開発言語と、通販対応配送センターERPの開発者の視点を中心としたコラムです。

技術者とマーケで目指す「すごい総合マーケティング事業運営」

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 会社経営において、マーケティングは非常に重要な要素を占める活動です。しかし、マーケティングは、今の時代、最も難易度が高い業務だといえます。

 特に、これから小資本かつ少人数で起業をするためには、競合がいなくてニーズがある「ブルーオーシャン戦略」は必須です。このブルーオーシャン戦略を具体的にどのように実行すればよいかに関しての筆者の考えを今日は書こうと思います。

■ブルーオーシャン戦略に必要なものごと

 ブルーオーシャン戦略に必要なのは次の内容だと考えています。

  • 技術者とマーケティングの適切な役割分担
  • 技術者とマーケティングのビジョンの共有

 この2つがそろって初めて、ブルーオーシャンを発見できる土台ができます。

■技術者は「質」、マーケティングは「量」を担当

 ITのシステム開発において、「下流工程」と「上流工程」が存在します。同様にして、マーケティング・販路開拓でもこれにかなりしたものが存在すると感じています。

 筆者は、技術者ができる内容が「下流工程」で、マーケティングができるのが「上流工程」だと思っています。

 違いがあるとすれば、システム開発の場合は、上流が最初のドライバになるのに対して、技術を武器にする小資本ベンチャーでブルーオーシャンを目指す場合には、「下流工程」が最初のドライバになることです。

 では、なぜ、今回、技術の方が「下流工程」でマーケティングのほうが「上流工程」と位置付けたかというと、それは、「現場」に対する近さでこのように定義しました。

 ただし、あくまでも「似ている」のであって、マーケティングにはマーケティングの現場があり、この点は後述します。

■技術者は「質」を担当

 顧客に対して提案する内容で差をつけるためには、「本に載っていない内容」が必要です。 このような情報は、最終的に顧客に対して動いて使えるシステムを提供する技術者の方が得やすい立場にあります。

 抽象的に物事をとらえるのも重要なことですが、顧客が求めているものは具体的なものです。そして、ブルーオーシャン戦略を実現するためには、それでいて他にないものを発見しなくてはいけません。それができれば、提案で仕事が取れるようになります。

 また、技術者は、顧客の現場で起きている問題を解決する難易度を具体的に知っているので、「まねされやすさ」も具体的に考えられます。

 そして、「砂漠でのどが渇いている人に水を売る」というモデルの種は、筆者の会社の現状では技術チームであるR&D(Research and Development)が作る役割になっています。

■マーケティングは「量」を担当

 筆者がよく読むドラッガーの本では、「マーケティングとはセリングの必要性をなくすことだ」と書いてありますが、これはあくまでも理想論で、技術者が作った製品を欲しがっている人を探して知ってもらうためにはやはり、ある程度の「量」が必要です。

 もちろん、探してくる人のニーズが商品の特徴とマッチしていないといけないということもありますが、質と量でどちらが優先するかと言えばこのフェイズでは量だと思います。

 R&Dでモデルを確立し、売り上げが立ったとしても、まだ、顧客との接触回数が少ないので、一般的な市場でどれだけのニーズがあるかはまだこれからの話です。

 ですから、実際に実験をしなくてはならないという点で、「量」を取ってくることが必要なのです。

■マーケティングの現場はソフトウェアテストに似ている

 マーケティングサイドでも、実は現場力が必要になります。
 特に、

  • 長所の訴えかけ方がこれで通じるか?
  • どのような媒体に情報を流通させれば、ターゲットの人に接触できるか?
  • 媒体や場の特徴を経験から読んで、適切な判断をする

ということが必要です。

 これらの事をトライアンドエラーで詰めていくときには、その方法論を考えて、データの取り方などを具体的に考えながら詰めていかなくてはなりません。

 この作業は、システム開発のソフトウェアテストと似ています。テスト設計を行う技術者は、運用、業務知識、システムの知識など幅広く、そして深い知識が必要で、現場作業ができる人でなくては務まりません。

 それと同様に、マーケティングにおいても現場の作業ができなければ、正しいテストケースを立てられません。具体的には、Webのツールの使い方や記事の書き方や営業現場などの実務経験がある人でなければできない作業です。

 技術者の視点から見ると、これらができる腕のいいマーケッターと組み、そして、マーケッターに対して技術者からの視点を分かりやすく説明して初めて、有効なマーケティング活動ができるのだと思っています。

 技術者が良いパスをマーケッターに出し、マーケッターがそのパスの方向や位置などから最適なシュート仕方を理解して実行するとも取れますし、ソフトウェアテストを外部業者に委託するプロセスにも似ていると思います。

■最後の詰めは、お互いの理解と人間関係

 技術系の起業家は、マーケティングのできるパートナーと組む必要があると思いますが、やはり、その時に重要なのは組む相手との人間関係です。

 筆者としては、人間力というのは、仕事の実力(特に現場力)と相関が高いと思っています。読者の方が企業の際にパートナーを選ぶときには、さきほど書いたような現場力と柔軟な理解力がある方と組むのが良いと思います。

 そのためには「自分も一所懸命、マーケティングのやり方について勉強します」と言い、それを建前としてではなく、本音で歓迎してくれる方にお願いするのが良いと思います。本当に今まで培ってきた実力と、マーケティング技術について追及していく覚悟のある方でなければ、これはなかなか受け入れされないと思います。

 そして、もう1つ、長く付き合える方と組むということも大事です。長く付き合えば、お互い、相手に対する理解がどんどん蓄積していき、これは非常に大きな財産となります。

 その財産が一定水準に到達した時、パートナーとして協業しているどちらが抜けても成立しない活動というのが出てくると思います。この時は、お互いの個性をフルに発揮している最高のパフォーマンスが出せているときだと思います。

 属人性のない業務プロセスは、最低限の成果を保証しますが、最高のパフォーマンスを追求するときには、属人性をフル活用することが大事です。

■筆者の会社ではどうなの?

 筆者の会社では

の2本立てでマーケティング活動を新しく準備しています。

 Alinous-Coreの言語の方は長期的スタンスで、配送センターERPパッケージの方は、現在の収益源として事業を行っています。

 配送センターERPパッケージでの実業で出た、開発現場のニーズをAlinous-Coreのほうで実現したりと、かなり複雑な事業形態になっています。しかし、きちんと技術とマーケティングで理解をし合ってしっかりとやっていけば、すごい事業になると信じています。

まずは、基本に忠実にこつこつと地道に、頑張っていこうと思っています。

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