【レポート】Windows Developer Days_day 2 ―やっぱりWindows To Goはすごかった
■概要
皆さんご機嫌いかがでしょうか、溝渕です。本日はWindows Developer Days(以下WDD) の、4月25日に行われた2日目についてレポートします。
WDDはWindows アプリ開発者のためのイベントで、今回はWindows 8 が主なテーマとなっています。イベント中さまざまなセッションがあり、その中から選択して聴講します。詳細はWDD公式ページへ。
■2日目を通して
1日目と比べて: 協賛企業の話題が多かったように思います。
服装: 「スーツ:その他」が「4:6」ぐらいだったように思います。1日目に比べてスーツ率が下がった気がします。1日目は様子見もあったのでしょうか。
続いて私が聴講したセッションで印象に残った点です。
■VOCALOID の世界
話題のキーワードがあったので聴講してみると、すごい数の人でした。VOCALOID の仕組みや現状の紹介がメインで、最後にAzure を使った連携の話が少し。他のセッションとは異なる空気で、盛り上がっていました。
■認証/認可
認証/認可テクノロジについての話では、まず認証は本人確認、認可はアクセス権の設定、といった基本的なところから始まり、企業内認証とソーシャルサービスの認証を一元管理できない理由などに続きました。
企業ではユーザーは企業を信頼しているので、アクティブディレクトリで認証・認可とあまり意識することなく必要なサービスを利用できます。
一方、ソーシャルなサービスでは、シングルサインオンなどで認証を一元的に行うことはありますが、各種サービスに対して、自分の個人情報はどこまで出すか自己責任で決定します。「~(サービス名)に○○(部分的個人情報)を提供しますが、よろしいですか」といった問いかけがそれにあたります。
これらの文化の違いから、企業とソーシャルサービスの認証/認可の連携は簡単ではありません。しかし、Windows 8 にはそうした問題の解消を助ける機能があり、これから上手く行く可能性もあります。
Live SDK を使って SkyDriveを実装するというテーマの話においても、認証認可は関連していました。意外と簡単にアプリからSkyDrive を使えるという話があり、これは面白そうでした。
- 1.Windows Liveのデベロッパーセンターに登録
- 2.クライアントIDを取得
- 3.アプリにクライアントIDを埋め込む
- 4.SkyDrive APIを使って各種ファイル操作をする
これでSkyDriveに対して読み書きできるので、可能性が広がります。
■メディアの活用
Windows Azure Platformでの動画配信アプリケーション開発や、ビデオや音声などメディアを活用したアプリ開発、といったセッションでは、配信する様子やコード例を見せてくれました。
総じていえるのは、それだけでメディアファイルを扱えるんだ? という印象を受けたことです。
ハードルが高いように感じるものもありましたが、いざ見てみると難しいものではありません。ちょっとの準備と数行のコードを書けばライブ配信やリモート操作ができる。既に他のOSやWebアプリとしてそうした事は実現されているのでそこが革新的かといわれるとそうではありません。Windows アプリにおいてもできるという点がポイントでしょうか。
■体験コーナー
昼休憩を利用して、Metroアプリ開発体験コーナーへ行って来ました。JavaScriptかC#かを選らんで簡単なアプリケーションを作ってみようというものでした。私はJavaScriptを選択。
Visual Studioのテンプレートが威力を発揮して、マニュアルの想定時間通り20分ほどで作れました。Metro アプリは、テンプレートを上手く使うと、UI部分の作業負荷が下がるので作りやすいですね。
内部のデータバインドも、データをセットすればUI上に反映されて効率が高いと思います。C#版のマニュアルも見ましたが同じような感じでした。
お昼にがっつり開発したり展示をめぐっても、イベント期間中お菓子やジュースを取り放題だったり、ミスタードーナツの無料配布もあって良い環境でした。
■その他
インパクトが大きく、いろいろなWebサイトで紹介されている「Windows To Go」はやはりすごいです。これはUSBメモリにWindowsをインストールして、好きなPC でブートさせてしまおうというものです。
さらにUSBメモリが抜けると一時停止して操作不能になり、少し時間が経ったらシャットダウンしてセキュリティ面も安心。これは気になります。
■まとめ
○Windows 8 ついて
- Windows 7 ベース
- タッチ操作、キーボード・マウス操作、両対応
- x86 とARM をサポート
- ピクチャーパスワードを導入
- Windows To Go を導入
○Windows 8 のMetro スタイルアプリについて
- これまでの言語(C#、VBなどの.NET言語)と、HTML&JavaScript のような言語とどちらでも開発が可能
- Windows ストアによる全世界へのアプリ展開が可能
- PC間、Phone間、それらをまたいだデータ連携が容易
- チャームというさまざまなアプリで共通のアクションを起こせる仕組みがある
- Visual Studio のテンプレートを利用して素早い開発が可能
- HTML 5 & CSS 3 で作られたアプリは移植性が高い(コピペで動くわけではない)
- Windows ストアから配布
- ストアのレベニューシェア(開発者70%、一定規模以上は開発者80%)
- 年間登録費(個人49ドル、法人99ドル)
- ストアに課金システムが準備されている
- 自社課金システムも使用可能
- 試用版の制限をストアのAPIで可能
これらは、Windows Developer Days におけるWindows 8 Consumer Preview の情報であるため今後変更の可能性があります。
それではまた。