テストエンジニアになろう(2)
皆さんこんにちわ、HOLLYです、いかがお過ごしでしょうか。
少し更新が開いてしまいました。
年度の終わりが近づくと忙しくなるのは今年も変わらずですが、
このご時世、忙しさはありがたいと思うべきなのかも知れませんね。
テストエンジニアに対する若者の関心は
以前に、新卒採用の説明会にて、先輩社員として就活生の疑問に答えたり、
短い時間ではあるものの、コミュニケーションを取れる機会がありました。
その際に感じたことは、
彼ら、彼女らにとって、この職業自体はさほど興味があるようには見えない、
恐らく会社自体の規模やネームバリュー的なものだけで応募している(人が大半)、ということでした。
それに関して、私は特に怒りや嘆きという感情はありません。
「まぁ、そうだろうな」と思います。
私自身も強い希望で選んだというより、
成熟していないし、これから伸びるだろうくらいの漠然とした動機でした。
それをとても大学出たての若者に押し付けられません。
ですので、説明会では実際の業務内容というより少し大きい話をします。
テストエンジニアが社会においてどれほど重要な存在であるか、
開発エンジニアとは異なる、品質を考え作り出すエンジニアなのだ、と話します。
それでもすぐに理解は難しいと思いますが、
テストエンジニアの未来のためにも、携わる者達はしっかり伝えていかなくてはなりません。
QA/テストエンジニアのやりがい
QA/テストエンジニアという職業のやりがい、魅力をあらためて考えてみました。
社会的貢献度の高さ
事故や故障がなく、ユーザーにとって使いやすい製品やサービスを提供するために必須の職種である、ということです。
クリエイティブである
テスト自体は作業ですが、テストを戦略的に動かす、テストのための様々な分析、
テストツールを開発する、ソフトウェア品質のあるべき姿を考える、など、
開発エンジニアとは異なる視点でクリエティブであると言えます。
達成感について
欠陥、脆弱性を見つけることによる達成感があります。
市場でのユーザーの反応が達成感に繋がります(反省点も生まれます)。
エンジニアとしての高み
QA/テストエンジニアは、テスト技術のスキルだけでは限定的な仕事しかできません。
開発スキル、ネットワーク/サーバ系のスキル、ハードウェアの基礎知識、品質保証に関する知識、データサイエンスなどなど、
他のスキルと併せることで価値のあるエンジニアとして評価されていきます。
こうして書き起こしてみると、
これだけで10年継続した理由にはなっていない気がしました。
私の場合、上記に加えて成功体験が継続に大事な要素になっていたようです。
・参加したプロジェクトが失敗を乗り越えつつ上手くいき、無事製品が市場にリリースされた。
・自分の提案が受け入れられ、開発/テストチームが良い方向に改善された。
・常駐先の関連部署から声が掛かり、新たな仕事の受注に繋がった。
・自社で功績を称えられ表彰された。
などなど...
最初は漠然と選んだ職業でも、成功体験を経て、本当のやりがい、魅力に気付く。
案外、これが多くの社会人の真実かも知れません。
就活生にはあまり視野を狭めずにいてもらいたいですね。
ではこのあたりで、次回をお楽しみに。
ご覧頂き、ありがとうございました。
コメント
VB使い
10数年プログラマやってます。
あまり大きな声では言えないのですが、テストが苦手です。怖いです。
テスト仕様書を作っても、「これが一体、テスト仕様としてどれだけカバーできてるの?」という
漠然とした不安があります。
おそらくテストの目的や範囲、粒度などがごっちゃになっているからだと思います。
テスト技法の書籍を読んでも、いまいち自分のシステムに対してイメージがわきません。
そんな感じなのでテストエンジニアが何を意識して「テストという魔物」に向き合っているのか
というところに興味があります。
若者は興味はないかもですが、中堅以降のエンジニアは興味あるところではないでしょうか?
HOLLY
コメントありがとうございます。
テストへの向き合い方、今後のコラムに良いテーマのような気がしました。
確かに、それを生業とするテストエンジニア自身も経験/レベルによって捉え方・視野が随分違うように思います。
上流から参画すればするほど、仕様そのものへの疑問、さらに要求への疑問…とテストという作業からは遠ざかり、
不具合を作りこまないための活動へとシフトしていきます。
テスト技法の書籍は良書も多くありますが、テスト技法自体は下流のテクニックなので、
目的や範囲を捉えるにはテスト要求分析~テストアーキテクチャ設計といったテスト活動が必要になってくると思います。
そしてこれらが、意外にテストエンジニアができない人が多いように思います。