自分を変えて人間関係を乗り切る
はじめまして。今回が初投稿になります、ちょりぽんです。
■まずは自己紹介
わたしは、地方の高校を卒業後、東京の大手印刷会社へと就職しました。そこで貼込や校正などの印刷業務を2年、その後部署を異動し、冊子、CD-ROM、WEBサイトで使用する画像データや音声データの制作等に5年間従事しました。そして7年間勤めた印刷会社を辞め、中小SIerを4社ほど渡り歩いて現在に至ります。33歳、業界経験9年目になるエンジニアです。
業務経験の方ですが、オープン系システム開発がメインになります。フェイズは最上流から下流まで満遍なく経験しているという器用貧乏です。ポジションはPG、SEを経て、小規模プロジェクトのプレイング・マネージャ、大規模プロジェクトのセクションリーダーを経験しています。DOA、OOA、デザインパターンを好み、CとC++を除くほぼ全ての主要言語で実務経験がありJAVAを最も得意としています。
作業が細分化された大企業に勤めた経験から、『1人で何でもできたらカッコイイじゃん?』という思いが生じ、このような経歴になりました。巷では『ジェネラリストかスペシャリストか』という二者択一の概念が囁かれていましたが、やはり何でもできたらカッコイイと思っていたので受け入れませんでした。
自己紹介は以上になります。次に、今後コラムニストとして活動するに当たっての抱負を述べたいと思います。
それは”自分の言葉で語ろう”ということです。情報過多の現代において、見聞きした情報を自分の価値観を照らし合わせず、盲目的に信じ込んでしまうことは危険な行為だと思います。どんなに有用だと思える情報(特に考え方や精神論)をゲットしたとしても、実際に体験したことでなければ自分の言葉として堂々と言えない性分だからです。
というわけで、本題に移ります。
■プロジェクトにおける人間関係
誰しもプロジェクトでの経験を通してキャリアアップを望むと思います。ところが人間関係がネックになり、それどころではないエンジニアは少なくないでしょう。
わたしもこの業界に入った当初は、『なんでわかんねーんだよ』と椅子を蹴られるわ、怒鳴られるわ、質問しても無視されるわで、20代半ばにして胃を患いました。大勢の前で叱られる屈辱感は筆舌に尽くし難いものがあります。同時期に(正式な診断結果ではありませんが)鬱病に似た症状もありました(ちなみに今でも、原因はわたしの至らなさにあったと思っています)。
そもそも知らない者同士が集って仕事をすることに加え、優しい人とそうでない人、ベテランと若手、経歴も会社も違う人達がごっちゃになるわけですから、前提からして人間関係のトラブルが起きやすい環境だと言えるでしょう。これまで人間関係によるストレスが原因で辞めた人を何人か見てきましたが、わたしは過去に同じ悩みを乗り越えた身として自分なりの”答え”を持っているつもりです。幸いにも過去6年間は人間関係のトラブルと無縁ですので、これから述べることが誰かの助力になればと思います。
■チームは運命共同体
人間関係が上手く行かず、プロジェクトから抜けたがる人を稀に見かけます。通常このような要望は通り難いので、自己都合でのプロジェクト撤退は”退職”という形に変わることもあるでしょう。そしてまた似たようなSIerで似たような作業をする、というのはよく聞く話です。
システム開発において、あえて”敵”を挙げるとすれば、それは高い要求仕様であったり、厳しい納期です。自身の限界というのも敵でしょうか。普段から衝突の絶えない人も含め、目指す先が同じ(筈)のチームメイトは本来敵ではありません。重要なのは、誰かを敵とみなして倒すことではなく、ユーザーのゴール(完成したシステムで金を儲ける等)を達成するためのシステムが納品されることです。契約内容は置いといて、仕事の成果で金を受け取るプロとして、この大前提がまずあります。
■技術とコミュニケーションは切り離せない
わたしは26歳のとき経験した案件にて、かなり横暴な他社リーダーの下に配属されたことがあります。このリーダーと衝突し、喧嘩して、感情的に撤退していく人が続出という曰くつきのリーダーです。1年近くに及んだこの案件、最初の数ヶ月は罵倒に近い叱咤や冷淡な態度に苦しみましたが、徐々に会話の機会が多くなり、そのうち雑談もするようになり、友好的な協力関係を築いてスッキリと契約満了を迎えました。
なぜ、このような展開になったのでしょう。それは誰しも、利用価値の高い者に冷たい態度は取れないからです。前述のリーダーを看破できた理由は、『成果を挙げてくれる人材』、『最後まで付き合っていくであろう人材』だと認識させたことが大きいと思います(周囲のフォローもあったでしょう)。
この案件を経て、業務の遂行能力を持てば人間関係によるトラブルの大半を防止できると知り、より一層能力の向上に励みました(もちろん社会人として最低限のマナーも欠かせません)。通常業務だけでは学習が追いつかないと思い、自宅でも猛勉強を積み重ねたものです。
さらに、コツコツと結果を出していると発言力が高まります。相手は『コイツの言うことは聞かなければ』と思うようになりますから、無意味に蔑まされることもなくなります。
