キャリア20年超。ずっとプログラマで生き延びている女のコラム。

54歳のハローワーク

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 お久しぶりです。ひでみです。
 あまりにも久しぶりなので自己紹介させていただくと、フリーランスでプログラマをやってる55歳です。
 そうなんですよ。55歳になったんですよ。55歳からは「アラウンド還暦」略して「アラカン」と呼ばれるらしいですが、ついに還暦が視野に入る年になったか......。

 54歳だった昨年は、世界的に大変なことになってましたが、わたしもそこにちょっと巻き込まれていました。
 その前年に2カ月の無職期間を経て、なんとか仕事をゲットした(詳細につきましてはこちらのコラムに書いてあります)んですが、3月いっぱいまでの契約を更新してもらえなくて、またもや失業の危機に立たされたんです。
 これ、わたしだけが更新してもらえなかった、とかいうことだったらものすごくヘコんでいたと思うんですが、同じフロアで働いていた人たちが20人くらいいっせいに契約解除になったので、まあ、仕方ないな、と納得するしかありませんでした。

 「契約更新できませんでした」と担当営業さんからご連絡をいただいたのが3月初旬で、コロナ禍とかいうやつが本格的にまずいことになりそう、っていう雰囲気になってきた頃でした。
 前年なかなか仕事をみつけられなくて、2カ月も無職になってしまったので、これはさすがに次の仕事をみつけるのは厳しそうだな、これは条件を引き下げることも考えないといけないかもしれない、と思いながら、登録しているエージェントさんのサイトをみると、心なし案件が減っているような、単価の相場が下がっているような......。
 前年の求職活動を思い出し、あれよりさらに厳しくなるのか、と暗澹たる思いでした。

 しかし、すぐにエージェントさんから「こんな案件があるんですが、いかがでしょうか?」とご連絡いただきまして、それがちゃんと希望条件に合致していたので「よろしくお願いします」と返信したら、そのままとんとん拍子に話がまとまり、なんとたった1週間で次の仕事が決定しました。
 えっ? なんかわたしだまされてない? 去年、100社くらいに振られまくって、今度はもっと厳しくなりそうだ、希望条件を緩めるしかないか? とか考えていたら1社目で決定するとか、そんなことってある? ってなりました。
 世の中、本当にわからない。

 というわけで、4月から、いわゆるユーザー企業で、システム内製のお手伝いをしています。
 出社1日目に思ったのは「女性が多い!」でした(←半々ぐらいなだけだったんだけどね)。それに、みた感じ20代から60代の人がまんべんなく揃ってるんですよ。
 わたしが知ってる職場というのは、20代30代男性が半分以上というのがほとんどだったんですけど、ここではそういった偏りがみられない。
 要するに、性別や年代がほぼ同じくらいの割合でばらけている、という普通に考えると普通なことに感動して、わたしが年齢や性別基準でマイノリティじゃない職場ってすごいな! ってなりました。

 働き出して3日目くらいで、わたしが入った開発チームのマネージャーさんのマネージャーさん(要するに偉い人)が1on1面談をセッティングしてくださいました。
 ITが専門外なマネージャーさんの面談というのはどういう感じなんだろう、と思いながら出向いた面談での会話の一部は以下のようなものでした。

