海外IT企業で働いていた純日本人エンジニアがいろいろと考えてみる。

コミュニティ活動で世界は動くか

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 どうも、鹿島和郎(かしまかずお)です。先週末に、エンジニアライフでコラムを書いている人達が集まるオフ会第2回が神戸で開催され、東京で開催された第1回に続いて参加してきました(理由は省略しますが本イベントはリッツと呼ばれているので、以降はリッツと書きます)。イベントレポートは他の人に任せるとして、今回は自分のLTについて書こうと思います。

 生まれて2回目のLT。前回はなんとか言いたいことも言えたんですが、今回のLTは結論から言うと失敗でした。時間配分がまずくて、結論を言う前に時間切れになってしまいました。関西行きの新幹線の中で資料を作ったんですが、資料ができた時点で安心してしまい、発表の練習をしなかったのが敗因だと思います。

 さて、失敗は失敗として今後改善していけばいいとして、今回のコラム(※)ではLTで話したかった内容について書いていきます。

※私自身は「コラムを書く」とか「コラムニスト」いう言い方は何となく気恥ずかしい感じがするのですが、@IT編集部の方は「ブログじゃなくてコラムだ!」と常々仰っているので、それに従おうと思います。

■@ITのコラムニスト

 冒頭で書いた通り、今回のリッツにはエンジニアライフでコラムを書いている人たちが集まりました。一覧ページを見ていただくと分かる通り、エンジニアの方、非エンジニアの方がいらっしゃいますし、エンジニアといってもいろいろな業種、職種の人がいます。構成は結構バラエティに富んでいるのですが、核として「エンジニア」というキーワードがあるので、何となく一体感もあるような気がします。

 そんな@ITのコラムニストたちですが、本業を持っている人がほとんどのようです。本業の傍らコラムを書いて、コラムのネタ作りのために新しいガジェットを買ってみたり、デスマーチに自ら飛び込んでみたり、コミュニティ活動をしたり、そんな感じの方々です。

 「ネタ作り」のためというのは冗談ですが、コミュニティに参加されている方は比較的多いです。日本全国の勉強会を行脚している方、LTと言えばどこでも飛んでいく方といった極端な例は置いておくとしても、AAAユーザー会とかBBB勉強会といったものに積極的に参加している方などがいます。そもそもコラムを書くというのもある意味コミュニティ活動の一環とも言えるのではないかと思います。

■コミュニティ活動

○私が行っているコミュニティ活動

 先ほど「コミュニティ活動」というキーワードを出しましたが、私自身も今年の9月からコミュニティ活動を行っています。私の以前のコラムを読んでくださった方はご存じかと思いますが、Scalaという言語の勉強会を毎週行っています(※)。

 勉強会を始めた経緯に関しては以前のコラムで書きましたので、詳しくはそちらを参照していただくとして、ここでは簡単に説明します。

 8月末にいろいろな理由によりScalaを勉強しようと思い立って、最初は勉強会を探したのですが、東京近郊では勉強会の開催がなかったのでとりあえず自分で始めることにした、というのがそもそもの発端です。第1回勉強会は9月1日に行ったのですが、その直後の9月4日にたまたまタイミングよく開催されたScala座というイベントに参加して、そこで知り合った人を無理矢理勉強会に誘ったところ、彼らが運営にも協力してくれて今に至る、という感じです。

※以前のコラムでも書きましたが、勉強会をやり始めたのは私ですが、いろいろな方々の協力によって成り立っている勉強会ですので、私は「主催者」ではなくせいぜい「運営者の1人」だと思っています。個人的には非常に大事なことだと思っているので再度書かせていただきました。

○Scalaの流れが来ている?

 今年の9月の時点では東京近郊でのScala勉強会は1つも存在しなかったのですが、3カ月経った今では何と3つも存在します。

  • Scala勉強会 in 渋谷
  • WebプログラマのためのScala入門勉強会
  • Scalaを遊ぶ!会

 1つ目は私が参加しているやつですので説明は省略します。2番目は、Scala座で知り合ってScala勉強会 in 渋谷の運営にも協力してくれている方が、初心者向けに新たに立ち上げたものです。最後の1つは、同じく前述のScala座に参加された方(私はまだお会いしたことがないのですが)が、Scala勉強会 in 渋谷の直後くらいに立ち上げられたようです。Scala座ではかなり高度な話題とかも出ていて、「これからScalaを勉強しようと思っている人にとっては入りにくいのではないか。もう少し取っつきやすい勉強会が必要じゃないか」という思いで始められたそうです。

 また、勉強会だけではなく、Scalaが媒体などで取り上げられる回数も以前に比べて増えてきているようですし、最近ではScala関連の本の出版が相次いでいます。

 実際にScalaを使っているシステムやWebサイトも徐々に増えてきていて、来年辺りからじわりじわりと広がっていくのではないかという、かなり確信に近い思いがありますし、そうした大きな動きを実感できる瞬間というのがかなり増えてきています。

