmrさん、ひろこさん、ご指摘ありがとうございます。
非難の方が一般的だと思うので、このままで。
オモロー
魔女曰く
“予定通りのスケジュールでお願いします。”
主人公達プログラマーが何をしていた(何もしなかった)としても
魔女の手により production 環境は元に戻る
“戻ります。”
主人公側に感情移入してて、信用ねーんだなー、と若干落ち込んだw
al
集まったプログラマたちの間からは黙って耳を傾けていた。
↓
集まったプログラマたちは、黙って耳を傾けていた。
ですかね?
ドアには「夜間通用口」を書かれている。
↓
ドアには「夜間通用口」と書かれている。
リーベルG
alさん、ご指摘ありがとうございます。
東海林さん、もうエースはそういう会社って受け入れちゃってるかのような反応だな・・・w
匿名D
小説の描写に、プログラミング言語のような特性を期待する人がいるんですねえ。
コバヤシ
>私もシステム屋の端くれです。
白川さんがシステム屋とか言うなんてちょっと意外でグッと来ました
匿名
> 弓削さんは、一体、どこに行き、何をしているのだろう。
仮に弓削がプロセス zz0ker と破壊プログラムの存在を何らかの理由で知っているとしたら、次回また開発センターに乗り込んできて、 zz0ker の強制停止による破壊プログラム起動を命じにくる、というのがあり得そうだけれど、 35 話の VR 観賞直前のシーンの描写からすると、弓削が破壊プログラムの存在を知っているようには考えにくい。
> 「白川さんから電話があったんだよ」弓削さんは不機嫌そうに答えた。「ここに行けと。従う義務はないと言ったら、行かなければ後悔することになる、と脅しやがった」
> 「何の用だ」弓削さんは噛みついた。「人を脅しやがって。一体、何のつもりでこんなことやってるんだ」
この発言からすると、白川は弓削にほとんど具体的な情報を渡していないようだし。
そもそもこの時点で、弓削が白川に対して切れるカードって残っているんだろうか?
きゅういち
警察か市役所に対してテロ予告を行い、とりあえずセレモニーを中止させて対策を練る、とかですかね。でも、そんな事態についても、白川さんは対策済みかも。
きゅういち
警察か市役所に対してテロ予告を行い、とりあえずセレモニーを中止させて対策を練る、とかですかね。でも、そんな事態についても、白川さんは対策済みかも。
fgn
弓削さんの頭から湯気が出てそう
匿名
Q-LIC側の登場人物が弓削と前市長(=どっちも無能)しかいないから、24時間監視してるとか訴訟で潰しに来るとかいうアグレッシブな行動がどーにも結びつかないのよね。
出てきてないだけで、Q-LICにもエースにおける白川さんみたいな有能な稼ぎ頭がいるんでしょうね。頭の悪さとせいじりょく(笑)は別物。
匿名D
今更セレモニーを中止しようとしたら、まずは説明を求められる。
ここで、瀬端さんがタスクフォースのトップに座っていることが生きてくる。
そしてデータセンターで弓削が醜態を晒したビデオ。
実弾を保持していることの意義は大きい。
Q-LICは、HSSJのパシリでしょ。
その本質的な目的は、Q-FACEに情報を流し込むこと。
Q-FACEを守るための、ネットにおけるアンチ活動が本業に近いんでしょう。
だからKNGSSSは外注なわけで。
一連のナラティブでも、Q-LICが本気で守ろうとしていたのは
KNGSSSではなく、Q-FACEであると明瞭に描写されています。
まあ、それが目的だったんだし。
匿名n
> 『おい、てめえ!』弓削さんは喚きながら、ジャンプしてドローンに手を伸ばした。
ハローサマー、グッドバイのセルフオマージュかな。
AC
>この状況で白川さんに従いますかね普通。
>高杉さんとかはなにをしているのか
そう思う。
今回はご都合主義を感じますね。
高杉さんが居ないことが後で回収されるなら良いけど。
>私は今夜は徹夜になるんですよ。全く、PL って大変な仕事ですよ
>私もシステム屋の端くれです。
ここまでしといて、よくこんな事言えるよね。
匿名
> 「気を付けて帰りなさい。それから」高杉さんの顔に珍しく逡巡が走った。「もしかして、私についても何かその、あなたの言う保険を持っているのですか?」
> 「高杉さんのですか?」白川さんは面白そうに訊いた。「高杉さんに弱点なんてあるんですか」
> 「どんな人間でもアキレス腱を持っています。どうなのですか」
19 話でのやり取りを見る限りだと、どうやら高杉の腹も探られたら痛いと感じる部分はあるようだし、
高杉も、少なくとも白川のプランに表立って反抗してするのはリスキーと感じてるのかも。
ついでに言うなら、下手に白川を刺激して、やっぱりプロダクション環境を破壊する、という選択を向こうに取られたら、そんな事態を招いた責任を取らされる事態にもなりかねないし。
(白川の行為に対し何もしなかったことに関する責任は、「プロダクション環境を人質に取られては打つ手が無かった」という言い訳で切り抜けるとして)
行き倒れ
もうツ○ヤのサービスは
受ける気がしないっス(笑)
無能SE
ありがとうございます。人形つかいのころから拝見しています。
昨日から一気に読んでしまいました。。。
先が気になります。
匿名
すごく今更ですが以下のセリフは接続元ですよね
白川がどこから接続してるかの特定であれば
「だから接続先が判明しなかったんですね」