ITエンジニアとして時流に乗って高年収を掴み取り、勝ち逃げ人生謳歌に特化した戦略コラム

戦略ゲームで勝つ方法をそのまま実生活で使うと人生がイージーモードになる件

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ゲームの理論「囚人のジレンマ」

ゲームの理論で有名な「囚人のジレンマ」一度は聞いたことがあると思います。簡単に説明すると、強盗で捕まった二人組の囚人が別々の部屋で取り調べを受けます。

・囚人Aだけが罪を認めたらAは釈放。囚人Bは懲役10年(A,B逆もある)

・お互い罪を認めたら、それぞれ懲役5年

・お互い黙秘を貫いたら、それぞれ懲役1年

囚人B(認める) 囚人B(黙秘)
囚人A(認める) 懲役5年 A:釈放/B:10年
囚人A(黙秘) A:10年/B:釈放 懲役1年

二人の囚人から見た時、お互いがWIN-WINになれるのは、事前に結託して二人が黙秘をすることです。成功すれば二人とも懲役1年でムショとはおさらば出来ます。しかし、ことは簡単には行きません。囚人を1個人の視点で見ると、事前に黙秘しようと約束をしておきながら、自分が自白すれば、自分だけは即釈放となります。裏切ることで利益を得る「悪人戦略」ですね。まじめに約束を守った側は痛い目にあいます。

ビジネスシーンにもよく見られる囚人のジレンマですが、実社会ではこの例のように、1回きりのやり取りということはありません。同じ相手とも半永久的にゲームが続いていきます。ようするに、1回目のゲームで選択した戦略が、2回目のゲームの戦略に影響を与えるわけです。1回勝つだけに集中するのではなくて、長期的に勝つ戦略を練る必要があります。そしてこのゲームは、一方が勝つと一方が負けるゼロサムゲームではありません。双方勝つこともあれば、双方負けることもあります。したがって、双方勝利を目指すのが基本戦略となります。

最強戦略は「しっぺ返し戦略」

この繰り返し型の囚人のジレンマに関して、ロバート・アクセルロッド博士による、興味深い実験があります。

1980年、繰り返し型の囚人のジレンマに関して、様々な分野の研究者からゲーム戦略を募集し、コンピュータープログラムとして総当たり対戦を行った実験(Wikipedia引用

このゲームに初代優勝したプログラムは「しっぺ返し戦略」をとったプログラムで、第2回大会も「しっぺ返し戦略」が優勝しました。

「しっぺ返し戦略」とは、最初は相手に協調的に接し、2回目以降は、前回相手が選択した戦略を選択するというシンプルなロジックです。1回目で相手に裏切られたら、2回目のゲームでこちらは、裏切りを選択します。相手が終始協調戦略であれば、こちらも協調戦略を続けWIN-WINを継続できるというカラクリです。

最近では研究がさらに進んでいるようで、裏切り戦略をとられても、「たまに許容する」とさらに勝率が高まるなどあるそうですが、ぼくは純粋な「しっぺ返し戦略」が好きです。なぜならば、非常にシンプルなロジックであり、実生活でも活用しやすいからです。

実生活での例

実生活でも「しっぺ返し戦略」は使えます。相手から裏切るまでは協調姿勢は崩れませんので、相手が裏切らない限りどんどんポイントはたまります。しかし残念ながら、裏切り戦略を交えてくる輩がいるのも事実です。こういう相手には容赦なく制裁を加えるのが「しっぺ返し戦略」であり、勝者の理論なのです。

ぼくが新米管理職だったころ、新たな配属先での業務が分からずに、部下の若い子に教わっていました。その子は、業務を色々と教えてくれたものの、ぼくのいないところで悪口を言ったり、そんな内容のメールを色々な人に送ったりしていた事がぼくの耳に入りました。というか、そのメールを他人づてで手に入れたのです。

とても残念な気持ちになりましたが、部下が相手と言えども、ビジネスゲームで勝つためには「しっぺ返し戦略」を取らざるを得ません。半年に一度の評価査定があり、それぞれの能力により3段階評価をするのですが、仕事遂行能力は「+(プラス)」としましたが、協調性の項目は「ー(マイナス)」となるわけです。一つでも「ー(マイナス)」があると、昇進や昇格はありません。昇給や賞与も最低限のレンジになります。もともと協調性に難がある子でしたが、この件を機に救うのを止めたのです。

彼は、面と向かっては「頼りになります。尊敬しています。」という姿勢を崩しませんでしたが、相変わらず陰口やメールは収まりませんでした。しかたがないのでぼくも「期待してるよ。次は昇格出来るといいね」と言っておきながら、「ー(マイナス)」をつけ続けることになります。

ちなみに、これはパワハラではありません。「態度を改めないとマイナス評価にするぞ」と脅すとパワハラになりえますが、ぼくは、そんなことは口が裂けても言いません。なにも言わずに、正当に与えられた権限を行使するのですから、パワハラよりも怖いかもしれませんが、しかしこれも彼が選択した戦略と同じ戦略をとった結果なので仕方ありません。そして周りの同僚たちも、仕事が出来る彼がいつまでも昇進や昇格が出来ないのを目の当たりにすると、自ずと選択する戦略が決まってくるのだと思います。この出来事は、裏切り戦略の抑止力にはこの上ない力を発揮してくれました。

基本は協調姿勢で

少し古い話をしましたが、実生活でも「しっぺ返し戦略」は使えます。ロジックが簡単だから扱いやすいのです。「やられたら倍返しだ」のドラマが今春復活するそうですが、やられたらやり返すことも、ビジネスゲームに勝つためには必要な戦略なのだと思います。しかし、あくまでもビジネスゲームの基本戦略は協調戦略です。協調的な相手にはつまらない小細工などせず、ひたすら協調的に接すると人生はイージーモードになります。ビジネスゲームでは、双方が協調的な姿勢を取り続ければWIN-WINの関係を維持できるゲームなので、高年収ITエンジニアを目指すなら、自分から協調姿勢を崩さない方が吉かなと思います。

Comment(10)

コメント

おたみ

上司に対して(あるいはパワーバランスが上位にあるものに対して)「しっぺ返し」を行った経験はおありですか?

