ordinary -何てことない- 普通のエンジニアが書くコラム。

生成AIを仕事に使う時に必要な力(ちから)

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みなさま、おはようございます。Kyonです。

11月に入って、急に冷え込んできましたが、みなさま体調がいかがでしょうか。

私は、秋の花粉症で夜に鼻詰まりがちなこと以外は、かなり元気です。

先日、数年ぶりに東京出張に行ってきました。気象予報とにらめっこして、服装を考えましたが、東京の方がちょっぴり暖かかったです。日本は東西南北にびよーんと長くて、各地の気温差・天候差があるので、出張等移動する際は服装選びが難しいなぁと感じました。

さて、生成AIの話が続きます。前回は、生成AIをちょっとした相談に使ってみたお話でしたが、今回は仕事で使う時に必要かもと感じたことについて書きます。

前回:『生成AIに新しい捉え方を教えてもらった話』

AI統合開発環境を使ってみました

先日、Amazon KiroというAI統合開発環境を使う機会がありました。

Amazon Kiroとは、AWSが開発したAI統合開発環境です。特徴は、「仕様駆動開発」というアプローチで開発を支援してくれるというものです。

※Amazon Kiroの詳細についてはご自身で調べてみてください。今回の本筋とはずれてしまうので、言及はしません。

AI統合開発環境を使ってみると、自分がAIに指示を出すために文章を書いたり、AIが生成してくれた仕様書を読んだりすることが必要でした。この体験から、生成AIを仕事に使う時に必要な力があるなぁと感じました。

具体的には次の通りです。

文章を書く力(ちから)

まず、必要だと感じた力は『文章を書く力』です。

どのようなAIを使う場合でも、人間がAIに「こんなことをやって」と指示を出す必要があります。その指示は、AIに理解してもらえるように文章で書く必要があります。

自分がやってほしいことをAIが理解しやすい書き方で指示を出す必要があるわけです。ここで「文章を書く力」が必要だと感じました。

これは人間に対して何かを頼む場合でも同様ですけど、相手に伝わるように指示を伝える必要がありますよね。

人間相手だと、表情を見て「何か引っかかることがありそうだな」と分かれば「気になることある?」と聞いてみたり、相手にとって理解しにくい場合は「〇〇についてもっと詳しく説明してほしい」と言われることがあります。

AIの場合だと、表情は無いですし、自発的に「〇〇が理解できなかったから、もっと詳しく説明してほしい」と言われることは無いと思います※。自分が最初に与えた指示をAIなりに解析してアウトプットが返されるはずなので、自分が求めるアウトプットではない可能性もあるわけです。

※自発的に「〇〇が理解できなかった」だから「〇〇についてもっと詳しく説明してほしい」というレスポンスは無いという想定です。でも、私が仕事で使用しているCopilotの場合は「〇〇について考慮しますか?」というAIからの問いかけがあったことを補足しておきます。

自分が求めるアウトプットをAIに返してもらうには、AIにとって理解しやすい言葉のチョイスや言い回し、フォーマットを使った文章を書けるようになる必要があるわけです。

もちろん、ここで言う文章を書く力は、ビジネスライティングの習得にも通じていると思うので、試行錯誤や繰り返しの練習によって、精度は向上していくと思います。1回で完璧なアウトプットを目指す必要はないですし、それは難しいことです。指示を追加したり、言い回しを変えたりして、求めるアウトプットを返してもらえるようにしていくためにも、様々なパターンでの文章を書く力を付けていきたいものです。

文章を読んで理解する力(ちから)

次に、必要だと感じた力は『文章を読んで理解する力』です。

AIに人間が指示を出すと、AIは何らかのアウトプットを返してくれます。それは画像の場合もあるし、ソースコードや文章の場合もあると思います。ここでは文章に焦点を絞りますが、画像でもソースコードでもそれらを理解する力が求められると感じました。

冒頭で紹介したAmazon Kiroで体験したケースでは、「既存システムに機能Aを追加して」と指示を出したところ、機能Aについて、どこでどのように実装していくかを仕様書に書き起こしてくれました。人間側はその仕様書を読み解いて、自分が求めている機能Aについて、正しくKiroが理解してくれているのかを確認する必要がありました。

人間相手でもレスポンスやアウトプットを見て理解して、自分の想定と齟齬が無いかを確認して、フィードバックをすることはあります。人間相手とAI相手には決定的に違うところがあると感じました。それは、スピードと量です。

人間相手からのレスポンスは能力差はあったとしても、人間的なスピードです。でもAIはすごいスピードと量でレスポンスを返してくれるので、場合によっては大量の文章を読んで理解する必要が出てきます。そういう点を認識しておいたほうがよいですね。

生成AIを仕事に使う時に必要な力(ちから)

仕事でAIを使ってみて、必要だなぁと感じた力(ちから)について考えてみました。

まだ仕事の大半でAIを使っているわけではないので、これら以外にも見落としている力(ちから)はあるかと思います。それについては、さらにAIを活用していく中で気付いたり見つけたりできたらいいなと思います。

このコラムを書いているうちに、エンジニアの師匠とも言えるまつもとゆきひろさんが、AI時代のエンジニアに必要なスキルについて書かれた記事が公開されていたので、こちらも貼っておきます。まつもとさんは巨匠すぎるので私のコラムは足元にも及びませんが、それぞれ違う視点なので、どっちも読んでみて、「自分だったら、何が必要だと感じるかなぁ」とか考えてみるのも良いかもしれません。

『Rubyの父 まつもとゆきひろさんが示す、AI時代の若いエンジニアに必要な"4つのスキル"』

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