「プログラマのキャリアが長いそうですね」
「はい。専門学校を卒業してからずっとプログラマです。長くやりすぎて、IT業界内でもレアキャラになってます」
「プログラマを長く続ける方って少ないんですか?」
「少ないですね......」
「なんで続ける方が少ないんですか?」
「3年以内でやめる人はだいたい、自分はこの仕事に向いていない、って言ってIT業界から去りますね。わたしの体感では、ここで半分くらいまで減ります。
 そこを乗り切ったのにやめる人は、IT業界内の他の職種に移行するパターンが多いと思います。そちらの方が待遇が良いとか、プログラミング以外のスキルを身につけたいとか......。ある程度の年になると、そろそろ管理の仕事をしてくれよ、って会社から言われるというのもあります」
「それはどこの業界も似たようなものですね」
「多分そうなんでしょうね。あとよく聞くのは、とても変化が激しい業界で、プログラマは特にその影響を受けやすいので、年をとると流れについていくのが大変になる、ということです。本人がそう感じてやめることもありますし、そういう意見をもっている人がキャリアの長いプログラマを受け入れたがらないので、不利を感じて他のルートに乗り換える人もいます」
「変化が激しくてついていくのが大変、というのはわかりますが、だからこそ長く続けてこられた方は信頼できる、と思うんですけど、そういう評価にはならないんですか」
「......ありがとうございます! ありがとうございます! ありがとうございます!」
「そこまで感謝されるようなこと何か言いました?」

 長いキャリアを肯定的に評価していただいたのは久しぶりで、本当にうれしかったです。マネージャーさんを困惑させてしまったのは申し訳なかったですけど。

 どうやら、「年をくったプログラマは使い物にならない」とか「おばさんをチームに入れるなんてイヤだ」とかいう類の言葉を陰に日向に20年くらい浴び続けてきて、自覚している以上にダメージをくらっていたようです。
 その前年に職を得るのにめちゃくちゃ苦労したことで、気が弱っていたというのもある......。

 だいたい、年齢や性別を判別する主な要素である容姿や声は、オンラインならわからなくすることも可能じゃないですか。カメラオフするとか、アバター使うとか、アプリ加工するとかで。
 そうやって、年齢も性別もわからなくしても、やっぱりプログラマとして使い物にならない、と言われたら、ここがわたしの限界か、とあきらめるけど、それまではわたしがプログラマを続けたいと思ってる限りあきらめないぞ!
 と、妙な躁状態になった次第です(←やっぱりかなりメゲてたかもしれない)。

 念のため言っておきますがわたしは、一度プログラマになったんなら一生続けろよ! とかいう過激派ではないです。
 他人がプログラマになろうが、やめようが、どうだっていいです。
 ただ、わたしが好きで続けている仕事を、年齢や性別を理由にあれこれ言われるのが納得いかないだけです。
 それだけのことです。
 それだけのことなんだけどな......。

 そんなこんなでいろいろありつつも、まだプログラマを続けています。
 35年くらいプログラマをやっていますが、いまだに仕事が楽しいというのは、幸いなことだと思います。
 好きな仕事だけで生活できているというのは、ゼイタクなことだと思います。
 不安定な生活を安定的に送っているという状況で、数カ月後にはまた失業してるかもしれませんけどね。

Comment(5)

コメント

kaza

59歳で転職活動をしました。運よく、次の会社が見つかり、ある時はプログラマやアーキテクト、etcの仕事をしえちます。還暦をまもなく迎えますが、そのまま活動ができます。
新しい技術のキャッチアップは大変ですが、今までに蓄積した知識をベースにすることで何とか習得できています。

仲澤@失業者

「カン」を超えてしまった老人プログラマの仲澤です。
あと20年はやります(仁王立ち)。

仕事があるってことはありがたいですよね。
読んでいて、無収入となり電気水道ガスの全てを止められた数か月の事を思い出しました。
当時は30歳くらいだったので真っ暗闇でも元気に眠れましたが、今そうなったら残りの人生は天にお返しするかもしれません。

その頃には想像もできないほど便利になった昨今。
仕事のやり方受け方依頼し方も、もう少し進歩してくれないかなぁと思ってます(とほい目)。

真っ赤なレモン

プログラマというお仕事への愛を感じる。

Strato

本日初めて読ませていただきました。
同業者で、私はさらに年齢2つ上の男です。
ゆっくり読ませていただきます。

natrium

引きこもりプログラマーを脱する為、
職探しで悪戦苦闘している45男です。
お祈りメールばかりの今、ブログを拝見して
少し希望と元気を貰えました。
ありがとう。

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