ポメラの使い勝手は、本を開いて閉じる感覚まであと一歩だと思う
大学院ライフも本格的に始まり、授業数も増えてきた。覚悟はしていたが、予想以上に忙しい。それは、想定の範囲内というやつだ。
エンジニアライフで毎週のように書いていたのには、それなりの理由がある。文章修行の一環というのはインタビューでお話しした。もう1つ、裏のテーマがあった。それは、大学院生としてレポートや論文を書く機会にそなえての練習だ。
自分がどのくらいの時間で、どのくらいの分量が書けるのか。ペース配分をきちんと把握しておきたかった。
さすがにTeXで提出することになるとは思っていなかった。これは想定の範囲外。
■ポメラは、銀の弾丸になりうるのか
学校が始まり、仕事と授業の間をぬって自分の勉強時間を確保する。まとまった時間をとることが難しくなる。あるのはちょっとした空き時間。わたしにとって、コマ切れの時間は読書タイムである。この時間をもっと自由に使えないだろうか。このスキマをアウトプットに使えないだろうか。
手書きという選択肢もあるが、テキストを書くときはテキストエディタを使う。テキストエディタを立ち上げるにはパソコンを起動する。この手間が行動にブレーキをかける。
本を読んでいて、何かを書きたい気分になる。わざわざパソコンを起動してまで……というワケには、なかなか、いかない。
■ポメラは、ノートパソコンを超えるのか
いつでもどこでも、メモを書くようにテキストを重ねたい。というわけでポメラを買ってみた。自分に投資するのは自身を成長させるためだ。
キーボードが小さい。もともとB5ノート使いなので、ピッチの感覚はそんなに悪くない。やや、スペースキーが押しにくいのが困りもの。あとはマウスも使えたらラクかもしれない。いや、エンジニア的にはこれを改造してviを動かせるようにするのが正しい姿なのだろう。
レスポンスのもっさり感とか、減点対象をあげるときりがない。ポメラというガジェットの価値は細かい使い勝手にあるのではない。そのコンセプトにこそ真価がある。多少の不便さはガマンしろ。人間の方を機械に合わせるのだ。そのうちにコツも覚えてくるだろう。
いつでも、どこでも。メモ書き以上のことがキーボードがあればできる。
さあ、ポメラを持って街にでよう。思考の断片をかきあつめる。思いついた瞬間に入力する。気ままに。言葉をつぐむ。座る場所さえあれば、電車の中でも問題ない。サクッと取り出して、駅についたら、サクッと終了。シャットダウン処理が短いからギリギリまで入力できる。やはり、アウトプットは楽しい。テキストエディタ1つで退屈しない。
■ポメラは、思考の一瞬をとらえることができるのか
考えるとはある意味、ナマモノだ。思考の断片が一瞬で文章になる。写真のように。その感覚がすてきだ。鮮度が高さの代償に、熟成が足りなくなるのはよろしくない。ありきたりな表現になっていないか。あたりまえのことを書いていないか要注意かもしれない。文章の密度は要注意である。
ポメラによって、テキストに向かう時間が確保できるようになった。
環境の変化はいろんなものを変える。新しい道具は何を変えてくれるのか。新しい文体が生まれることに期待する。
■ポメラは、仕事をシームレスにするのか
エンジニアの仕事はテキストエディタがあれば半分以上はこと足りる。プログラムだってコンパイル通すまでは何を使っていようが自由だ。8割がテキスト入力といってよいかもしれない。エンジニアはテキストエディタが8割なんて、何かに便乗しているみたいでヤダ。
なるほど、いつでもどこでも仕事から逃れないってことか。なんてこったい。
どこか遠くからレベルアップを告げるアラート音が鳴り響く……。
【本日のスキル】
- コラムニストスキル:レベル31
- コトバのスキル:レベル3
- 敏捷力:レベル21
- 臨戦態勢スキル:レベル16