海外IT企業で働いていた純日本人エンジニアがいろいろと考えてみる。

IT英語を実践する方法

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どうも、鹿島和郎(かしまかずお)です。今回は、どのように英語を実践する機会を作るかについて、少し書こうと思います。まずは悪い例から。

■I'm not your English teacher!

 最近は、日本に住んでいる外国人が増えています。英語教師としてやってきている方も、結構な数がいると思います。

 実際、わたしの友達でも、英語教師が何人かいます(カナダ人とアメリカ人が多いです)。そのうちの1人からこないだこんな愚痴を聞かされました。

友達:「こないだ、友達に誘われてバーベキューに行ったのよ。そしたら、友達の友達とか、初めて会う人とかも結構いたんだよね(筆者注:日本人、外国人共に)。で、ある時、わたしと他の日本人がみんな日本語で話してる時に1人だけ英語で話してきて、しかもその英語が酷くて、その度に会話が止まるし、みんな閉口してたよ……」

鹿島:「うん、いるねー。そういう人。英会話の勉強がしたいんだろうけど。」

友達:「それは分かるけど、わたしはその人の英語の先生じゃないんだし、プライベートの貴重な時間をその人の拙い英語で台なしにされたくはないよ。英語が勉強したいんだったら、お金を払って先生を雇ったりすべきでしょ」

 誤解がないように書いておきますが、その友達が英語ができない日本人を見下しているわけではありません。その友達は、仕事となればどんなレベルの人に対しても懇切丁寧に教えていて、生徒の評判が高い人です。

 問題は、その友達の日本語はかなり流暢なのに対して、その日本人はかなりの英語初心者であること。そして何より、バーベキューは単に肉を食べてビールを飲んで楽しむ場であって、英語の勉強をする場所ではないということです。

Give and Take

 何かを得ようと思えば何かを与える、あるいは何かを犠牲にしなければなりません。先ほどの例だと、その子は英語の勉強の機会を得たのに対して、他の人は単に不愉快な思いをしただけで、フェアではありません。

 どうすればいいのでしょうか。「ランゲージエクスチェンジ」という、日本語を勉強したい外国人と英語を勉強したい日本人が集まって(1対1でもいいですしグループでもいいです)、お互いの言語を教えあうというスタイルならまったく問題はないと思います。ギブアンドテイクですので。

 六本木で不良な女の子が不良な外国人と英語で会話してお勉強するのも……まぁギブアンドテイクですから良しとしましょう。

 また、ボランティアで外国語を教えている人や団体も存在しますので、そういうのを利用させてもらうってのもいいと思います。

 お金を払って個人レッスンを受けるってのも、いいと思いますよ。無料では受けられない高度なレッスンってのも世の中にはいろいろあります。

 ただ、前述のとおり、外国語を勉強したいというだけの理由で外国人と「友達」になろうというのは、その人たちに失礼ですので、やめて欲しいと思います。

IT英語の実践の機会

 ここまでは英語一般の話ですが、ではIT関係の英語を実践で使うにはどうすればよいでしょうか。英語を読むというのを除くと、実際にIT英語を使う機会というのは、普通の人はあまりないと思います。

 ここではIT関係の英語を実践する機会を作る方法をいくつか挙げたいと思います。

○英語のソフトの日本語化

 自分が普段使っているオープンソース(でもシェアウェアでも何でもいいですが)のソフトで日本語化されていないものがあったら、開発者に「日本語化したいんだけど」というメールを出してみてはどうでしょう。

 文面は以下のような簡単なものでいいと思います(不自然な英語でしたら済みません>専門家の方)。もちろん英語力のある人はもっと色々書いてもいいと思います。

Hi [開発者名],

My name is [あなたの名前]. I'm a fan of [ソフト名] and would like to translate it into Japanese. Would you be interested?

Thank you,

[あなたの名前] 

 最初から国際化対応されているソフトであれば、基本的にはリソースファイルなどを翻訳するだけですし、作業自体は難しくないと思います。

 開発者とのやりとりで英語を使わざるを得ませんし、翻訳する際にも英語の勉強になります。なにより日本語化することにより他の日本人ユーザーにとってもメリットがあります。

 もちろん、すでに動いている日本語翻訳プロジェクトに参加するのもいいと思います。

○バグ報告

 日本語化されているソフトだとしても開発者は外国人だけ、というのは多いと思います。バグを発見したらそこで諦めないで、英語でバグ報告を出してみるといいと思います。自分が報告したバグに関する内容なら興味を持って読めるでしょうし、追加の情報提供を求められた時でも頑張って返答しようという気にもなると思います。