■普段の振舞い
業務を遂行する上で、普段の振舞いを見直すことも大切です。接する相手によっては本当に些細なことで嫌われてしまうこともあるので、以下のポイントをチェックしてみましょう。
- 質問は趣旨から先に述べる
- 主張は根拠とセットで
- 不満を口にしない
- とにかくベストを尽くす
これはまた別の記事で掘り下げる予定です。
■自分を変えて人間関係を乗り切る
ビジネスシーンにおいて、人は相手の能力を見切った上で態度を決定します。ですので高い業務遂行能力はプロジェクトの進行だけでなく、円満な人間関係の構築においても不可欠です。
では、経験の浅い人はどうすれば良いか? それは情熱と謙虚さだと思います。
さらに、能力・実績・定評に相応しくない態度を取っていないか、常に自分を客観視することが重要です。つまり、わきまえること。自分が思ってるほど周りは評価していないと考え、基本は謙虚でいるべきです。
とはいえ、どうしても仲良くなれない相手は確かに存在します。ですが、合わない人に対して『自分とソリを合わせて下さい』などと言える筈もありません。そもそも赤の他人の性格について、とやかく言える筋合いはないのです。従って、他人と衝突する場合は自分から変わるほうが手っ取り早いと考えるようになりました。
では、「自分が変わる」とは、具体的にどういうことでしょう。
もともと、わたしは短気で頑固な性格ですが、仕事モードでは”大らかで我を抑える性格”にチェンジします。この性格は、皮肉めいた言葉を聞かされたり、乱暴な言動を目の当たりにしても、いちいち反応せず結論を導き出すべく会話を先に進めるというキャラでして、素の自分とは程遠いところにあります。
要するに、プロジェクトが前進すれば良いのですから、進捗と関係のない問答で時間を無駄にしたくはないのです。相手の意図を抽出したならば、他の言動はどうでも良いとする大らかな性格です。これがわたしにとっての”変わる”ということになります。
要するに、本当の自分は置いといて演じるということです。
常に素の自分でありたいと願い、自分を曲げて演技することに抵抗がある人も居るでしょう。ですが、前述の通り他人の性格までは変えられないのですから、結局はプライベートと仕事とで異なる”二面性”を器用に切り替えた方が手っ取り早いのです(わたしにとってはこれがON/OFFの切り替えに当たります)。わたしはこれができた時、ちょっぴり大人になった気がしました。
ビジネスモードを演じていると最初は疲れるかも知れませんが、そのうち演技していることすら忘れるようになります。今ではわたしの本来の性格と、仕事で造り上げた性格とが融合された状態になっており、演じているという自覚は全くありません。
■技術の重要性
実装要員の場合は、テクニカルスキルがなければ相手にされませんし、設計要員は良くない仕様を提示してきます。技術に疎いマネージャの進捗管理は精度を欠きますし、営業は一人で販促デモにも行けず、論理的な説明を添えてエンジニアを売り込むこともできません。話せることと言ったら金の話しかないので、相手企業の心象を損ないます。よってPGもSEもPMも営業も皆、IT業界に身を置く者はテクニカルスキルに見切りをつけてはならないのです。
自分達の飯の種は何かを考えれば当然のことです。これまで述べた通り、人間関係においてもテクニカルスキルは欠かせない要素です。色んなことにかぶれる前に、先ず『アナタは何が出来るんだい?』という問い掛けに即答できるくらいの技術を身に付けることが、人間関係で悩まないための第一歩です。
■まとめ
- 戦力として認められなければ蔑まれるので、高いスキルが不可欠
- 苦手な人の性格を変えるより、自分から変わった方が手っ取り早い
- 演技することで柔軟に対応する
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コメント
ビガー
ビガーと申します。
>コツコツと結果を出していると発言力が高まります。
演じるとか相手に合わせるというのも大事な気がしますが、結局コレではないでしょうか。私は、徐々にキーマンをコントロールできるように進めています。けど、自分よりスキルが高いヒトが相手だと自分がコントロールされます。
コントロールしたいわけではないですが、プロジェクトが円滑に進むのが一番良いことのような気がします。
ビガーさんはじめまして。
本記事は、現在進行形で人間関係のトラブルに悩む方々をターゲットとしており、ビガーさんのようにコントロールの術を持っている方々はトラブルですら未然にコントロールできるでしょうから、どちらかと言えばターゲットの外になります。
本記事の主旨は「小手先のテクニックで上手に立ち回りましょう」ということではなく、自分を変えることで余計なボトルネックをパスし、本来の目的に没頭しましょう、ということです。
>コントロールしたいわけではないですが、プロジェクトが円滑に進むのが一番良いことのような気がします。
仰る通りです。
当然、私にもこの認識はあり、文書中にも明記してあります。