システム指向とサービス指向
ごぶさたしております。皆さんご機嫌いかがでしょうか、溝渕です。
■最近のIT
Googleのタブレット端末「Nexus 7」の登場や、発売がうわさされる iPadの小型バージョンなど、タブレット端末が話題になっています。
タブレット端末が普及すれば、当然対応したシステム開発も必要となるため、それらの情報には注目しています。
これから発売されるWindows OS搭載のタブレットも含め、どういったものが主流になるか非常に気になる点であり、開発の立場からも可能な範囲で分析を行っています。そうした中、私が受講した「CFPエントリー研修」に1つの気付きがありました。
■着眼点
まず「CFPエントリー研修」とは何? と多くの方がお思いかと思います。
これは国際CFP(R) 組織 FPSB とのライセンス契約の下に、日本 FP 協会が認定している CFP(R) として登録するために必要な研修です。試験科目をすべて合格後に受講することになっており、CFP(R) としては平成24年7月現在約1万8600人が登録されています。
「CFPエントリー研修」ではファイナンシャルプランナー(以下、FP)として活動するにあたり、実務を想定したロールプレイを行います。
そのCFPエントリー研修での気付きですが、ロールプレイで「FPへ相談に来る人はFPとは何かを知らない可能性がある」という話があり、だから相手の理解度によってはFPとは何をする者か説明することも重要であると伺いました。
なるほど。
なるほど、だがしかし、その説明に当たって気になったことがありました。
■似ている……が
IT技術者というのも、今でこそ多少知られるものとなりましたが、場合によってはやはりどういうものか説明が必要です。
こうした点で似ているなとは感じましたが、引っかかりがありました。
ITにおいて、最近では「システム指向」から「サービス指向」への転換が図られています。
独立行政法人情報処理推進機構でも、2009年に情報処理技術者試験の区分「システム管理」が、それを継承する形で「ITサービスマネージャ」試験に改められました。
システムを管理する技術者という視点から、顧客が受けられる IT サービスをマネジメントする技術者という視点に変更されています。サービスマネージャも当然 IT技術者ですが、顧客はどういった ITサービスを享受でき、そのために技術者はどのようにあるべきかとなっています。
ここで、FPについての説明はサービス指向であるべきなのかどうかといった疑問が浮かびました。
■その違い
疑問は浮かんだのですが、私なりにはすぐ結論がでました。
「ITに対して理解の差はあるが、認知は十分進んでいる。その結果、IT って何? ということよりも、それを利用して受けられるサービスに焦点が絞られている」
「FPに対してはそもそも認知されておらず、受けられるサービスを強調すると、怪しさが際立つ」
他人と心を通わせ仲良くなるには自己開示が必要だといわれます。現在ITは社会に対してある程度自己開示された状態と考えられますが、FPはまだ開示が不十分だと考えられます。
これはどちらが優れているといったものではなく、どちらが適切かといった話です。
現在が普及期と思われるタブレット端末においては、さまざまな製品が登場しています。そのコンセプトが分かりやすく前面に出ているものから、想像しかできないものもあります。
しかしもし、どういった意図を持った製品かが分かり、現在タブレット端末に求められる開示の段階まで分かれば、「現在タブレット端末に求められる適切なコンセプト設定」をしている製品を判別できます。
そうなれば、今後の端末シェア予想において有効な情報を1つ得たことになるかもしれません。