組み込み系システムに3年、オープン系システムに7年。徹夜がこたえるお年頃。独身貴族から平民へと降格したホリは、墓場へまっしぐらなのだろうか……。

新婚家庭にデッドロックはつきもの?

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■恐怖のデッドロック■

 デッドロック(Dead lock)とは排他制御の欠陥で、2つ以上のスレッドあるいはプロセスなどの処理単位がお互いの処理終了を待ち、結果としてプログラムが停止してしまうことを言う(Wikipediaより)。

 いきなりこう書くと、「なんだ、ホリ家は排他制御(プライバシーの保護)がされてないのか?」とか、「欠陥だらけでプログラム停止(離婚)か?」なんて思われるかもしれないがそうではない。いたって円満な家庭である。

 仕事ではデッドロックにかなり苦労させられた覚えがある。平穏無事に動き続けたシステムがある日を境に突然ストールする。アクセスが集中する時間帯に突然ストールする。メモリ増強等でも改善できない。初歩的なことだが、“まさか”という思いからデッドロックという原因を思いつかない。灯台下暗しなのである。

■日常にひそむデッドロック■

 実は新婚家庭にもデッドロックは存在する。新婚家庭に関わらず、付き合い始めのカップルでも起こることなのかもしれない。

 ある日の出来事。朝、M嬢(奥さん)は卵がないと独り言のようにつぶやいていた。それを聞いていたホリは、会社帰りにスーパーに寄って卵を買って帰った。しかし、家に帰ると卵はすでに買われていた。その日、ホリ家の冷蔵庫には2パックの卵がおさまっており、明日の夕食はオムライスだと宣言されたのであった。

 また別の日。朝、冷蔵庫を開けると牛乳がきれていた。その日、ホリは会社帰りに牛乳を買って帰ろうとしたが、前回の経験を活かし、電話でM嬢に確認することにした。しかし、電話をしても留守電となった。とりあえず電話をくれるよう伝言を残し、少し時間をつぶすことにした。

 待てども待てどもM嬢から連絡はこない。痺れを切らして家に帰ると、M嬢はホリの帰りを待っていたのだった。実はM嬢の携帯は充電が切れ、ホリが会社へ持っていっていた充電器が必要だったのだ。そうとは知らず電話を待っていたホリ。ホリが痺れをきらさなければ、永遠にデッドロック状態は続いていただろう。

■デッドロックは思いやり■

 お互い、新米夫に新米妻。いくら付き合い期間が長いといっても一緒に暮らすとなるとまた話は別だ。今まで知らなかった一面が垣間見え、新鮮であり、驚きもある。すでに家庭をもつ諸先輩方は経験されたことだろう。

 気心が知れた仲とはいえ、妙なところに気を使ったりもする。やらなくても良いことをやったり、やらなければいけないことをやらなかったり。このドタバタ感は新婚ならではなのだろうか?

 システムのデッドロックは大問題だが、新婚家庭のデッドロックはお互いの思いやりを再認識できるということで、たいした問題ではない。というか、半年に一度くらい起こした方がいいのかもしれない。

 牛乳たっぷりのホワイトシチューは思いやりの味がしたのである。

 続く

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