弊社の入社試験にチャレンジして!(1)
なんか面白そうなので、弊社の入社試験について書いてみよう。
全部で10問で制限時間は30分です。今回は10問中1問だけですが、3回に分けて書きます。(弊社のページの焼き直しです)
まず、注意書きがあります。
誤字脱字は減点しません。いかに柔軟な考え方ができるか判断しますので、分からなくても何か書くように。
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【1問目】
以下の問題を3通りの方法で解きなさい。
かず子さんは、1本40円と1本60円のえん筆をあわせて30本買って、
1440円はらったそうです。40円と60円のえん筆をそれぞれ何本買ったのでしょう。(新版算数6年・下(啓林館) p.95より)
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小学生の問題も意外と難しいものです。それを3種類の方法で解くのですから、非常に難しいようで、わたしの採点で、この問題の満点は今まで1名もいません(何人か出ました)。
さて、この設問で何を見ているかというと、どんな考え方をするかということです。
中学受験をした、小学生の家庭教師をしていた、などの経験があると記憶で答えてしまうので、あまり意味がないのですが、そろそろ、小学校で習ったことを忘れているころなので、その人の考え方を見るのには適切な問題だと思います。
ただ解きなさい。という設問は、大手企業の入社試験でもよく見る問題です。それでは面白くないので、わたしが4つ(総当りを入れたら5つか)思いついたので、3種類答えてもらっています。
調べてみると、大きく分けて7種類ぐらいの解き方がありました。わたしなりの評価の仕方を書いてみようと思います。
【解答例1】
◆ 鶴亀算を利用して解答。
【寸評】
XやYを使わずに解く方法。この方法で解ければ、かなり柔軟な思考回路の持ち主だと評価します。
【解答例2】
◆ 一次方程式を利用して解答。
【寸評】
変数の使い方というのは、プログラムの基本中の基本です。この解法が出来る人は、結構、プログラムセンスがあると思います。
【解答例3】
◆ 連立方程式を利用して代入法で解答。
【寸評】
代入はプログラムの基本中の基本ですからね。これもプログラムセンスがあると思います。
【解答例4】
◆ 連立方程式を利用して、加減法で解答。
【寸評】
わたし加減法の説き方を忘れていました。加減法は覚えていなければけっこう難しいですよ。しかし、一般的に学校で教えているのは加減法のようですね。まじめに勉強してきたタイプだと思います。
【解答例5】
◆ グラフを書いて解く。
【寸評】
一次関数のグラフです。これはかなり柔軟な発想、かつ、プレゼン能力がある人ですね。将来、すばらしいSEになれるかもしれません。数学を得意としていた人にとっては、一次方程式で解ければ一次関数のグラフで解けるのは当たり前ですので、当たり前すぎて書かないのか? なかなかできる人はいませんね。
【解答例6】
◆面積図を描いて解く。
【寸評】
すばらしい。ちょっと思いつきませんでした。その場で思いついたとしたらすごいです。事務系のプログラマではなく、もっとクリエイティブな研究職やゲーム系などに向いているかもしれません。
【解答例7】
◆ 総当りする。
【寸評】
これしか思いつかなければ問題ですが、3種類目の答えとしては良いかもしれません。とにかく答えようとする意気込みが見ることができます。プログラマとしてその姿勢は評価できます。
もちろん、他にいろんな亜種があるのですが、考え方とか性格を見ているので、答えは同だって良いのです。答えは考え方が正しければコンピュータが出してくれるというのがプログラマの考え方。と考えているためです。
1、2、3と答えてくれないかなと、5、6が混じる人がいたらうれしいなと思って出していますが、答えを書いているところ横から見て(そんなプレッシャーをかけたら……)「式ができたら、答えは出さなくても良いよ」って言っても、答えを出そうとする人が多い。
「そういう教育を受けているんだろうな~」と暗い気持ちになることも多いです。
次回へつづく。
コメント
ヴァン
以外に難しい。
真っ先に方程式はでるけど...
40円と60円だから平均50円。
それを30本だと1500円。
それより60円安いから...
これって何番の回答方法?
