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新人研修の季節

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 はじめまして、エディフィストラーニング(旧NRIラーニングネットワーク)でITトレーニングを行っている、阿部直樹と申します。

 このたび、@ITエンジニアライフで、コラムを書かせていただくことになりました。 

 わたしは主に、マイクロソフト認定トレーナー(MCT)としてマイクロソフト認定コースを担当していますが、その他にネットワークやセキュリティ関連のトレーニングも行っています。また新人研修にも携わっています。

 このコラムでは、いままでわたしが経験した出来事や感じたことを書いていきたいと考えています。

 今回は、新人研修を行うITトレーナーの視点から、いままでの経験を踏まえてどのように新人研修を行っているかを述べていきます。

■新人研修は、彼らの特徴を知ることから始まる

<意識付けを行う>

 多くの企業において、新人研修のスケジュールは、ビジネスマナーやリテラシー教育など、社会人としての基礎知識習得から始まります。その後に専門的知識の習得という流れが一般的です。IT研修は新人研修の一環として行われますが、専門的知識の分野に入ります。

 早いところでは、4月後半くらいから始まります。彼らはまだ現場には配属されておらず、研修しかしていません。そうなると、毎日が研修というパターン化された日々を送ることになります。そのような環境が続くと、得てして学生気分が舞い戻り、「やらされてる感」が強くなる傾向にあります。

 そこで、研修を受けさせてもらい、なおかつお給料までもらっている現在の状況を再確認していただくことがあります。このような意識付けをしっかりと行いながら、研修に取り組むことが大事です。

<休憩は1時間ごと>

 一般的な研修と異なり、新人研修では講義時間の配分を変更することがあります。これは、以前行った新人研修のアンケートでのフィードバックから考慮するようになりました。

 そのアンケートには、講義時間が長すぎてトイレに行きたいのに行けなかったと書かれてありました。

 わたしの本音としては、「生理的な現象なら、講義途中でも一旦退席して済ませてから戻ればいいだけでは?」と思ったのですが、ここで考えてみました。

 わたしが担当する一般的な研修では、約1時間半ごとに1回の休憩を入れています。その休憩中にリフレッシュしていただければいいと考えていました。しかし、彼らの中には1時間半という時間は、集中力が続かない方もいるという事実です。このようなことを踏まえ、新人研修では1時間に1回の休憩を入れることによって、効率的に学べる環境を作ることを心がけています。

<専門用語はなるべく使用しない>

 IT業界では当たり前のように使用する用語があります。たとえばハブやスイッチ、NICなどです。トレーナーとして経験が浅いころアンケートに「分からない言葉で説明されても分からない」と書かれたことがありました。その当時は、生徒が何が分からないのかが分かりませんでした。

 しかし、その後数多くのトレーニングをしていくと気付かされたことがありました。それは、わたしには当たり前の言葉でも、彼らは初めて聞く言葉なんだということです。当然のことだと思われますが、これが分からなかったんです。そのとこに気付いてから、説明する際にはなるべく専門用語を使用せずに、身近な言葉を使用して説明するように心がけています。

 例えば、ネットワークのトレーニングではDNSの説明をすることがあります。これが通常の講義だと、「ホスト名をIPアドレスに変換するための仕組みです」で済むのですが、新人研修では、

 「コンピュータには名前が付いていて、インターネットの世界ではその名前をホスト名といいます。ブラウザでホームページを見るときには、そのホスト名を指定します。しかし、コンピュータ内部ではIPアドレスというネットワークの住所が必要になるのです。そこでコンピュータの名前とネットワークの住所のひも付けを行うのがDNSになります。要するにネットワークのタウンページの役割を行うのがDNSです」

と、かなり噛み砕いた説明を行うようにしています。

 これがすべてではありませんが、以上のようなことを踏まえながら新人研修を行うよう、心がけています。しかし、実際に現場に入って業務をこなしていく過程で成長していくので、年度後半ではあまり意識せずに研修を行っていけるようになってきますね。

■その他の課題

<質問は恥ずかしいことではない>

 新人研修では、通常の研修よりも噛み砕いて説明することが多くなります。しかし、それでも理解できないこともあると思います。やはり、人それぞれ理解するスピードは今まで置かれてきた環境にも依存することがありますので仕方のないことです。

 その場合は質問していただければその場でお答えするか、個別対応などにより理解していただくよう努力します。しかし、中には質問することが恥ずかしい、めんどくさいと思う方がいるのも事実です。

 多くのトレーナーは講義の節目に、生徒に対して質問の有無の問いかけを行います。そこで現在の理解度を図っています。何か疑問があったらぜひ発言してください。決して、質問は恥ずかしいことではありません。

<アンケートはやっつけではなく正確に>

 新人研修に限ったことではないのですが、研修終了後にアンケートに答えていただいています。わたし自身もそうなんですが、研修終了後は解放された感があって、「アンケートはめんどくさいな~」なんて思うことがあります。しかし、このアンケートはトレーナーへのフィードバックとなり、研修がうまくいったのかどうかを判断する指標になります。

 ですので、思ったことや感じたこと、なんでも結構ですので自由に記載する欄には記載していただけれると助かります。

 トレーナーはそこで、おほめの言葉がいただけるとやっていてよかったなと充実感が得られます。また、厳しい内容のときは次回に改善できるように対策を練ることができます。

 技術系Blog:MCTの憂鬱<http://naonao71.spaces.live.com/>

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