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プチ・パワハラ講座

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オーバーロード・クライマー現象のツイート連載を開始しました(@ko1hayashi)が、まだまだ遠い道のりなので、前回に引き続き、よく見かける、ちょっと気になる上司部下のコミュニケーションについての雑感です。

前回紹介した「おれは間違ったことを言っているのか?」と同様、私の心に残る台詞(悪い意味でですが…)がいくつかあります。そのひとつが、「おれの言いたいことが何かわかるか?言ってみろ」というパターンです。私もかつての上司から何度もやられましたが、この台詞が出てくるのは、大抵は何かミスをしたときの説教モードのときです。

何が気になるかというと、正しく答えられる見込みがほとんどないところです。私は現在、教育やトレーニングで講師をする機会が多いのですが、そのときに説明した内容の理解を確認するために質問をすることがよくあります。そのときの経験から言うと、自分の思ったとおりの答えをしてもらえることはまずありません。よほど簡単な質問で、よほどうまいタイミングで、よほどうまい聞き方をしたときに限るということです。

圧迫状況下で「おれの言いたいことが何かわかるか?」なんて聞き方をされて、正しく答えられるわけがありません。答えられないと怒りが増すことが予想できるのも厄介です。人によっては、繰り返すこともあります。アルゴリズムで書けば次のようになります。

"おれの言いたいことが何かわかるか?言ってみろ。"と言う;
こたえを聞く;
"ちがう"と言う;
while (まだ気が済まない) {
    "もう一度よく考えて言ってみろ"と言う;
    こたえを聞く;
    "ちがう"と言う;
}

そもそもミスをしてへこんでいるところに、これをされると本当につらくなります。加えて指摘すると、基本的に質問者主導の後出しになっているので、答えが正しくても、あるいは、質問者があらかじめ答えをもってなくても、「ちがう」と言えるということも覚えておきましょう。要するに誰にでもお手軽にできる「プチ・パワハラ」なわけです。

書いていると、なんとなく、パワハラの指南をしているようにも見えかねませんが、私の意図は、あくまで被害者にならないための心理的自衛策の提供にあります。この状況に追い込まれたら耐えるしかありませんが、上のアルゴリズムを思い出して、何回目のwhileループになるかカウントするくらいの心理的余裕を持って臨みましょう。

P.S. ちなみに、気付かれた方はいるかもしれませんが、今回は前回と違って、「です・ます」調になっています。レクチャーモードは「です・ます」調、雑感モードでは「である」調が良いかと思って、前回はやってみたのですが、書いていてあまりしっくりこなかったので、今回は方針を変更しています。

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