■話す機会を作るのは難しいかも……

 前項は読み書きの実践の話でしたが、IT関係の英語を話す機会を作るというのはなかなか難しいかもしれません。わたし自身、英語でIT関係の話をする機会というのはそれほど多くないです。

 前述のランゲージエクスチェンジでは一般的な会話がほとんどだと思いますので、専門的な英語を話す機会を作るには、英会話学校やオンライン英会話などで実践で練習するのも選択肢なのではないかと思います。

■終わりに

 英語の勉強方法というのは人によって向き不向きがあると思いますし、正解はないと思います。いろいろ試して自分にあった方法を見つけてくださいね。

 話は変わりますが……Twitter始めました。アカウントはkaigaiengineerです。もし良ければフォローをどうぞ。前回の記事の最初にも書いたので、毎回くどくどと宣伝っぽく書くのも気が引けるので、このような形で末尾にひっそりと書かせていただきました。

 宣伝ついでにもう1つすみません。現在ITエンジニアに特化したオンライン英会話サービスを準備中です。当面はベータサービスとして無料で使ってもらえればと思っていますので、ご興味のある方はこちらのページから登録してもらえればと思います(サービスの運営元はこちら)。

 ではまた次回。

Comment(4)

コメント

yamamoto

英語の能力は、読み書き話し、聞く能力の4つ。日本の学校教育では、このうち読むの能力を中心にやるわけです。私が高校生だった30年前は、これで終わりでした。聞く機会を得ようと、洋画を字幕を見ないようにして見たり、短波放送を聴いたりしましたが、限界がありました。関東の人なら、FENもあったのですが、私は関西にいました。ところが、最近はうらやましいことに、podcastなどで、日本人が日本にいても、聞く機会は飛躍的に増えました。
さて残る、話す、書くですが。こればかりは相手が必要です。書くほうは、たぶんBlogに英語で書き込みすれば、対応できそうです。話すは、なかなか機会がありません。私は、シャドウトーキングと称して、自分で頭の中で英語で考えるトレーニングみたいなことをやってました。近くのモルモン教教会に行って、アメリカ人の宣教師と話をする程度でした。英語が出来る日本人は英語だけを勉強してきた人、つまり、外語大学を出た人になってしまってます。英語は単なる世界で仕事をするためのツールに過ぎないのですので、なるべく少ない時間で、英語を習得できなければいけないと思います。

鹿島

yamamotoさん、はじめまして。

仰るとおりpodcastなど、最近は色々なツールが出てきてますね。私はyamamotoさんよりは1回り以上は年齢が下ですが、我々の世代が高校生の時も英語を聞く機会はFENくらいしか無かったような気がします。

最近の若い人は外語大学を出たりした英語を専門で勉強した人でなくても英語が上手な方が多いと思います。我々ITエンジニアにとっては英語は単なるツールですので、なるべく少ない時間で習得できることが望ましいというご意見はもっともだと思います。そうした点からも、(機会さえあれば)仕事を通じて覚えるというのが一番だと考えています。

naomsa02

はじめまして、naomsa と申します。
高校・大学・3年間某企業での仕事を米国で経て、現在某国内企業でエンジニアをしております。

英語を話したい人を基本的には、拒みませんが。。明らかにこちらが得るものがないときは。。断りますね。仰る通りだと思います。

> 英語は単なる世界で仕事をするためのツールに過ぎないのですので、なるべく少ない時間で、英語を習得できなければいけないと思います。

これって、違和感を感じるのは自分だけですか?言葉の意図はわかりますが、この気持ちでは、上手くならないと思いますし、ましてや「仕事」として考えた場合、言葉もそうなのですが、相手もいますので。。確かに短時間で話せるようになることは望ましいでしょう。

鹿島

naomsaさん、初めまして。

> 確かに短時間で話せるようになることは望ましいでしょう。

確かに望ましいですが、実際には時間はかかりますよね。以前のエントリにも書きましたが、私の場合は3年目で何とか普通に仕事が出来る程度になった感じです。naomsaさんは高校からアメリカにいたのでしたら、当然私なんかよりは上達も随分早かっただろうと思いますが、それでもそれなりに時間はかかったのではないかと想像します。

とかく時間がかかる英語の勉強ですが、それを実践中のITエンジニアの方のお役に少しでも立てればと思いつつ、ボチボチコラムを書かせてもらってます。

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