歌って踊れるエンジニア~エンジニアの誤解 2~
あやふやな仕様が提示された状態で作らされる。こういうことは日常茶飯事ではないでしょうか?
「間違っていそうだけど、仕様書に書いてあるし、このままいくか」
「こっちの仕様の方が良さそうだけど、面倒だから仕様書どおりにいこう」
こんな感じでとりあえず作ってはみたものの、ユーザーや営業から
「何でこんな作りになってるの?」
と言われついつい出てしまう言葉……
「仕様書にそう書いてあったから」
【言われたことしかやらないエンジニア】
頼む側と頼まれる側、設計側と製造側などの立場があるとはいえ、こういったやりとりはできるだけなくしたいですよね。
わたしは、作ることは自己表現の場であると勘違いをして、昔は言われたこと(仕様書に書かれていること)以外までやってしまって、よくやり過ぎだと怒られたことがあります。
わたしはこのことは全く後悔はしてないのですが、反省はしました。冷静に考えればそれは自分が使うものでもないし、自分のシステムではないからです。自社製品、自社サービスであれば許されるかもしれませんが、SIerであるならばお客様が欲するものを作るのが基本です。
かといって、仕様書が明らかに間違っている場合や、どう考えてもおかしい場合が多々あります。エンジニアがたくさんバグを出すように、仕様書や要件をまとめる人、ビジネスプランを練る人も同じ人間ですから、同じように仕様バグを出すことはあるでしょう。
間違っていることを認識しつつも、仕様書に書いてあるとおりに実装してしまうのは、誰も幸せになれません。いずれ直さなくてはいけないのですから。
【エンジニアが心がけてみて欲しいこと】
このようなエンジニアが生まれる原因の1つとして、SEとプログラマというわたしからしてみれば妙な役割分担がはびこっていることもあげられます。ものを作るにあたって役割分担などは関係なく、良いものは良い、悪いものは悪いと指摘する必要があると考えます。
今作っているシステムが最終的に誰がどのように使うのかを一度考えてみてください。考えた上で、お客さんや関係者に指摘や提案をしてみてください。
言葉は悪いですが、エンジニアは作らされる側に立つことが多く、良かれと思って指摘したことも、理不尽なお客さんから余計なことをするなとか言われる可能性があるかもしれません。しかし、いいものを作るためならこういった行動は必要だと思います。
【こんなエンジニアと接するには?】
わたしの感覚では、こういったエンジニアは間違いに気づいていることや、ヒアリングしてみるとちゃんとした意見を持ってることが多く、逆に気づいてない場合は「すぐ直します!」という、本当に何も考えてないような言葉が返ってきます。
前者の場合はある程度の仕様を決める権限を与えるとよいでしょう。また、エンジニアは日頃はおとなしく、しゃべる場が与えられると饒舌になるので、もの申してもいいんだという雰囲気作りが必要かと思います。
後者の場合は、何も考えてないぶん基本的に素直ですので、率直に仕様や要件にもバグが潜んでいるということを教えた上で、考えることを促すといいかもしれません。
つづく