勝ち逃げ先生

おたみさん

他の読者の方にも役に立ちそうな質問を頂けたので、回答させて頂きます。


ぼくも色々なパターンの上司にめぐりあいましたが、一番印象に残っているのは、無能な上司への仕返しですかね。能がないのにネチネチしてくるタイプの上司で、経営陣へのトラブル報告を全部ぼくに丸投げしてきたところで、堪忍袋の緒が切れました。現場のリーダーと結託し、報告の最中にタイミングよく携帯電話を鳴らしてもらい、緊急のトラブルで呼び出されたことにして報告会の席を離れ、経営陣のど真ん中に上司を置いてけぼりにしてやりました。もちろんトラブルはダミーですw。スカッとはしましたが、発展性はありませんでした。その後の抑止力になったかと言えば微妙です。なのであまりおすすめしません。


長くなりましたが、じつは、そんな手の混んだ事をしなくても上司の攻略は簡単です。シンプルに弱点を突けば良いのです。パワハラ系や責任転嫁系なら、さらに上の上司や人事部や法務部に通報する。無能系なら、実力で黙らせる。そのあたりですかね。たまに正論を武器にネチネチ言ってくる上司がいますが、その攻略法は長くなるので、次回のコラムのネタとさせて下さい。


まぁ完璧な上司なんていません。協調姿勢の上司ならば、その弱点を補ってあげて下さい。そうでなければそこを突く。それだけです。

おたみ

勝ち逃げ先生さん

ご回答ありがとうございます。
ネチネチ上司の攻略法も期待しております(笑)

やはり力関係が上位の相手に対して「しっぺ返し」を行うのはかなりのリスクと労力を伴うのでしょうね。
今どうにかしたい相手は発注元(親会社)の担当者という非常に強い立場にいるのでなかなかに悩ましいところです。

s.y

いい記事、ありがとうございます。

勝ち逃げ先生

おたみさん

基本的には同じ戦力か、せいぜい直属の上司くらいまでですかね。発注元とケンカしていい事なんてありません。その担当者と戦うのではなくて、逆に御用聞きに徹するのはいかがでしょうか?短い文章だけではその方との関係性が分かりませんが、おそらく他の同僚も担当者を毛嫌いしてるのでしょう。そんな中、おたみさんだけが懐に入り込んで、徹底して担当者の御用聞きになって助けてあげるのです。普通は返報性の原理が働くので、うまくいけば、他の同僚たちとの駆け引きの中で、その担当者との調整ごとを切り札として使う事が出来ます。担当者も含め、全員winになる可能性の秘めている戦略です。


>ネチネチ上司の攻略法も期待しております(笑)
正論を武器にするネチネチ系は、どうせ仕事が出来ないので、その辺を丸裸にしていきたいと思います。来週かな。

勝ち逃げ先生

s.yさん

>いい記事、ありがとうございます。
記事を読んで頂きありがとうございます。素直にうれしいです。励みになります。


コラムなので、エンターテイメント性を見失わないようにしつつ、物事の本質が伝わる記事の作成を心がけていくつもりです。引き続きよろしくお願いします。

おたみ

勝ち逃げ先生さん
>逆に御用聞きに徹するのはいかがでしょうか?
しばらくはその方向でやっていましたが、
際限がない方のようでその方の一人勝ちの様相になりました。。。

勝ち逃げ先生

おたみさん
そうでしたか。。。
当事者じゃないので、うかつな事を言うのは控えますが、下に強気な奴は上には弱いので、さらにその上司を巻き込んでみるとかですかね。発注元とはいえグループ会社ならば、やって出来なくはないので素直にその方に相談してみるのが良いかもしれません。そもそも関わらなくて済むのであれば、関わらないのが一番ですけどね。

あああ

全てのレイヤーを統合すればそれでいいのかもしれないし、
この方の世界ではそれでいいんだろう。

けれども、
業務レイヤーとプライベートレイヤーを分けるのであれば、
この方は業績成果で+をつけるべき。
そして、プライベート領域で陥れるようにする。というのがしっぺ返し。

この方のやっていることはただの裏切り戦略。
次に部下の方が行うことは、仕事でのしっぺ返しであり、教えるのをやめること。

仕事レイヤーで評価すれば、この方のやっていることは負け負け戦略に過ぎない。
会社はこの方を首にするのが吉。きちんと仕事教える部下を低評価してるだけだもの。

勝ち逃げ先生

あああ さん


>この方は業績成果で+をつけるべき。
本文に記載の通り、仕事の遂行能力は評価してますよ。


>そして、プライベート領域で陥れるようにする。というのがしっぺ返し。
どこからプライベート領域に話がすり替わったのかは分かりませんが、
業務時間内に会社のメールを使って、同僚を巻き込んでいるのですから
仕事のレイヤーで評価せざるを得ません。


あと、参考までに知っておいて頂ければと思いますが、
一人の管理職の評価だけで全てが決まるなんて、ふつうはありえません。
そして評価は必ず本人にフィードバックされます。
ようするに彼の評価は、ぼくの独断ではないという事と
彼の業務態度が改善されなかったことが伝わればと思います。

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