開発言語と、通販対応配送センターERPの開発者の視点を中心としたコラムです。

人工知能から考える現代の必須スキル「調査分析能力」の付け方

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 皆さんこんにちは、起業もできるコンピュータ言語開発者を目指しているi3planetの飯塚です。世の中には、さまざまなスキルがありますが、どの職種にも共通するスキルであり、仕事をしたときに出すアウトプットに最も大きく影響するスキルは、「調査能力」だと最近非常に感じるようになりました。

■さまざまな仕事をすると見えてくる共通点

 筆者は、根本となる仕事は、開発のフレームワークや言語の開発など、IT関連のデベロッパーです。しかし、それだけでは起業はできないため、マーケティングや営業活動、業務用ソフトウェアの仕様決定や要件定義など、幅広い仕事を行っています。

 そうした中で、非常に感じるのは、営業でさえ、プログラムを作るのと頭の使い方は同じなのではないかということです。そして、その共通点こそが「調査能力」と「分析能力」だと感じるようになりました。

■調査分析に必要な論理的思考は感情との戦い

 一見、論理的思考というと、感情や精神論とは無関係に思えるかもしれませんが、実はそうではありません。むしろ、精神論が中心なのではないかと思えるくらいです。

 論理的思考というのは、むしろ、誰もが持っているベーシックな頭脳の働きです。感情と無関係な機能です。そして逆に、まっさらな機能の上に感情が入ってきて本来の動きを阻害してしまうという方が多く、その感情による副作用をいかにに抑えられるかが論理的思考の能力だと思います。

 人間は、自分に都合のよいものを見て都合の悪いものは見て見ぬふりをしたがる性質があります。これは、本当に根深いものです。論理的思考の追求は、常にこの性質との戦いです。

■なぜ、思考を途中でやめてしまうかを人工知能から考える

 なぜ、このような性質があるかというと、それは、われわれ人間にとって必要だからです。人工知能では、勉強した経験がある方ならば、ポピュラーなことなのでご存じだと思いますが、α-β法というものがあります。これは、思考のツリーで、考えなくても良いと思った枝をカットしていく手法です。

 思考というのは、将棋や碁をイメージしてもらうと分かりやすいですが、ツリー構造を取っています。最初の一手があり数パターンあります。そして、最初の一手の先の二手目がまた、それぞれの一手目の先に数パターンあり、三手目というように、ツリー構造がどんどん指数関数的に広がっていきます。

 コンピュータも人間もすべてのパターンを考えることはコスト(=計算の手間)がかかりすぎてできませんから、いかに効率よく「考えなくて良いもの」を判断し、そこから先の枝葉は切り捨てるといったことが必要なのです。しかし、ときにはこれが副作用になってしまうのです。

■頭で分かっていても体が動かない

 何かを身に付けようとしたときに、頭で分かっていても体が動かない、または、やるべきことに気付けないということは多々あると思います。特に後者の方が深刻で、むしろ自分の弱点に気付くことさえできません。したがって、スキルアップが難しく、どんどん泥沼に陥り、都合のいいように使われるだけになってしまいます。

 特に、新しいことを行う際には非常に大きな抵抗があります。新しいこと、知らないことは自然界の動物にとって、危険なことですから、本当に必要な時以外は生き延びるために、後回しにして、既存の成功例があるところを無難に組み合わせてなんとかしようとするのは、動物として自然なことです。

 しかし、人間の世界はもう、自然ではありません。社会はインターネットの発達などによってグローバル化し、競争も激化していますが、それ以上に、自分に対する脅威が自然と違って直感的に分かりにくいものになってきています。ビジネスで負けても、肉食動物に襲われたのと違い、別にすぐに死ぬわけではなく、徐々に分かりにくい形で追い詰められていくのです。

 論理的思考は、われわれ人間が、実際に現実の世界で自分の運命を切り開くためのツールです。現実の行動に思考が結びつかなければ、思考の意味がありません。そして、うまく、思考ツリーの枝切りの方法をチューニングして、動物の限界を突破することが必要です。

■一番よい方法はリラックスして目的を持つこと

 論理的思考を鍛えるのに、一番よい方法は気楽になることです。気楽になれば、自分の弱点も素直に受け入れて、どうやったら、あたらしい方法に気づけるかということをゲーム感覚で考えられるようになります。 逆に、「私はこれだけ勉強しているんだから、これが出来ないとおかしい」などど、先に無理やり結果を定義してしまって、ある種の根拠なきプライドを持ってしまうと、自分の弱点が心理的な盲点になってしまいますから、これは、一番の逆効果です。

 そして、目的を持つことが大事です。何かを勉強するときには、目的がないとやはりやる気になれません。しかし、目的の達成をあまりにシビアにとらえすぎると、副作用で「できなければ終わりだ」的な「無理やりな結果の脳内定義」が行動や思考より先に発生してしまうので、リラックスが必要です。

 真剣に目的を持つこととリラックスする事は相反することなのですが、この2つの要素を頭の中に同居させることが、調査能力や分析能力をつける上で必要です。

■まわりの人の心理的盲点をマーケティングに活用しよう

 世の中は、自分も含めて「頭ではわかってはいるけど、実際は違う」というようなことばかりです。これは、やはり、根本的な人間の性質からくることだと思います。むしろ、できないことのほうが普通なのです。そういう意味では、人間は、まだまだ動物なのです。

 ですから、調査、分析能力に関しては、何か一つでも克服して周りの人が気付けないようなことに気付けるようになれば、それは非常に大きな進歩です。この、気付きが重要です。調査・分析で結果を出すということを、より、感覚的に分かりやすい言葉で表現するならば、それは、「気付く」という言葉になります。

 気付くというのは、勉強や知識を得る系のキーワードの中では一番ハードルが高く、一番高価が大きいものではないでしょうか?「売り方に気付く」「売れるものが何か気付く」、これだけでも非常に大きな前身があり、起業に具体的に結びつくものです。 そして、周りの人が気付いていないけれど、自分は気付いているという情報を蓄積していけば、それは、確実に売れる商品に結び付いていきます。

 きっと、われわれのまわりにはいろいろな起業のネタが本当はあるのです。多くの人が気付いていないだけです。どうやったら、そういうネタをキャッチできる脳みそ自分の中に育成できるか考えるのもなかなか夢のある話だと思いませんか?

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