マウンティングされたときの対処法
この業界で長いこと働いていると、まぁ色々な人と出会います。その中の一つに、少しでも自分を優位に見せたがる、いわゆるマウンティングしたがるタイプの人たちがいます。今回のコラムでは、マウンティングしたがるタイプの人に遭遇したときの対処法について語っていきたいと思います。
マウンティングとは、
・動物が自己の優位性を示すため、相手に馬乗りになること。
・人間同士の見栄の張り合いによる格付けの例え。
ウィキペディア(Wikipedia)
とあります。人間に置き換えての例えも表記されていましたが、本来は動物の世界で利用される用語のようです。ようするにマウンティングとは、限りなく生物の本能に近い行動の一つなのでしょう。いわゆる理性的な行動とは対極にあるといえます。
ビジネスの世界で勝つためには理性が必要です。本能だけで勝てるほど甘い世界ではありません。すぐにキレる人ってどの組織にもいると思いますが、まず例外なく軽んじられています。関わると面倒なので、みんなそれなりに愛想はしてますが、重要なポジションには付けません。本能だけでは勝てないというのはそういう事です。自分自身の価値や影響力を高めるには必ず理性が必要です。
語るのも恥ずかしいイタイ経験
良い機会なので、過去にぼくが体験した恥ずかしい話をしましょう。社会人2年目の頃のぼくはかなり調子に乗ってました。小さい会社だったので、今で言うところのフルスタックエンジニアだったと思います。その中でもネットワーク知識には自信があり、入社後すぐに某ネットワークベンダーのエントリー試験に合格し、それなりの実践も積み上げて、小さすぎる社内では敵なし、、だと思ってました。
そんなある日、クライアントのネットワークトラブルに呼び出され、原因箇所の特定を急いでいました。現場で色々とやったものの原因を特定することは出来ず、結局問題を解決したのは、ぼくが散々マウンティングし続けてきた気弱な先輩でした。語るのも恥ずかしすぎるほどのイタイ経験から、マウンティングの無意味さを教わりました。仕事の実力と優位性は全く別物です。いまから20年前の話ですが、思い出しながらコラムを執筆するだけでも、脇汗が吹き出すほど恥ずかしい出来事でした。
マウンティングする側の心理状態
人はなぜマウンティングするのでしょうか?マウンティングする側の心理状態を考えてみると正体が見えてきます。その正体とは、「コンプレックス」です。ぼくの場合だと、本当はもっと大規模なIT企業で活躍出来ると思っていた理想から、社員数人の弱小ベンダー入社という厳しい現実。「こんな中で1番になれないでこの先に明るい未来なんて無い」との思い込みから来る焦り。それがいつの間にか「コンプレックス」となり、気弱な先輩にマウンティングしてしまっていたのです。「弱い犬ほどよく吠える」とはよくいったものです。
ちなみに、いまぼくの周りには、クライアントの経営陣や幹部社員が多くいらっしゃいますが、マウント合戦は見られません。そこには驚くほど整った秩序があるだけです。おそらくそんな小さなコンプレックスなどを克服してきた方たちがこのポジションまでたどり着いたのだと思っています。湧き上がる本能を理性で抑える事が出来なければ、ビジネスの世界で勝つことが出来ないとは上述の通りです。
というわけで、マウンティングされたときの対処法ですが、ムキになって付き合わないのが正解です。つい感情的になって張り合おうとしてしまいますが、マウントを取られたところで何も失いません。上述の通りマウンティング行為は、満たされない弱い気持ちの表れです。仕掛けるのも応酬するのも、器のサイズが見透かされるだけで無益です。仕事の実力と優位性に因果関係はありません。
そもそも本当に実力があれば、マウンティングなんてする必要がありません。黙っていても周りが認めてくれるので優位性が担保出来ます。謙虚になった方がカッコイイです。もしもマウンティングされたのならば、それはそれでチャンスです。マウンティングされても応酬せず受け流す。実力者のそんな姿を周りが見た時、さらにその価値が高まるものなのです。
コメント
えーすと
興味深いコラムでした。
というのも同期にそういう奴がいて、
あまり関わりたくないのですが、
そういうわけにもいかず悩んでました。
もう気にしないことにします。
勝ち逃げ先生
えーすとさん
はい。おっしゃるとおり気にしないのが1番です。マウントの取り合いは、勝っても負けても得るものはありません。今回のコラムでは言及してませんが、大きい仕事をこなすには基本的な人間力が求められます。彼(彼女?)がその事に気づいてくれることを祈ってます。
たいき
丁度思い悩んでいたとこです。ありがとうございます!
勝ち逃げ先生
たいきさん
こちらこそ。少しでもお役に立ててうれしいです。