■ソーシャルイノベーション

○大きな流れも最初は小さな動き

 そんなことを考えていてふと思い出したのが、以前読んだ『誰が世界を変えるのか ソーシャルイノベーションはここから始まる』という本です。本の詳しい内容は各書評を見ていただきたいのですが、この本では社会を変革した出来事・ムーブメント=ソーシャルイノベーションをいくつか紹介しています。そうした大きな動きですが、どれも最初は1人~数人の小さな活動だったのが、周りの人物をどんどん巻き込んで徐々に大きくなっていき、ある臨界点(本書ではtipping pointと呼んでいます)のようなものを超えると爆発的に広がっていく、という話です。

 Scalaに関して言うと、日本ではずいぶん前から精力的に活動している人が何名かいらっしゃって、そのうちユーザー数が増えていき、日本初(?)のScala関連イベントとなる前述のScala座が開催され、そこに参加した人が新たに勉強会を立ち上げて……という感じでどんどんコミュニティが大きくなっています。また、今回のリッツでは、関西の方が2名ほどScalaに興味を示していて、来年から大阪で勉強会を開催しようという話になっています。

 そろそろtipping pointを超えて爆発的に広がっていく可能性があるScalaですが、前述の通り最初のころから普及活動をしていた人は、それほど多くなかったはずです。

○まずは動いてみる

 大きな流れはいずれも最初は小さな動きです。世の中やある状況がこんな風になればいいな、という思いを持つことは誰でもあるかと思いますが、それと同時に「自分1人の力じゃ何も変わらない」と思ってしまう人も多いことと思われます。

 「世界は、自分が頑張れば動かしていけるものだ」という考えは心理学では「全能感」と呼ばれるようで、俗に中二病などとも呼ばれますが、私はそういうことを主張したいわけではありません。ただ、個人がまったく無力かというとそうではなく、個人の小さな活動が世界を動かす「可能性」があるという認識を持つことは、結構重要ではないかと思います。

 前述の『誰が世界を変えるのか ソーシャルイノベーションはここから始まる』の原題は“Getting to Maybe How the World Is Changed”で、直訳すると「『かもしれない』へ向かって どのように世界が変わるか」という感じでしょうか。世界が動くかどうかは分かりませんが(Maybe)、まずは動いてみることが必要だと思います。

○人とつながる

 『誰が世界を変えるのか ソーシャルイノベーションはここから始まる』では、社会の複雑性を理解してそれを受け入れるということについても書いています。社会・他者との関係性の中で自分も変化し周りも変化していく、自分という存在は社会という系の一部である、という考えも重要なポイントだと思います(この辺の話があまりしっくり来ない方は、複雑系関連の書籍を一度読んでみるといいかもしれません。と書いている私も2~3冊ぐらいしか読んだことはないですが)。

 複雑系では自己相似というのもキーワードの1つですが、人がある人と会ってその人に影響を与え、自分もその人から影響を受けるということは、社会変革のプロセスの一番小さいバージョンである、というのは言い過ぎでしょうか。人と会って影響を与え合うというのはそのぐらい重要なことだと私は思っています。

 人が集まるということは、本当に大きな力を生み出す「可能性」があります。今回のリッツは第2回でしたが、第1回は主催の森姫さんがいろいろ動いてくださり、また編集部の方なども巻き込んで、アイティメディアの会議室をお借りして開催されました。そこで生まれたいい流れを継続して、第2回は関西方面の方々がいろいろと動いてくださり、神戸にて無事に開催されました。

 他のコラムニストの方たちとは、何名かはTwitter上で絡んだりということもあったのですが、今回初めてお会いする方が半分以上です。そうした方々との新しい繋がりというのは、直接的か間接的かは分かりませんが、今後の私の人生にいい影響を及ぼすものと思います。

 また、前述の通り、今回の集まりによって関西に新しいScala勉強会が立ち上がりそうな気配です。人と繋がることによって新たな小さな動きが生まれた実例と言えるでしょう。

■まとめ

 そろそろまとめます。世界を動かすためには、まずは動き始めること、そして人とつながることが必要条件だと思います。

 もちろん世界が実際に動くかどうかは分かりません。行動したとしても動くかどうかはmaybe (or maybe not)ですが、もし動かなければ決して動きません(never)。何かを変えたいのならまずは動いてみてはどうでしょうか。

 人とつながると、すごいことが起きる可能性があります。何かを変えたいと思っている人は、機会があればそうした場・コミュニティにどんどん参加してみてください。そうしたコミュニティがなければ自分で作るのも1つの手段だと思います。

 そうしたコミュニティ活動が世界(は大きすぎとしてもIT業界)を変えるとしたら、そして自分がそれにかかわれるとしたら……面白いと思いませんか。変わるかどうかはMaybeですけど。

 最後になりましたが、今回出会いの場を作ってくださった第2回リッツの幹事の皆さまに、この場を借りてお礼を申し上げます。ここから何か新しい動きを作っていきたいですね。>参加者、そしてコラムニストの皆さま

 それではまた次回。

■補足

 Scala勉強会 in 渋谷にご興味のある方は、ぜひお気軽にご参加ください。詳しくは勉強会のWikiで。

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