宝春
(1)連立方程式
(2)鶴亀算
(3)総当り
でした。
ていうか、(2)の解き方が鶴亀算だったのか・・・。
鶴亀算って聞いたことはあったのですが、今回解いてみてはじめて
名前と解き方が結びつきました。
勉強になりました。ありがとうございます。
の
>>ヴァンさん
速度重視で解くときって頭の中ではそれやりますよね。
僕のだした3つは、上記に加えて連立方程式 (加減法、行列)、グラフでした。
ビガー
ビガーです。こんばんは。
方程式や鶴亀算しか思いつきませんでした。考え方が固定化するのは怖いですね。
グラフや図での表現、素晴らしいです。
もしこのあたりがパッと浮かぶような人なら、即一緒に事業しようとラブコールしますね(笑)
士郎
まっさきに思いついたのは、
・鶴亀算
・連立方程式 代入法
ですが、鶴亀算はやり方忘れたので自然と
連立方程式で解いてしまいました・・・。
ヴァンさん、おはようございます。
解法は抽象化できていて欲しい。
例えば、鉛筆の値段が45円と68円というときにはまず出てこない解法ですね。
平均で解くのは、鶴亀算の亜種となるのですけれど相当に難しくなりますし、平均で解く途中に、鶴亀算の方が効率が良いと気づくと思います。
平均で辺りをつけて真ん中から総当り(半当り?)という考え方もあるし、検算のために概算で出すという考え方のためには良いと思います。
ビガーさん、おはようございます。
私も頭がかなり固くなってきているので、どんな問題でもというわけではいかないけれど、柔らかい頭を維持していきたいと思っています。
入社試験ですから私よりはるかに若い人たちに出していますけれど、「惚れてまうやろ~」っていう柔らかい頭の人にはなかなか出会わないです。
第3バイオリン
生島さん
第3バイオリンです。おはようございます。
私がパッと思いついたのは連立方程式でしたね。
というか、それ以外が思いつかなかった・・・。
(グラフって・・・恐れ入りました)
しかし、小6の問題なんですよね。
確か連立方程式は中学で習うはずだから(今は違うのかな?)
小学生だったころの私ならどうやって解いたんだ?と、余計悩んでしまいました。
ひでみさんのコラムにもありましたが、
答えはひとつでもそこに至る道は複数存在するってこと、
近道=正しい道とは言い切れないんじゃないかってことを考えてみました。
EarlGrey
1・3・7でした。
これはおもしろい・・・うちの新人さんにやらせてみよう。
連立方程式が最初に思いついたわけですが、
代入法以外頭に浮かばなかった。
面積図とかは存在さえ知りませんでした(苦笑
宝春
> 頭の体操になりましたか?
はい、なりましたです。
「全部で10問で制限時間は30分」の中でやれって言われたら大変そうですね。
連立方程式しか出てこないかも。
入社試験受けるためだけに受けても良いですか?(笑
続きを楽しみにしてます。
第3バイオリンさん、こんばんは。
多分、今でも連立方程式は中学で習うことになるでしょう。
プログラム経験者には、経験者向けの試験があり書かなかったけれど、非経験者向けの問題はもっと難しい小学校(中学かな)の問題があります。
今の小学校はゆとりでやってないかもしれませんが……。
単純ですけど難しいですよ。
2時から3時で時計の長針と短針がピッタリ重なるのは何時何分何秒でしょう。
(秒以下は割り切れないので分数でよい)
というものです。さすがに3通り答えろとは言わないけれど、これも小学校から高校までの考え方がある。グラフを書いたりしても出ますけどね。
正解者は少ないです。
EarlGreyさん、こんばんは。
記憶で答えられるとあまり意味がないので、知らなくても良いと思います。
その場で考えて出してくるすごい奴がいないかなと、思っているのですけど、なかなかいないのでしょうね。
ひろ
挑戦!
(1)欲しいのは30本で、えーと、2本セットだと100円だから、14本ずつ買えて、40円余るからもう1本買えて、あと1本欲しいから、60円のを2本あきらめて40円のを3本追加する。と、40円は18本、60円は12本。
(2)安いほうの40円を30本買うと1200円だから、残りの240円を使って40円の何本かを60円にグレードアップする。グレードアップには20円かかるから、12本は60円の鉛筆になるので、40円の鉛筆は18本になる。
(3)1440円で30本の予算だから、1本あたり48円使える。あれ? 続きは(2)と同じ……。
う、うーん。どれも同じことしてます?
買い物へいったときのふつうの頭の働きしかできない。
ひろさん、おはようございます。
どれも鶴亀算なのですが、なるほど……。
1440円持っていて、40円の鉛筆と60円の鉛筆があって、30本鉛筆が欲しい。予算内でできる限りたくさんの60円の鉛筆を買うとすると、それぞれ何本ずつ買えますか?
