それはエンドユーザーの志向なのか?
2月はチョコ好きの男にとって受難の月だ。全国的にチョコ売り場はバレンタイン色に彩られ、男には近寄りがたい空気を醸し出す。
バレンタインデーにチョコをもらえるアテがあってもなくても、男がこの季節にチョコを買うのは敗北宣言をしているようで、なんだか居心地が悪いものだ。この社会全般の雰囲気、なんとかならないものだろうか。
■今年のチョコは高級志向らしい
ところで、今年は景気を反映してチョコも高級志向なのだとか。
「はぁ? バレンタイン? 景気を反映? いったいどこの国の話だよ?」
失礼、ちょっと取り乱してしまったようだ……。
おそらくデパートで買う高級チョコは、その場できれいに包んでもらって、そのまま渡すパターンが多いだろう。メッセージなどは添えるにしても、チョコ自体に、購入後に手を加えることはないはずだ。
「はっ。所詮は金かよ。金額で媚を売ろうってことか?」
失礼、またちょっと取り乱してしまったようだ……。
■それは誰が志向しているのか?
しかしここで注意が必要なのは、誰が高級志向なのかという点だ。
エンドユーザー(つまり、最終的にチョコを口にする男)は、本当に高級なチョコを要求しているのだろうか? ひょっとしたら、心の中では「うわっ。こんな高級なもんじゃなくてもいいのに。またお返しが大変だなぁ……」と翌月の出費に心を痛めているかもしれない。
だから提供する側としては、景気などという不確かなものに振り回されずに、エンドユーザーにとってちょうど良いものを選ぶことが肝心なのだ。自分の気持ちより相手の気持ちの方が大切なのは、プレゼントもシステム開発も変わらない。
あなたはエンドユーザーの気持ちを、しっかりと汲み取れているだろうか?