負のスパイラルから抜け出すには
「またフォアボールか。今日も負けそうだなあ」
敗戦ムードが蔓延していた。
■連敗のトンネル
私が所属するソフトボールのチームは連敗していた。一昨年、エースが退団してからずっーと。
若き新エースの球は速い。ストライクが決まればポンポンとアウトがとれる。でもそれが続かない。3イニング目くらいになると、急にストライクが入らなくなる。フォアボールを連発。フォアボールが続くと野手は油断する。たまに打球が来ると、鉄壁の守備(と思っているのは自分だけ)の私も不意をつかれてエラーしてしまう。(不意を突かれなくてもエラーするけどね)。
せっかく打ち取ったと思ったら味方がエラー。新エースは動揺してますますストライクが入らなくなりフォアボールが続く。長い時間の守備で疲れて攻撃でも打てなくなる。これでは勝てない。次の試合でも、「また今日も守備の時間が長いんだろうなあ」、と思うと動きが悪くなる。エラーがますます増える。
負のスパイラルに陥ってしまった。年間に十数試合をやっているが去年は結局一度も勝てなかった(涙)。
■仕事で陥る負のスパイラル
仕事のプロジェクトがうまくいかず負のスパイラルに陥ってしまうことがないだろうか?
障害が発生する。報告に時間がかかってしまって修正方法の検討に十分な時間が割けない。急いで修正して別の不具合を誘発。ますます詳しい報告と是正策を求められる。余分なチェックが必要になり仕事量が増える。忙しくなってミスが増える。疲れが溜まってキーマンやリーダーが倒れる。負のスパイラルに陥ってデスマーチとなる。
■脱出は難しい
今年はソフトボールチームに新しいメンバーが3人入った。新メンバーは負け慣れていない。それだけでいい影響がある。新エースも調子が上がってきてフォアボールの数が減った。守備練習もやった。
接戦ができるようになってきた。だけど、2試合連続サヨナラ負け。惜しいけれどまだ勝利は遠い。負のスパイラルからなかなか脱出できない。
新しいメンバーによるムードの改善、ピッチャーと野手の技術の改善。それだけではまだ負のスパイラルから脱出できない。他に必要なのは何だろうか?
■脱出のチャンス
この日の相手は弱いチーム(と言ってもうちが一番弱いのだけど)だった。センターとレフトへの打球が多かったが、運よく飛んだ位置が野手の正面でアウトにできていた。
4点のリードで迎えた最終回。サードのエラーで(誰だっ、サードはっ!)2アウト満塁。一打同点のピンチ。そして次のバッターは強打者。
カキーン!
やばい、打たれたっ!
と思ったらレフトの正面。ラッキー。アウトっ! やった!、勝った、連敗脱出だ! バンザーイ! 記念写真だ、胴上げだ、ビールかけだっ!
■人事を尽くして天命を待つ
負のスパイラルから抜け出すには、まずメンバーややり方の質を上げる。そして外部から新たなメンバーやリーダーを入れてムードを変える。でもそれだけではダメだ。それだけ努力しておいて、あとは幸運をじっと待つ。打球が偶然野手の正面に飛んだり、たまたまバグがなかったりという幸運が重なることで、やっと負のスパイラルを抜け出せるのだ。人事を尽くして天命を待つ。連敗脱出でこの言葉の重要さを感じたサードabekkanでした。
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