奥深く悩ましく、そして楽しいソフトウェアテストの世界

生まれたてのテストエンジニア【前編】

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皆さん、初めましてHOLLYと申します。

このエンジニアライフでコラムを書かせて頂くことになりました。
私は約14年、テストエンジニアをしています。
正直、これほど長くやるとは当初は思っていませんでしたが、
徐々にこの業種の奥深さや楽しさを知り、今ではこの職業に誇りとやりがいを感じています。

今では自社だけでなく社外活動として、
JaSST(ソフトウェアテストシンポジウム)の実行委員や、
派生開発推進協議会(AFFORDD)にも参加するようになりました。
このコラムではこれまでのテストエンジニアライフの中での様々なトラブルや大成功といった経験談、
または日進月歩のテスト技術、ソフトウェア品質など業界の動向などを私感を含めてざっくばらんに話していきたいと思います。

記念すべき第1回ということで、
テストエンジニアになった経緯や、その頃の経験談を懐かしく振り返りながら書くことにしたいと思います。
2020年もいよいよ年の暮れ、お気楽に拝読ください。

テストエンジニアという職業がある

私がテスト業界に入ったのは2007年のことです。

それまでの私は駆け出しのネットワークエンジニアとして、
とある企業に運用・保守の末端要員として常駐する日々を過ごしていました。
スイッチングハブやルータを設定したり、社員用の持ち出しPCのセットアップやリストア、
時には倉庫でスパゲッティになっている長いLANケーブルを綺麗に巻き直す、
破棄するメディアに傷を入れ読み出し不可能にする、なんて仕事もありました。

しかし、多重請負構造によるワーキングプアへの出口が見えなかったこと、
謎のカリスマ社長信仰があった社風への違和感、上司の愛情に満ちたパワハラなどから、転職を決意しました。

当時の私は20代後半に入っており、
私と似た名字のカリスマIT社長が日々メディアを騒がせる注目のIT業界と言えども、
キャリアアップのためには方向性は定める必要性を感じていました。

まだ注目されていない職種、またはブームに流されず堅実に技術を積み重ねていける職種...
若干の焦りの中、4社の中途採用試験を受け、
非破壊検査を行っている会社と、テストエンジニアを求める会社の2社から内定を貰うことができました。
どちらも『検査・検証』という視点なのが未来への暗示だったのかも知れません。
ともあれ、まずはソフトウェアのテストエンジニアを求めていた会社の説明会に行くことになりました。

不具合を無くすことは社会的貢献なんだよ!

IT業界にはいたものの、当時の私はテストエンジニアという存在を知りませんでした。
製品やアプリケーションを実際に動かしてテストすることは容易に想像できましたが、
開発言語をロクに読み書きできない自分が果たして業務できるのか?お門違いなのではないか?
そんな不安を抱えつつ迎えた会社説明会にて・・・

「仕事とは何か、考えたことがあるかね。君はなぜ仕事をするんだね?」

「...しゃ、社会貢献でしょうか(お金とは言いずらい...)」

「そう!君はよくわかっている!!
仕事を社会貢献のためと答えたのは君が我が社で初めてだ!

「そして、不具合を無くすことは社会的な貢献なんだよ!!」

...と、まぁ、上記のような熱量あふれる口調でテストエンジニアの使命感を説明され、
何より褒められたことで俄然やる気になった私はテストエンジニアの道を歩むことを決めるのでした。

しかしそれは、予想していた以上に苦難で波乱の道のりの始まりでもありました。
(【後編】に続く)

Comment(4)

コメント

勝ち逃げ先生

初めましてHOLLYさん
コラムニストの世界へようこそ。勝ち逃げ先生と申します。


「仕事とは社会貢献…」はい、おっしゃるとおりです。ちなみにぼくは中途面接で、「お金を稼ぐのも使うのも社会貢献だから、そのためにもたっぷり報酬が欲しいのです。」と先方に伝えて採用もらえましたよ。いまでは社会貢献やりすぎて財布の中身は空っぽですよ。。。


あと、芸風がたいきさんに似てますね。次回も楽しみにしております。お互い頑張りましょう。

匿名

元同僚として楽しみにしてます

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