と読み替える訳ですね。そっちの発想はしてなかったです。
鶴と亀の足では読み替えにくいけどね(笑)
単純でもいろんな発見があるものですね。
xeren
以前御社のHPを拝見した時に、3つ目の解答で面積図を用いました。
(1・2番目は2元1次と1元1次方程式)
実はこれ、中学受験の予備校で教えるセオリーなんですよ。
これで答えるのは、お受験した人の可能性が高いかもしれません。
1次方程式、連立方程式代入法、連立方程式加減法の3つでした。なんと面白みのない……。
鶴亀算は「そういうものがあって、それを使うと解ける」という事実は知っていますが、肝心の鶴亀算そのものを知らないので(笑)
グラフと面積は、その発想がそもそもなかったですね。面白いですなー。
xerenさん、こんばんは。
弊社の方まで見ていただいていたのですね、ありがとうございます。
答を探したときの解説を見て、グラフは推奨していないことから、おそらくそうじゃないかと思いました。
小学生向けには面積図なんでしょうね。
スパッと答える人は、お受験をした人か、家庭教師とか塾の教師とかしてた人でしょうね。
ちなみに、弊社の試験では、今まで面積図はいません。
みねさん、こんばんは。
単に「解け」だと、ほとんどの人が連立方程式で終わってしまうので3つ答えてもらっていますが、平均して2つぐらいです。
3つ違う答を書いてくる人もいるぐらいですから(苦笑)3つ解けたら、結構、イケてる方ですよ。
「嫌がらせ問題」と思われがちなので、ちゃんとした意図があって、ちゃんと答を用意しているというのを分かってもらおうかと思って書いたものでした。
MASA.H
まず連立方程式にして、直接法の代表としてガウスの消去法と反復法の代表としてガウス・ザイデル法で解く。
2つ目は線形計画問題とみなしてシンプレックスタブローと図形的解法で解く。
3つ目ルートノードが何も買っていない状態で常に右側のノードが40円の鉛筆を左側のノードが60円の鉛筆を買った状態となる2分木を考え、探索問題と捉えて、深さ優先と幅優先で探索する。
こんなところ。あとは線形計画問題からの派生で最適化問題と捉えてみると山登り法とかシミュレイテッドアニーリング法が使えるか。
あとむ
私がぱっと思いついたのは
①面積
②連立方程式
③差額から求める方法
です。
③は30本全て40円で揃えた金額40*30=1200円から
2つの鉛筆の差額(60円が1本増え40円が1本減る毎に20円)で
60円の鉛筆の本数を求める方法です。
具体的には1440-1200=240円、240/20=12本(=60円の本数)、
30-12=18本が40円の本数、とします。
自分が小学生のときはこうやって解いていましたよ~
あとむさん、こんにちは。
差額から求める方法がいわゆる鶴亀算です。
おいくつか知らないのですが、大体の人は連立方程式を習った後は、小学生の方法は忘れてしまうようです。
忘れている前提で、その場で考えつくかなと思って出しているのですけど、鶴亀算が出てくるのは2割ぐらいかな。
お受験のセオリーのようですが、面積図が出るのはすごいと思います。
あとむ
生島さん
コメントありがとうございます。
記述した後に鶴亀算のこと調べたら、
ご指摘の通り私が記載した③の方法だったと分かり、
お恥ずかしい限りです…^^;(ちなみに当方三十路です)
当方フリーのSEですが、生島さんのblogはPG的な観点と
経営的な観点が両方合わさった内容でいつも興味深く読ませていただいてます。
# 軽く炎上気味なコメント欄も含め…^^;
お忙しい中blog更新は大変かと思いますが、今後も楽しみに読ませていただきます!
kisi
144は12の2乗だと思いました。
1440=12^2*10
だから、
40*?+60*?=4*10*?+6*10*?=10*(4*?+6*?)
したがって
4*?+6*?=12*12
両辺を2で割って、
2*?+3*?=6*12
6*12=6*(6+6)=6*(2*3+3*2)
と分解できるから
=2*18+3*12
つまり40円の鉛筆を18本、60円の鉛筆を12本
サンドマン
全10問、制限時間30分という制限で、この問題は結構きついですね。
3分で3種類思いつくかどうか・・・無理でした
>>「式ができたら、答えは出さなくても良いよ」って言っても、答えを出そうとする人が多い。
式ができたら答えを出したくなるじゃないですか!^^
やっぱり、答えを知りたいという欲求は抑えられないのではないかと思います。
サンドマンさん、おはようございます。
他に一瞬で答えられる問題もありますので……。
時間配分するのも、SEにとって重要な仕事ですから、
自分のアピールしたいところに時間を掛けるべきで
そういうところも見たいので、詰め込みの問題に
なっています。
遊藍
問題を見て40と60なら足すとちょうど100だから、同数買うと10の位までは0になるはず
でも10の位が40だから+40円の一本買うと計算が合うってのが直感的に浮かびましたが、これはどの亜種になるんでしょうか?